「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

相手に変化を求めること (4)

2013年03月14日 20時44分53秒 | 「境界性パーソナリティ障害=BPD」より
 
(前の記事からの続き)

 ボーダーの人の 反発に対応する表現を いくつか紹介しましょう。

「あなたを大切に思っているから、 力を合わせて 二人の関係を良いものにしたい。

 同時に 自分のことも大切にしたい」

「あなたがどう行動するかは あなた自身が決めること。

 私のすべきことは、 私自身を大切にすること」

「僕たちは それぞれ別の人間で、 違う考えや気持ちを 持ってるんだ。

 同じ気持ちにならなくても、 僕の気持ちも大切にしてほしいと お願いしてるんだ」

「私に同意しない権利が あなたにはある

 私にも、 自分を大切にする権利がある」


 他にも、 論争に持ち込まないための、 以下のような対応があります。

「それはあなたが決めることよ」

「落ち着いてから話しましょう」

「誰も悪くない。 見方が違うだけ」

「責任を半分以上は引き受けたくない」

「気に食わないことは分かってる。 でも譲れないんだ」

「僕には考える時間が必要だ」

「私を引きずり込まないで」


《強い抵抗への対応》

 ボーダーの人が反発するのは、 

「あなたは 私の対応方法を奪おうとしている。

 元に戻して」 というメッセージです。

 怒りや非難, 暴力はもっとひどくなるでしょう。

 (暴力から身を守る方法は 後に取り上げます。)

○ 反発は当然の反応

 反発が起こったからといって、

 あなたが間違っているとか、 効果がないということではありません。

 ボーダーの人に 難しいことをお願いしたということです。

 境界を設けることで、 ボーダーの人が 自分自身を真剣に見つめるようになり、

 援助を求める決断をすることもあります。

 何が起ころうと、 結局 いつかは起こりうることなのです。

〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕