*自然散策路からみた美術館
先日(10日)誘われて、千葉県佐倉市にある川村記念美術館にでかけ、けっこう癒されて帰ってきました。自然の中、晩秋のたたずまい、久しぶりのアート、それにモダン・アートを話してくれたミュージアム・ガイドさんの話しぶり、全部に癒されたのです。
*庭にもモダンアートが遊んでます。
京成佐倉駅から、無料送迎バスで30分ほど。ここが首都圏・通勤圏かと思うほどの林の中に、川村記念美術館がありました。IDC(大日本インク)の研究所の敷地です。お昼時について、まず美術館に隣接のレストランでランチ。2時からのガイドツアーのためにコーヒーで時間調整します。
美術館がやっているイヤホーン解説も使ったこともありません。いつも、ひとりで気ままに楽しむのが美術館です。今日は、<よくわからん>モダンアートですので、ガイドツアーにのったのです。
平日の午後、10人ほどがガイドさんについて進みます。 まず、常設展の部屋。レンブラント、ルノアール、マチス、ブラック、ピカソ、シャガールと並びます。ここにも、私の好きな、日本人の好きなクロード・モネの<睡蓮の池>がありました。このブログで、睡蓮の話にふれた時に、<ぼんやりした絵だなあ>と書いたことがあります。
*川村記念美術館<モネの睡蓮>1907年の作品
女性ガイドさんが、たんたんと説明していきます。<モネは、睡蓮の部分はきっちり描きこんでいますが、光のあたっているあたりは、ぼやっと、ささっと描いています。光は瞬間、瞬間変わっていくのです。だから、その瞬間を印象で描いていくのです>。そうか、そうか。
その日に、やっていた企画展は、<静寂と色彩:月光のアンフラマンス(Stilnes into Color: nframince of Moonlight)>です。
<美術館企画展のホームページはここです>
アンフラマンスの意味も説明していただいたのですが、忘れました。
<芸術・美の源泉>のような感じでした。
モダン・アートな作品のいくつかに魅かれました。松本陽子<まだ未分化の状態>2008年、吉川静子<宇宙線の織物>1995年がいいな、と思いました。
ガイドさん自身がお好きなアーティスト、作品かもしれません。ガイドさんのお話を聞きながら、アートを観ていくこともいいもんだ、と新発見でした。
しばらく、じっと見てしまったのは、エンマ・クンツです。
方眼紙に色鉛筆やクレヨンで描いた幾何学図形作品が7,8点展示されています。
解説に、<クンツは、ヒーラー、薬草や鉱物の研究者でありアーテイスト>と紹介されています。ヒーラー(healer)ってなんでしょう。ヒーリング(いやし、いやす)のできる人でしょうか。
*エンマ・クンツの作品(美術館のWEBから)
解説は、こう続きます。<作品は、約1m × 1m の方眼紙に色鉛筆やクレヨンで描かれた幾何学図形は、霊的直観と数学的世界が矛盾なく溶け合うように見える不思議な絵画です>。霊的直観はともかく、衝動がクレヨンを動かしたのでしょうか。独自の宇宙観を表現したのでしょうか。不思議な超能力者のようでもあります。
*エンマ・クンツ(1892-1963)(美術館のWEBから)
エンマ・クンツのことを、ネットでもう少し調べてみたいと思っています。スピリチャアル・アートの世界、いやスピリチャアリストさんかもしれません。
*バーネット・ニューマンの作品(美術館のWEBから)
もちろん、最近、IDCの100年記念に増設された部屋の、マーク・ロスコ、バーネット・ニューマンの堂々とした大型作品は圧巻で、この美術館の最高作品でしょう。
*写真は禁止ですが、廊下から見える風景。とてもきれいな色でしたが、ガラス越しで色がでません。
ただ、いちばんいいな、と思ったのは、窓からみえる自然、林の木々です。意図したものかどうかしりませんが、窓枠が額のように見えて、作品に見えました。
【おまけ】
*買った絵はがきは、この2枚。モネの睡蓮と、マーク・ロストの壁画
* 美術館の売店をのぞくことが、大好きです。といって、何を買うわけでもありません。いつも企画展の図録を買おうかなと思いながら、ちょっと高価で今日もパスです。絵はがきを2,3枚買うだけです。クンツをはじめとした企画展の作品の絵はがきはありません。
* 美術館のオーナーは画像印刷機材の会社、IDC(大日本インク)だから何とかしてほしいのです。<モネの睡蓮>の絵はがきは、色がわるく(原画に忠実?で)、つまりハガキとして誰にも出せません。もっときれいなモネの睡蓮の話を、このブログに書いたことがあります。<ここです>
*もう一枚<マーク・ロストの壁画>の絵はがきを買いました。10年ほど前に、私の人生リセット直前に、家族で卒業旅行に米国西海岸に行きました。サフランシスコのSFMOMA(近代美術館)で、そのころ工芸を学ぶ学生であった<下>の息子が<マーク・ロストの作品>の前で、けっこう長い間たたずんでいたのを思い出したからです。
* お正月には帰ってくるだろう息子、家族と一緒に、もう一度出かけてみようと思っているのです。この企画展は、1月11日までです。