群馬の森公園内にある追悼碑を原寸大で表現した作品で、作者は美術家の白川昌生さん(69)。
新聞報道があった23日朝、匿名の県民の方から私の自宅に電話があり、「県議会でこの問題を取り上げてほしい」と要望されました。私はさっそく今日、県に事実関係をただしました。
県によると、21日に同館職員が作品に気づき、館長が文化振興課とも相談の上、「碑をめぐっては裁判係争中であり、総合的に判断して展示しないことにした」といいます。
展示会直前の取りやめに、県民から「表現の自由の侵害だ」「行政が事前にチェックし、不都合な芸術作品の展示を認めないのはあり得ない」との批判があがっているのは当然です。
もともとこの追悼碑は、アジア太平洋戦争中に朝鮮人を強制連行し強制労働させた事実を忘れないために、県議会全会派も賛成して10数年前に建立されたものです。その後、公園内の追悼集会で政治的な発言があったなどと難癖をつけ撤去を求め県に圧力をかけてきたのは、差別排外主義的なレイシスト集団です。県がそうした不当な圧力に屈し、碑の設置許可期間の延長を認めず、事実上の撤去を命じたことで、それに反対する市民団体の間で民事訴訟が続いています。
今回の作品撤去は、こうしたことが背景にあることは明らかです。
今回の措置が、歴史の事実に目をつぶり、差別や偏見をさらに助長することになりやしないか大変危惧します。改めて作品の展示をすべきではないでしょうか。
4月24日夕方のNHKニュースより