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シロナガス島への帰還

2021年08月12日 20時59分03秒 | 名作ゲーム
500円で買える神ゲーを紹介。
真相などのネタバレは無し。





シロナガス島への帰還


ゲーム概要

鬼虫兵庫氏制作の同人ゲーム。

ジャンルは、ビジュアルノベルと呼ばれるアドベンチャーゲーム。

一人称視点でテキストを読み進めるゲームだ。

個人制作のインディーズゲームということもあり、キャラクターボイスは無し。



絶海の孤島にある洋館ホテルで殺人事件が起こるという王道ミステリーだが、SF要素もある為、苦手な人は注意。

ミステリーにSFやオカルトなどの超常的な要素は邪道と考える人も居るので。

一応、殺人事件のトリックに超常的なものは絡まない。



強烈ではないもののグロ描写ありなのでそこも注意。R15表記。



アドベンチャーゲームとしては非常にクラシックでシンプルな作りになっており、レトロゲームの雰囲気を感じる。

主人公が探偵なので捜査パートみたいなものもあるが、画面内をクリックしまくるだけというシンプルなもの。

昔のゲームみたいに総当たりすれば簡単に進める。



選択肢によってストーリーが分岐するが、DEAD ENDやゲームオーバー(タイトルに戻る)程度の分岐なので

フラグなどの複雑なシナリオは一切無い。

DEAD ENDにもゲームオーバーにもならないリトライがあるが、実は伏線だったりする。



難しいと感じたのは、制限時間付きのイベントで初見クリアができなかった点のみだ。

普通にリトライして既読テキストを飛ばせば余裕でクリアできる程度の難易度だが、

一発でクリアできないとモヤっとする。



あとは、主人公が探偵ということもあってプレイヤーも犯人を推理しないとゲームが進まないのだが

ちゃんとテキストを読んでいれば難しくないはず。

わからなくても総当たりでクリアできるから詰むことは無い。


総じて、サクサク進められるテンポのいいゲームと言える。

エクストラシナリオ抜きならプレイ時間は10時間くらいで終わる。


忙しかったり、時間が無かったりで、凝ったゲームをプレイするのを敬遠してしまう

そんな人にオススメなゲームだ。



なぜ神ゲーと呼ばれるか

ゲームの概要は上記のとおりで、オーソドックスなビジュアルノベル形式で複雑なゲーム性が無いもの。

それだけだと特筆すべき点が無いように感じられるかもしれないが、

キャラクターとシナリオは既存の神ゲーと並べても遜色無いほどのオリジナリティだ。

個々の要素を分解して見れば「どこかで見たことがあるもの」と言えてしまうが

それらを構成し、一つの作品として完成させた全体像を見ると、個性が色濃く出ているのだ。


例えばキャラクター。

主人公はオッサン?の探偵なので中二要素が全く無い。

流行りのラノベによくあるような主人公とは、かけ離れている。


ヒロインは超絶コミュ障で「わたモテ」のもこっちにしか見えない。

しかし、見たものを完全に記憶できる能力を持つ天才という、探偵の相棒として強キャラすぎる存在。


そんな2人の会話がめちゃくちゃ楽しい。

全体的にシリアスで悲劇なストーリーが多いのでこの2人が癒し。

会話シーンだけでもずっと見ていたい。



そしてミステリー。

フーダニットとハウダニットを主人公の探偵といっしょに推理するのもミステリーとして魅力的ではあるが

本作の最大の特徴と言ってもいいシロナガス島の謎を解明する。

これが非常に面白い。

サスペンスホラーの要素もあり、から襲われる恐怖と戦いながら謎に迫って行くシーンは

緊張感がとてつもない。

ビビリな俺は、ゆっくり読み進めることになってしまった。



伏線回収は素晴らしかった。

シナリオが綺麗に繋がったときの快感は「シュタゲ」を思い出した。

特にタイトルの意味がやばい。

これは鳥肌ものだった。



個人制作の500円のゲームが既存のプロのゲームと比べられるというのだから、相当なことだぞ。

キャラクターボイスが付いてコンシューマ化するのも時間の問題かと思うが

同人ゲームが出世する、というと「Fate」や「ひぐらし」を思い出すな。

ミステリー要素ありの作品という共通点があるし、本作も冗談抜きであり得るんじゃないか?

続編制作中ということで、続編がヒットしたら連鎖的にすごいことになりそうだ。


OGPイメージ

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