「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

ボーダーの人とノン・ボーダーラインの人の 境界線の問題 (3)

2013年02月05日 21時18分31秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

《 境界線を引くこと 》

 境界がないと、 ボーダーの人の行動は 全くコントロールを失ってしまいます。

 ノン・ボーダーの人は ボーダーの人に非難されることを恐れて、

 自分の要求を一切口にせず、 ボーダーの人の 言うままになることもあります。

 でも あなた自身の境界を 決定することが必要です。

 境界を設けることは、 初めのうちは 恐怖を伴うかもしれません。

 でも境界は 自分のためだけでなく、 ボーダーの人のためにもなるのです。

 境界を設けないと、 事態は悪化するばかりでしょう。

 ノン・ボーダーの人は 自分の要求を全て脇におけば、

 ボーダーの人を “おとなしくさせておく” ことが できると思うかもしれません。

 しかし、 そうはなりません。

 ボーダーの人の苦痛が ノン・ボーダーの人のそれより ずっと大きいと知り、

 助けようとする心意気は立派です。

 しかし 自分を犠牲にすることは、 長い目で見れば 双方のためになりません。

 ボーダーの人は 責任が問われなければ、

 自分の行動が周りの人に どんな影響を及ぼしているか、 顧みることもなくなります。

 ボーダーの人の責任は 彼自身にあると、 彼も周りの人も認め、

 彼が変化しようと思わない限り、 彼は改善しないでしょう。

 ノン・ボーダーの人が 妥当な境界を設け、 自分の人生を生きるようにすれば、

 ボーダーの人と共に生きる チャンスは大きくなるでしょう。

 境界を守ることによって、

 ボーダーの人や家族に対して 役割モデルを示すことになるのです。

(次の記事に続く)

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕