チラシの裏

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うみねこEP2 その2

2009年07月16日 16時48分50秒 | ゲーム:アニメ:07th Expansion関連
前回の続きです。

うおおおお(ry



1986年10月4日スタート
電車の中 楼座のDV。

この痛々しい描写は、この作品の中で最も重要と思われる課題のひとつであると考えられる。

真里亞「うー・・・。真里亞は全然平気・・・。ママを嫌いになんかならない。
 ・・・ママはまた悪い魔女に乗り移られていただけ。
 ・・・でもママが帰ってきたから平気。」


EP4で詳しく描かれるが、「また」という言葉からもDVが日常的なことだと読み取れる。

楼座「うん、・・・うん・・・。・・・悪い魔女に、・・・ママはまた乗り移られていたの・・・。
・・・ごめんね、・・・本当にごめんね・・・。」


真里亞にとって、嫌いなママの姿は魔女。

楼座も魔女に責任転嫁することで逃げている。

真里亞から視た悪い楼座は魔女。

真里亞が魔女の存在を頑なに信じることになった元凶だろう。

屋敷 蔵臼と夏妃の会話。
夏妃「・・・あなたが親族会議に専念できるよう、全ての手配を済ませています。・・・全て。」
蔵臼「・・・すまん。・・・親父殿の件は、問題ないかね。」
夏妃「はい。・・・源次と南條先生は私たちの味方です。
 ・・・あの強欲な兄弟たちを、決してお父様には会わせません。」


蔵臼、夏妃、源次、南條がグルで金蔵の死を隠蔽していると解釈できる。

使用人室 使用人たちの会話。
源次「嘉音。・・・今日は本当の意味で、大切なお客様を迎える。
心構えを改めるように。」


「大切なお客様」にアクセントが付いているが、誰を指しているのか。

ベアトのことだろうか。

回想シーン 留弗夫の経営危機の様子が描写される。
留弗夫「・・・そうだな。6年ぶりに家族が揃ったんだからな。
 ・・・家族水入らずで過ごせるよう、家長が頑張らねぇとな・・・。」


・・・縁寿は・・・?

書斎 金蔵と南條の会話。

金蔵は幻想なので存在しないか、金蔵の後継者を名乗る何者かが存在するかのどちらか。

南條「・・・そう言えば金蔵さん。今年の親族会議には懐かしい客がおられるそうですな?」
金蔵「何・・・?」
南條の言葉に、珍しく金蔵が反応し振り返る。
金蔵「・・・何だ、戦人か。・・・6年ぶり程度の客人など、懐かしいなどとは呼びはせぬ。」
戦人の名を聞き、まるで拍子抜けだとでも言うような不機嫌な表情を見せると、
金蔵は再び背を向けた。
金蔵「ふ。・・・本当に懐かしい客は、・・・あるいは訪れるかもしれん。
 ・・・全てはルーレットの出目次第だ。・・・すでにルーレットは回り始めている。
 ルージュか、ノワールか。」


本当に懐かしい客とは誰のことを指すのか。

普通に考えればベアトリーチェのことだが、「ベアトリーチェ」の定義が曖昧なので判断できない。

存在が希薄で紗音と嘉音にしか見えない、ドレス姿のベアトと

屋敷内をうろつき霧江にも見える、ブレザー姿のベアトと

真里亞に傘を貸し手紙を渡したとされる、存在を匂わせるだけのベアトと。

全てが同一人物だという保証はないし、幻想なので人間だという保証もない。


メタ視点
駒が揃ったのでゲームを始めるというベアト。

ゲーム盤、つまり戦人が推理する題材はここからスタートということになる。

今までの過去の描写は、ゲーム盤上でどう駒が動こうと、変化することのない「事実」となる。

駒の定義が明確ではないが、死亡している金蔵を除く、人間17人のことだろうか。


薔薇庭園
萎れた薔薇を気にかける真里亞。

EP1でもあったものだが、ゲーム盤で毎回存在するかは不明。

真里亞がハロウィンの謂れについて語る。
戦人「つまり、ハロウィンはこの世とあの世の交流のある時期ってわけなんだな?
 それでつまり、魔女たちにとってはそういう世界の客人たちと
 交流できる大切な機会だったと。そう言いたいわけか。」


すでに死亡している金蔵が、夏妃や南條と会話しているシーンをオカルト的に解釈することも出来るが

ファンタジー否定派に対するミスリードだろう。

親族会議が始まろうとしたとき、真里亞を心配した楼座は外へ出て真里亞を探す。
ブレザー姿のベアトが現れる。

宙に放り上げたお菓子が、・・・金色に弾けて・・・、いや違う。それは黄金の蝶。
何匹もの黄金の蝶に散り、・・・それは宙に手をかざす魔女の手に集まっていく。
するとそれは、・・・信じられないことに、
・・・買った時そのままの綺麗な元の姿に戻っていた・・・。


この幻想描写で重要なのは、真里亞は目を閉じていて魔法を見ていないこと。

つまり、魔法を見た人間は楼座だけ。

メタ視点からは、幻想描写は、何者かの創作映像を見せられているという解釈が可能。

今回の復元魔法は、楼座に都合のいい創作である可能性が高い。

真里亞がお菓子の復元を願望していたとして、それが叶うようなことがあれば

それは「魔法」と呼べる。

真里亞が魔法だと信じる限り、魔女は存在するのだ。

例え、楼座が「真里亞、目を閉じていてごらんなさい。魔女ベアトリーチェが

お菓子を元どおりにしてくれるわ。」と言って新しいお菓子とすり替えたとしても

真里亞にとって魔女も魔法も存在したことになる。

何のためにこのようなことをしたか。

魔女の手紙の差出人が楼座だと仮定すると、

魔女ベアトリーチェという架空の存在を匂わせるための工作に真里亞を利用した。

これが自然か。

しかし、この推理の穴は、ブレザー姿のベアトが架空の存在ではなく

アリバイのない何者かがベアトリーチェを名乗っている場合、

楼座とグルなのかどうかが問題となる。

グルではなく、楼座も幻想に騙されている被害者だとすれば

手紙の差出人が楼座ではない可能性が高まり、推理が破綻する。

この後、ベアトは徒歩で玄関から入り、源次と会話している。

このことから、ブレザー姿のベアトが架空の存在ではなく、

ベアトリーチェを名乗る何者かであるという線で推理出来る。

ただし、「何者か」には楼座を含めることが出来るため、

魔女を騙る楼座が幻想ベアトの正体であったとしても、筋が通る。

さらにこの後、ベアトは霧江と会話するのだが、霧江の印象では

高圧的で好きになれそうにない人物とある。初対面とも書かれている。

客間での霧江と楼座の会話から得られた印象は、

2人は、紅茶の話や母親として共通する考え方などで共感を得られる仲。

そんな霧江の中に存在する楼座像と、今目の前にいる楼座の印象が食い違えば

霧江にとっては「魔女」という幻想が成立する。


屋敷内
書斎前 ドアノブに魔除けがあり、ベアトの手が焼ける。

ベアトリーチェを信仰しているはずの金蔵がこのような防御策を講じるのは少し不自然だが

金蔵の目的は、最後まで生贄に選ばれずに生き残り、黄金郷へ至ること。

生贄から逃れるための防御策なら納得がいく。

しかし、それはいつの話だろうか。

普通に考えれば、生前にこういったオカルトに熱中していただけの話だろうが、

「黄金郷へ至る」という結果は、死後も達成出来る「何か」と考えることも可能。

貴賓室 嘉音とベアトの会話。

嘉音視点で描かれているので幻想と思われる。

ベアトは第二の晩に紗音が生贄になるかもしれないと言う。
譲治から指輪を受け取らなければ生贄には選ばないと言う。


第二の晩の見立て殺人は、犯人の計画に基づくものだが

殺害対象は、ペアが成立する人物の中から無作為に選ばれるということが分かる。

客間 眠そうな戦人。 
戦人「・・・出番じゃねぇんだよ。こいつがお芝居だったならさ、
 俺の出番じゃねぇってことなんだよ。
 ・・・だったら舞台袖で大人しくしてるに限るってわけさ。」
朱志香「・・・何かさ。自分は主役になれないから舞台に上がりたくない、
 みたいな根性。・・・なぜだか、すっげえうぜーって思って・・・。」
朱志香は窓の外の、雨に霞む灰色の薔薇庭園に遠い目を向ける・・・。
額をガラスにつけると、ひんやりとした感触が、
思い出したくない記憶を追い出してくれる気がした・・・。
朱志香「・・・まだ、君の出番じゃなかったってことなのかよ。
 ・・・じゃあ、・・・いつ君は、舞台に上がるんだよ・・・。」
なら、この舞台の主人公は誰だって言うんだ・・・。


文脈からすると「君」というのは戦人のことを指しているようだが

今まで朱志香は、戦人のことを「君」呼ばわりしていない。

「君」とは戦人以外の誰かを指している可能性が高い。

となると、嘉音のことだろうか。

「思い出したくない記憶」というのは嘉音のことだろう。

「舞台」や「主人公」といったメタ的な表現が使われているのは意味があるのか。

この後、シーンはメタ世界に移るため、特に意味の無い演出かもしれないが。

肖像画前 楼座と真里亞の会話。
真里亞は毎年ベアトと会っている。


親族会議のときにしかベアトに会っていないという意味か。

親族会議のときにしか会えない人物がベアトの正体ということか。

それとも、下記で考察しているルールZにより、”い”ると信じているだけか。

厨房 源次と郷田の会話。
金蔵に夕食を配膳するのは源次で、賓客(ベアト)に夕食を配膳するのは
序列二位の紗音という決まりに郷田が憤慨。

それを聞き俯く紗音の後から嘉音の声が聞こえた。
・・・嘉音は死角に当たる、入り口の廊下側壁に寄りかかって話を聞いていたのだ。


死角ということは、郷田からは嘉音が見えない。

この嘉音は、紗音視点の幻想であると疑える。

書斎の外 蔵臼と源次が扉越しに金蔵に呼びかける。

源次は金蔵がいないことを知っているはず。

蔵臼もおそらくグル。

扉越しに呼びかけるシーンは、金蔵が中にいると思わせるための死亡隠蔽工作に違いない。

書斎の中 金蔵と南條がチェスで対局している。

金蔵がいるシーンは全て、金蔵がいないものとしてフィルタをかけて見なければならない。

フィルタをかけて改めて見てみると

親友とチェスの決着がつかなかった無念、という南條の心理描写が理解出来る。

食堂 謎の賓客について困惑する親族一同。

ここで、「ベアトリーチェに会った」と言った者は楼座(真里亞も)だけ。

霧江は、「名乗らなかったので確定ではないが肖像画に似た人物に会った」と言った。




次回に続く。

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