「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

アンチスティグマ学会 (3)

2013年02月18日 20時21分34秒 | 「BPD家族会」
 
 現在、 精神医療で 「家族会」 というと、

 ほとんど統合失調症 (またはうつ病) の 家族会のことを指します。

 全国で 精神障害者の家族会の数は  (メモし損ねてしまいましたが) 千数百、

 会員は10万人以上です。

 それに比べると、  「BPD家族会」 は

 専門家の間でも 存在すらまだ知られておらず、 規模も実に微々たるものです。

 他の家族会の活動の話などは 参考になりましたが、

 これから始まる 道のりなのだと感じました。

 また、 精神障害者自身の中にある スティグマも言及されていました。

 自分が統合失調症である 一人の発表者も、 当事者同士の間で、

 病名や症状で差別し合う  「相互スティグマ」 があるということを戒めていました。

 一方その発表者は 別のシンポジウムで、

 当事者がカミングアウトすれば 差別は少なくなってきた、

 ということも述べていました。

 それも事実だと思いますが、 ところがその人は、 友人から

 「あなたは恐くない。 恐いのは 突然キレたり暴力を振るう人だ」

 と言われたというのを、 差別されなかったことの 引き合いに出していました。

 BPDの人は突然キレたり 暴力を振るったりすることがあるわけですが、

 この発表者は そのことが頭にありません。

 相互スティグマを訴えている 当の本人が、

 BPDの人は恐いと 言っていることに気付かない

 スティグマを持っているということを、 目の当たりにさせられました。

 精神障害者に対する 根深いスティグマ、 いわんやBPDをや、 です。

 BPDの理解の普及、 スティグマの解消は まさしくこれからです。
 


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