(前の記事からの続き)
《責任を返すこと》
自分自身にとっての事実を 主張したら、
ボーダーの人の 感情や行動の責任は、 彼ら自身に返さなければいけません。
あなたは 彼らを援助はできますが、
彼らの気分を良くするのは 彼ら自身でしかないのです。
ただ、 診断名を持ち出して 責任を返すことは 賢明ではありません。
彼らは 侮辱されたと感じるかもしれません。
「電話の制限に 納得がいかないのは分かったわ。
電話で嫌なことを言われる 私にも、 気持ちがあると言ったら、
あなたは気分を悪くするかもしれない。
非難をしなければ、 あなたと話したいんだと 分かってもらえるといいのだけど。
ただ、 敬意をもって扱ってほしいだけなの」
なお、 あなたが間違いをして、 ボーダーの人が怒っているなら、
あなたは責任を相手に返すより、 分かち合うべきでしょう。
○ コミュニケーションスキルを身に付ける
ボーダーの人と 話をするときに大切なのは、
相手の話に 真剣に耳を傾けることです。
・ 次に何を言おうかと 考えない
・ 非難されても、 防衛的になったり、 無視しない
あとで その話をする機会がくる
・ 相手の言葉, 動作, 表情, 声の調子に注意する
ボーダーの人の 言葉の裏に隠された 感情を理解する
あなたとボーダーの人は 異なる言語で話をしています。
相手がどんなに取り乱しても、 あなたは落ち着いていてください。
あなたが 友人と映画を観に行って、 ボーダーの人は 見捨てられ不安を感じ、
あなたが浮気をしたと 非難したとします。
あなたが 浮気を否定して反論したら、
ボーダーの人の 本当の問題 (見捨てられ不安) が 明らかにならず、
いたずらに喧嘩になるだけです。
どうして浮気をしたと思うのか、 ひとつずつ聞いていくのがいいでしょう。
(次の記事に続く)
〔 「境界性パーソナリティ障害=BPD」 第2版 (星和書店) より〕