2020年 第1回定例会 3月18日 本会議
2020.03.18 第1回定例会で反対討論
【2020.03.18 反対討論(録画配信)】
本会議の録画映像をご覧いただけます。
反対討論者 酒井宏明 議員(日本共産党) 約11分
【2020.03.18 反対討論(全文)】
日本共産党の酒井宏明です。
会派を代表して、通告してあります議案および請願について委員長報告に反対の立場から討論します。
まず、新型コロナウイルス問題について一言申し上げます。
WHO世界保健機関がついにパンデミックを宣言し、群馬県内でも感染拡大が止まらない状況です。
この点で、感染者の情報提供に関する県の対応がどうだったのか問われています。
大泉町で、住民の感染の一報が14日午後3時ごろには県から入っていたのに、午後9時からの知事の記者会見終了まで公表を控えるようストップがかかったといいます。
そのため、防災無線による注意喚起の放送もできず、多くの職員が待機を強いられ、ホームページ上で情報発信できたのも記者会見後になったそうです。
住民への一刻も早い周知や対策が求められる中で、疫学調査が長引いたとはいえ、県の都合で対応が後手に回ったとすれば、重大なことではないでしょうか。
また、安倍首相によるいっせい休校の要請に対し、県として子どもの健康と安全を守る観点で、専門的な知見に基づく科学的な検証がされたのでしょうか。
濃厚接触でより感染の危険が大きい学童保育や保育園を開所させている一方で、感染予防措置を徹底すれば、一定の安全装置として機能する学校が休校となりました。
一部の子どもが学校にいるより危険な状態にさらされ続けています。
日本共産党県議団は、今月9日に、知事と教育長などに対して、休校の意味や必要性を専門家も交えてしっかり議論・検証し、地域の実情に応じて判断するよう申し入れました。
休校を継続する場合でも、人権と安全が守られた子どもの居場所を確保し、希望者への学校給食を再開することなども要請してきましたが、こうした見地で、あらためていっせい休校を見直すよう求めます。
さて、第1号議案、一般会計予算についてです。
投資的経費は前年度比23%減少していますが、それは八ッ場ダムやGメッセ群馬の建設完了が主な理由です。
依然として、上信自動車道など7つの交通軸には、7億円増の178億円が計上されるなど、大規模開発偏重の姿勢は変わりません。
工期を伸ばしてでも、緊急なコロナウイルス対策などに予算を振り向けるべきです。
また、県庁32階の動画放送スタジオに加え、イノベーション・ハブやカフェ・スペースなどのフロア整備に対して、県民から「拙速ではないか」との批判が寄せられています。
さらに、県立図書館や県民会館など10の県有施設が見直しの対象にあげられていますが、施設利用者や専門家などの意見を十分聞き、納得と合意の上で、慎重に判断すべきです。
県民共通の財産を安易に指定管理者や民間に移行することは許されません。
検討はこれからといいますが、唐突感を否めません。これらの理由から、第1号議案には反対です。
次に、第12号、国民健康保険特別会計についてです。
日本共産党は、全国調査を実施し、約8割を占める市区町村で国保税値上げの危険が迫っていることを明らかにしました。
「年収400万円の4人世帯」のモデルで計算した場合、群馬県では値上げの自治体は33にのぼります。
率でいうと東京都に次いで2番目に多くなります。
実際には、県の激変緩和措置や、独自の公費繰り入れで国保税軽減を行う市町村もありますが、国はそうした自治体に対し、保険者努力支援制度の交付金を減らすペナルティーなどの圧力を強めています。
群馬県の国保税滞納率は約15%、保険証の取り上げは約4500件にのぼります。
払いたくても払えないのが実態です。
甘楽町では18歳未満一人33200円を補助し、事実上子どもの均等割をなくしました。
全国知事会が求めているように公費1兆円の投入で国保税の値上げを抑えるとともに、県独自の軽減策に踏み出すよう強く求めます。
第41号、教職員の給与等に関する条例改正についてです。
教職員等の時間外勤務時間を原則月45時間、年間360時間以内を上限とするよう、条例等の整備を進めようとするものです。
長時間労働の是正に向けた取り組みはもとより重要ですが、国が狙う変形労働時間制の導入は問題の解決につながらないどころか、長時間労働を容認し、過労死を招きかねません。
教育長も「メリット、デメリットについて現場の実情をふまえて検討する」と答弁せざるをえませんでした。
まずは、給特法を抜本的に改正して、残業手当をしっかり払うことが必要です。
教員の増員で多忙化解消を図ることこそ必要であり、変形労働時間制導入への道を開く本条例改正には反対です。
第44号、福祉プランについてです。
国の社会保障費削減政策に従い、自立支援や「互助」をうたっていますが、権利としての福祉や公的責任を後退させるものです。
今求められているのは、きめ細かな施設整備や介護職員の処遇改善であり、本プランに賛成できません。
続いて、請願についてです。
厚生文化2号及び5号は、幼児教育・保育の無償化に伴って生じる副食費の負担について、県が補助するよう求める請願です。
一部の保護者が無償化前より経済的負担の増える逆転現象を解消するためにも必要な措置であり、継続でなく採択を求めます。
農林環境3号は、日米貿易交渉の合意撤回を求める請願です。
TPP11、日欧EPAに続き日本農業を一方的に売り渡した日米貿易協定は、さらなる自由化協議の開始も含んでおり、際限のない自由化は必至です。
本県農業に対して50億円もの影響が予想されています。
よって、本請願の不採択に反対し、趣旨採択を主張します。
総務企画13号は、消費税を5%に引き下げ、複数税率・インボイス制度の廃止を国に求める請願です。
2019年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値が年率換算で7・1%もの大幅減となりました。
消費税増税の強行が家計を冷え込ませ、設備投資を落ち込ませたことを示すものにほかなりません。
加えて、新型コロナウイルスの感染拡大で、日本と世界の経済が大きな打撃を受けています。
緊急に消費税率を5%に戻すとともに、働く人の雇用と所得を守り支え、苦境に陥っている中小企業やフリーランスへの緊急で抜本的な支援を行うことが求められています。
よって、本請願の不採択に反対し、採択を求めます。
最後に、知事は「熟慮断行」とかスピーディさを強調しますが、独断専行型のそしりを免れません。
「急いては事を仕損じる」ということわざもあります。
県民の合意を尊重し、行き過ぎたと思えば、引き返す勇気も大切であることを申し上げて、私の討論といたします。
【参考リンク】
知事提出議案の件名、概要、賛否の状況はこちらをご覧ください。
↓
群馬県議会のホームページより
令和2年第1回定例会 知事提出議案
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