このほど、群馬県農民運動連合会の木村一彦会長からコメントが寄せられましたので紹介します。
「昨年の11月に、日本一遅い稲刈りを終らせようと、昼前からコンバインのキャビンに座ったところ、携帯電話にTBSテレビから取材申込みの連絡が有りました。「午後には、自民党と安倍内閣が、農政改革の方針を決め、経営所得安定対策や減反政策の廃止を打ち出すから、全国農民連から紹介された稲作農家の現場の映像とコメントが欲しい。夕方6時のニュースで流したい。」と、協力要請して来たのです。午後1時には、記者とカメラマンらが車で到着しました。私は、収穫作業の映像を撮られるのは簡単ですが、まだ農政改革方針の発表を正式に聞いていないのに、コメントをするなんて芸当は、やった事がない。仕方なく「農業は命を支え地域を守る大切な基礎産業なのに、天候や自然災害に影響支配され易く、又、社会的経済的には生産資材の調達や生産物の販売で大企業の圧倒的な市場支配の下で、常に不利な立場にさらされている。生産費に見合った販売価格や、生活費を賄える所得の見通しが無ければ、担い手としては農業を続けられない。食料の安定確保や自給率向上の為には、制度や政策の支えを廃止するのでは無く、ヨーロッパ先進諸国の様な充実こそが必要です」と話しました。
それから1年、安倍内閣は「農業所得の倍増を目指して、規模拡大をすれば強い農業になる。法人化すれば儲かる農業になる。夢を海外に向けてグローバル農業、輸出産業化を目指せ」と、TPPへの参加に向けて「農政改革元年」を謳いあげました。しかし今の農業の現場では、規模拡大や法人化を目指して先頭を走って来た稲作農家をはじめ、野菜農家や畜産農家が、生産者米価の大暴落や売上収入の低迷で、死活にかかわる事態と成っているのです。例えば今年、JAたかさきが決めた生産者米価の概算払い金額は、1俵60Kg当たり6000円です。米を1Kg売って100円の値段は、水より安く缶コーヒー1本も飲めません。安倍首相の言うアベノミクスとは、これらの厳しい現実を覆い隠す飾り文句では無いでしょうか?
今年は国連が決めた「国際家族農業年」です。その根底に有る意味は、風土や歴史の異なる世界の国々には、それに見合った多様な食文化や、それを支える家族農業が在り、地球規模の飢餓問題や環境問題の解決には、グローバル企業化農業一辺倒では無く、家族農業や食料主権の尊重に光を当てる事こそが大切だとしているのです。安倍首相は、これら国連の決定に対して何もしないばかりか、全く逆の方向を突っ走りながら、「これがグローバルスタンダードだ!」と叫んでいます。
私達の我慢にも限度が有ります。私が集会やデモに持って行く「TPPも原発も ならぬ事はなら怒」と真っ赤な布に墨書した手作りの幟旗は、今は亡き母が嫁入りの時に、生命を大切にする為の魔除けの腰巻き(みやこお腰)として持って来た遺品です。〝アブ内閣〟の暴走を止めるまでは、まだまだ幟旗の出番は続いています。(木村一彦)」
「昨年の11月に、日本一遅い稲刈りを終らせようと、昼前からコンバインのキャビンに座ったところ、携帯電話にTBSテレビから取材申込みの連絡が有りました。「午後には、自民党と安倍内閣が、農政改革の方針を決め、経営所得安定対策や減反政策の廃止を打ち出すから、全国農民連から紹介された稲作農家の現場の映像とコメントが欲しい。夕方6時のニュースで流したい。」と、協力要請して来たのです。午後1時には、記者とカメラマンらが車で到着しました。私は、収穫作業の映像を撮られるのは簡単ですが、まだ農政改革方針の発表を正式に聞いていないのに、コメントをするなんて芸当は、やった事がない。仕方なく「農業は命を支え地域を守る大切な基礎産業なのに、天候や自然災害に影響支配され易く、又、社会的経済的には生産資材の調達や生産物の販売で大企業の圧倒的な市場支配の下で、常に不利な立場にさらされている。生産費に見合った販売価格や、生活費を賄える所得の見通しが無ければ、担い手としては農業を続けられない。食料の安定確保や自給率向上の為には、制度や政策の支えを廃止するのでは無く、ヨーロッパ先進諸国の様な充実こそが必要です」と話しました。
それから1年、安倍内閣は「農業所得の倍増を目指して、規模拡大をすれば強い農業になる。法人化すれば儲かる農業になる。夢を海外に向けてグローバル農業、輸出産業化を目指せ」と、TPPへの参加に向けて「農政改革元年」を謳いあげました。しかし今の農業の現場では、規模拡大や法人化を目指して先頭を走って来た稲作農家をはじめ、野菜農家や畜産農家が、生産者米価の大暴落や売上収入の低迷で、死活にかかわる事態と成っているのです。例えば今年、JAたかさきが決めた生産者米価の概算払い金額は、1俵60Kg当たり6000円です。米を1Kg売って100円の値段は、水より安く缶コーヒー1本も飲めません。安倍首相の言うアベノミクスとは、これらの厳しい現実を覆い隠す飾り文句では無いでしょうか?
今年は国連が決めた「国際家族農業年」です。その根底に有る意味は、風土や歴史の異なる世界の国々には、それに見合った多様な食文化や、それを支える家族農業が在り、地球規模の飢餓問題や環境問題の解決には、グローバル企業化農業一辺倒では無く、家族農業や食料主権の尊重に光を当てる事こそが大切だとしているのです。安倍首相は、これら国連の決定に対して何もしないばかりか、全く逆の方向を突っ走りながら、「これがグローバルスタンダードだ!」と叫んでいます。
私達の我慢にも限度が有ります。私が集会やデモに持って行く「TPPも原発も ならぬ事はなら怒」と真っ赤な布に墨書した手作りの幟旗は、今は亡き母が嫁入りの時に、生命を大切にする為の魔除けの腰巻き(みやこお腰)として持って来た遺品です。〝アブ内閣〟の暴走を止めるまでは、まだまだ幟旗の出番は続いています。(木村一彦)」