「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ボーダーの人と ノン・ボーダーラインの人の 境界線の問題 (2)

2013年02月04日 21時19分43秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

 ボーダーの人が 自分自身の行動や感情に 責任を取りたがらないのに対し、

 ノン・ボーダーラインの人は 他人の言動に 過度に責任を感じやすい傾向があります。

 なかには、 子供時代に 周りの人たちの世話をする 役割を期待され、

 他人の責任を 担うようになった人がいます。

 彼らは 親の愛情を失わないために、

 自分の要求を 否定しなければなりませんでした。

 そして 大人になっても、 自分の感情を否定し続けます。

 そうすることに慣れ、 それが安全だと思ったからです。

 彼らは自分の境界を 維持することができません。

《 過去から続くシナリオ 》

 ボーダーの人は 自分の苦痛や怒りを、 ノン・ボーダーラインの人にぶつけます。

 過去の痛ましいシナリオを 繰り返し演じていることに気付きません。

 そして時に、 ノン・ボーダーラインの人は 喜んでそれを受け入れます。

 ボーダーの人とノン・ボーダーラインの人は 生き延びるために、

 広大な無意識に根ざした 信念で取引をします。

 ボーダーの人は 自分が切り離されるのは恐ろしいことで、

 身近な人の自立や独立を 諦めさせようとするのです。

 多くのノン・ボーダーラインの人は、

 ボーダーの人のネガティブな反応を 引き起こさないようにします。

 自己主張をすれば関係を失い、 愛されなくなると心配しています。

 ボーダーの人は、 ノン・ボーダーラインの人が わがままで配慮にかけていると、

 巧みに思い込ませます。

 ノン・ボーダーラインの人は 歪んだ現実に適応しているのが、

 分からなくなってしまいます。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕