日本共産党 群馬県議会議員 酒井ひろあき

あなたとつくる、希望の群馬。

時代はダム撤去へ!ドキュメンタリー映画『ダムネーション』鑑賞

2015年01月11日 | 八ツ場ダム
八ツ場あしたの会などが主催したドキュメンタリー映画『ダムネーション』(提供パタゴニア)上映会に参加してきました。開始時間前に行ったときにはすでに会場いっぱいの人。一番前のフロアーに布シートを敷いてもらってそこに座って観ました。アメリカでのダム撤去に向けた運動と、撤去後にサーモンが実際戻ってきただけでなく、伝統的な生活や文化がよみがえっくるなどの好影響について、説得的に映し出していました。グランドキャニオンなどの映像美も一見の価値ありかも。
第2部で、ダム予定地の状況を渡辺洋子さんが、八ツ場ダム事業の現状と今後の見通しについて嶋津暉之さんが報告。参加者の質問にも丁寧に答えていました。有害鉄鋼スラグの問題も急浮上しています。私もあいさつし「八ツ場ダム本体工事が始まってもさまざまな問題が残されている。あきらめずに粘り強く、ご一緒に反対運動を続けていきましょう」と呼びかけました。



工事進む八ツ場ダム建設予定地~中止の決断こそ

2013年08月11日 | 八ツ場ダム

先日、長野原町の八ツ場ダム建設予定地を訪れました。行くたびに川原湯温泉街をはじめ、まちの風景がどんどん変わっていきます。聖天様露天風呂も閉鎖されていました。
国道のバイパスができて、旧道では一般車両はほとんどみかけません。バイパス沿いに「道の駅」ができて、大勢の観光客らでにぎわっていました。

新川原湯温泉駅のホームも完成間近といったところ。ダム湖に沈む滝見橋からは、橋げたがほぼつながった湖面1号橋(川原畑地区と川原湯地区を結ぶ橋)が見え、その巨大さに圧倒されます。しかし、両地区をつなげる橋がどうしても必要なのか、2号橋を迂回すれば十分ではないのか。1号橋をつくっても車で5分しか短縮しないともいわれます。
ダムサイト予定地より下流の鹿飛橋。本当に鹿が一跳びで渡れそうなくらいの幅しかありません。まさに洪水を防ぐ天然のダムの役割を果たしています。ダムができればこの風光明媚な自然も壊されてしまうのかと思うと残念でなりません。
国交省は4年の工期延長を決めましたが、付け替え国道・県道やJR付け替え線・駅舎建設など本体工事以外は中断することなく続いていたのです。

本体工事に着手する前の今なら、まだ引き返せます。自然をこれ以上破壊するのはやめて、真の地域振興と住民の生活再建・生活補償へ舵を切るべきです。

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遺跡の中に八ツ場ダム予定地~本体工事中止し観光資源に

2012年10月22日 | 八ツ場ダム

八ツ場ダム予定地で発掘された遺跡の状況を視察するため、塩川鉄也衆院議員らと長野原町の発掘現場を訪れました。糸井洋衆院5区予定候補、柳下礼子埼玉県議らが同行し、県文化財保護課長らが案内してくれました。塩川さんは大学で歴史を専攻していたということで、目を輝かせていました。
川原畑地区の東宮遺跡では、江戸時代の天明3年(1783年)の浅間山噴火による泥流で埋もれたムラや人々の生活が掘り出されました。発掘調査中、水が出てきて苦労したそうですが、その豊富な湧水のために200年以上経過してもなお、木材などの保存状態がよく、当時のリアルな様子を伝えてくれます。下駄やうちわ、キセルなどがそのいい例です。甕の中の梅干しは今のも食べられそうだったと話していました。

泥流は吾妻川に沿って流れましたが、一部せき止められ、谷を逆流してきたために、その集落の多くの人は逃げて助かったそうです。養蚕や酒造り、麻などを栽培していた様子などもわかっています。
現在建設中の1号橋直下では、獣の落とし穴など平安時代(かそれ以前)の遺跡なども見つかり、発掘作業していました。別の場所では、8000年も前の縄文時代に「かまど」がどの家でもみられるなど、貴重な発見がいくつもあるとの説明を受けました。

八ツ場ダム本体工事が不透明な中、水没予定地内の調査は中断されたままです。東宮遺跡の西側はまだ調査が手付かずです。予定地内には、鉄道や国道、住宅があり、試掘さえされていない場所も多くあります。ダム本体工事にたとえゴーサインがでても、遺跡発掘対象となるため、期間が延長されるのは確実で、調査費用も増大する可能性が高いといわれます。それでも群馬県は期限内にしかも総事業費を増額せずにダムをつくれという。全く矛盾しています。

唯一の解決方法は、ダム本体工事を完全に中止したうえで、建設とリンクさせない形で、遺跡発掘費用を国費で出すこと。そうすれば貴重な遺跡を残し、観光資源とすることで地域振興につなげることもできます。

それにしても、あらためて遺跡の多さに驚きました。縄文時代、平安時代、江戸時代の遺跡…まさに遺跡群の中に、ダム予定地があるといっても過言ではありません。紅葉が色づき始めた吾妻渓谷。遺跡めぐりも楽しいかも。

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埼玉の滝沢ダムなど視察 地すべり対策にばく大な費用

2012年05月18日 | 八ツ場ダム

八ツ場ダムを考える1都5県議会議員の会と八ツ場あしたの会は17日、埼玉県荒川上流のダム見学会を開き、4人の群馬県議を含む17人が参加しました。

 

二瀬ダムは完成から49年。堆砂が計画量に対して2倍のスピードで進行し、現在の堆砂率は91%。上流に堆砂ダムをつくり、年2万立方メートルを除去、その費用に毎年1億円がかかっているそうです。地すべり対策では、2010年に1億7千万円かけて集水井を2基設置、のべ4キロメートルの集水・排水ボーリングを実施しています。こうした地すべり対策に数十億円かかっているとのこと。

 

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また、昨年3月に完成した滝沢ダムの総工費は2306億円で、八ツ場ダムの約半分(増額なければ)。1年半かけて試験湛水を行い、水位を下げ始めてから、道路の亀裂や沈下、陥没、斜面の崩落が少なくとも10か所で起きました。そのため、押え盛土やアンカー工、水抜きなどの地すべり対策に、これまで約300億円を投入したそうです。そして今も600か所で地すべりの計測を行っています。

 

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群馬で八ツ場ダム建設が進められていますが、地すべり多発地帯でいったいどのくらい対策費がふくれあがるのか想像もつきません。視察した2つのダム周辺は本当に自然豊かなところで、ヤマザクラやツツジがとてもきれいでした。むだな八ツ場ダムをなんとしても中止させたい、その思いをいっそう強くしました。


八ツ場ダムはやっぱりつくってはいけない

2011年09月25日 | 八ツ場ダム

23日は、八ツ場ダムを考えるシンポジウム、24日は現地調査に行ってきました。

330人も参加したシンポでは、国交省の「検証」がいかに茶番であるかが鮮明になりました。

水源開発問題全国連絡会の嶋津暉之共同代表は「200年に1度の洪水にそなえるといいながら、80年後には堆積した砂で埋まってしまう」こと、水需要予測が現状からかけ離れて過大であることなどを指摘して、必要性が全くないどころが、作ったら危険なダムだと強調しました。

拓殖大学の関良基准教授は、森の貯水能力向上を無視する「検証」結果を批判。地域環境研究所の中川鮮代表と元東京都土木技術研究所の中山俊雄主任研究員は、建設予定地や造成された代替地での地すべりの危険性を指摘しました。

シンポには、塩川鉄也衆院議員のほか、民主党の国会議員や、八ツ場ダムを考える1都5県議会議員の会からも党派を超えて大勢参加しました。

群馬県議も5人が参加しました。

規模も内容も成功し、八ツ場ダムを中止に追い込む確かな足場ができたことを実感しました。

現地見学会では、付替鉄道の「新駅」の裏山が、扇形の地形にあり、崩落した土砂に埋まる危険性がよくわかりました。

八ツ場あしたの会の渡辺洋子事務局長は、「川原湯温泉には昔、20軒もの旅館があったが、今では5軒のみ。先が見えず廃業を考えている旅館もある。ダム計画は温泉街をつぶしただけ」と語り、また、代替地への移転希望者が減っており、地域のコミュニティが成り立つのか疑問とのべました。

伊藤県議も、代替地のり面の岩盤のもろさや、水力発電のまやかしを批判しました。

私は現地に何回も行っていますが、そのたびに環境が壊され、水没予定地から人がどんどんいなくなっている現状に心が痛みます。湖面1号橋も橋脚の建設が進んでいましたが、ダム湖に4本も大きな橋を架ける必要性に疑問をもちました。

真実を知れば知るほど「つくってはいけないダム」を実感。多くの人に真実を知ってもらい、なんとしてもダム中止に追い込みたいと思います。