「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

研究から何が言えるでしょうか (5)

2012年05月04日 22時53分14秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

・ 幼稚な子育て

 このタイプの親は たいてい低機能で、

 仕事を続けられなかったり、 自傷行為や自殺の脅しをするかもしれません。

 幼稚な親は わが子を 虐待的な親から守ることができません。

 子供と役割が逆転し、 子供が 親の面倒を見ていることもあります。

 世話をしてもらうことで、 相手をコントロールしようとするといいます。

 破壊的な親と 組になることも多いようです。

 子供は多くの場合、 忠実なノン・ボーダーラインになるよう 教え込まれます。

 彼らは世話人となり、 自分のニーズを後回しにすることに 慣れてしまいます。

 感情、 特に怒りや憤りを 表現することが難しくなります。

 彼らは幼稚な親を  「良い」 と考えているのかもしれません。

 もうひとりの親が 自分を守ってくれないことを、 見落としているのかもしれません。

 他人を優先し、 境界の設定を 難しくさせてしまうのです。

・ 自己愛的な子育て

 自分を中心に世界が回っている という傾向は、

 多くのボーダーの人に 共通しています。

 自己愛的な親は、 子供は 自分と同じように 物事を捉えるべきだと言います。

 意見の違いは全て、 自分に対する攻撃と見なします。

 彼らは、 わが子を自分の一部と 感じているのです。

 子供が離れようとすると、 彼らは傷つき、 打ちのめされてしまうでしょう。

 それを揉み消し、 できるだけ わが子を自分のもとに 引き止めるのです。

 子供たちの中には、 自分が高齢になっても 親を恐れる人がいます。

 自分自身の 考えや感情を持つことに 罪悪感を覚えます。

 子供の存在は色あせ、 才能や能力は 未発達になるかもしれません。

 わが子の才能や能力こそ、 自己愛的な親を 恐怖に陥れるのです。

 子供は 自分の力を理解できなかったり、

 あるいは 完璧になろうとして、 過剰にそれを 補おうとするかもしれません。

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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