「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

アンチスティグマ学会 (1)

2013年02月16日 22時46分10秒 | 「BPD家族会」
 
 2月12~14日、

 「第6回 世界精神医学会アンチスティグマ学会」 というものが

 永田町で開催され、 聴いてきました。

 精神障害に対するスティグマ (偏見, 差別) を 是正していこうという学会で、

 医療者, 福祉関係者, 精神障害当事者, 家族, メディアなど、

 色々な立場の人たちが 講演, シンポジウムを行ないました。

 当 「BPD家族会」 からも 会の代表が シンポジストとして参加し、

 家族の苦労について発表しました。

 精神医療の専門家でも まだ理解が乏しいBPD、

 さらにその家族の苦しみを 訴えた内容で、 とても心に沁みる発表でした。

 周囲の無知や偏見は元より、 BPDは 医療者にもスティグマがあり、

 ただでさえ 辛くて孤立している家族が、

 医療者の心ない言葉に ますます傷つけられる労苦を 訴えていました。

 でも5年前に比べれば、 BPDを扱う 本やドクターも増え、

 家族会の参加者も増えてきたと、 展望も述べていました。

 また、 「BPD家族会」 の参加者たちの 協力のもとに行なわれた、

 アンケートの結果を集計した 発表も行なわれました。

 BPD家族に対する調査は 初めてだそうで、 貴重なデータだと思います。

 家族の多くが 不安障害を抱えているなど、 隠れた事実も明らかになりました。

 BPDの人に向き合うには まず、

 家族が自分自身を 大切にしなければならないということです。

 アンケートの結果は、 今後も公開していくそうです。

 BPDや家族に対して、

 医療, 福祉などの援助が もっと得られるようになることが望まれます。

 様々なスティグマを抱える 精神医療にあっても、

 とりわけスティグマが強い BPDですが、 そんな中で今回の学会において、

 「BPD家族会」 の 発表の場が得られたのは 貴重なことでもあるでしょう。

 これをひとつの契機として、 BPDの実情が伝わり、

 誤解や偏見が少なくなっていくことを 願ってやみません。

(次の記事に続く)