「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

何をすべきで、 何をすべきでないのか

2012年05月24日 21時21分11秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 フーバーリングというのは、 ボーダーの人が 皆さんに対してするのではなく、

 皆さん自身が参加する ダンスのようなものです。

 あるノン・ボーダーラインの女性が、 ボーダーの男性と 別れたばかりの時の話です。

 女性は 連絡は一切やめてほしいと 頼みましたが、

 男性は何度も 電話をかけ続けました。

 その度に女性は 電話をかけ直し、 もう電話しないでと 念を押したのです。

 これでは、 薬がよくないことを納得させるために、

 わが子にヘロインを 注射し続けるようなものです。

 この女性は男性に 理想の人物像を思い描き、 その人物に恋をしていたのです。

 彼が電話する分だけ、 彼女自身にもそれを聞く理由が あったということです。

 簡単ではありませんが、

 フーバーリングを 皆さんがコントロールすることは 可能です。

 何らかの形で強化しない限り、 長くは続かないものなのです。

 (例外は、 ボーダーの人が 低機能・ 強迫的で、

 「運命的な魅力があると感じてしまった」  タイプである場合です。)

 最終的な決裂が起こる前に、 フーバーリングの機会を 活用することをお勧めします。

 かつてのパートナーと話をするような 関係が続いている間に、

 証拠書類や 皆さんの持ち物を集め、 お子さんに話をしてください。

 その時期に 元の関係に戻ることだけは やめてください。

 その理由を説明します。

・ ボーダーの人が 本当に変化を望むのは、

  皆さんの真剣さに 気付いたからではなく、 自分自身のためでしょう。

  こうした変化は せいぜい1ヶ月しかもちません。

・ 皆さんは、

  自分が設定した 境界を貫き通せないことを 認めてしまうことになります。

  ボーダーの人は、 そんな境界を ますます押し退けようとするかもしれません。

・ ボーダーの人は 離婚で有利になる 証拠を集めるため、

  この期間を利用することがあります。

・ ボーダーの女性が 妊娠してしまったら、 ノン・ボーダーラインの男性は

  残りの人生をずっと、 経済的にボーダーの人から 離れられなくなってしまいます。

  セックスを拒否する 自信がない人は、

  パートナーと二人だけになるのを 避けることです。

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕