「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

フーバーリング : 愛する人よ、 帰ってきて

2012年05月23日 22時53分22秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 フーバーとは掃除機の名前です。

 皆さんが去ろうとすると、 ボーダーのパートナーは、

 「皆さんをもう一度 吸い込もう」 とするのです。

 関係を解消したいと伝えたら、

 パートナーは 関係に引き戻すため、 できる限りのことをしてくるでしょう。

 パートナーは、 皆さんが本当に去ろうとしていると 気付いた途端、

 交際時代に見せたような 魅力を湛えるようになるかもしれません。

 そうでなければ、 すぐにでも 最後の分裂が起きると思います。

 きっと変わるから、 彼らはそう約束するでしょう。

 最高のパートナーになる, 治療を受ける, 今度こそ本気で取り組む、 と。

 皆さんの気持ちを迷わせることを 言いだすでしょう。

 これまで彼らに求めてきたことを 何でもしようとします。

 謝りだすかもしれません。

 皆さんが最も気に入りそうなことを 話します。

 それは恐らく 本心からのものでしょう。

 彼らは 誠実にそう言っているからです。

 まるで 絶壁のロープにしがみつき、

 落ちないためなら何でもすると 言っているようです。

 でも人は一夜にして 完全に変わることはできません。

 ボーダーの人は 皆さんなしではアイデンティティを失ってしまいます。

 見捨てられ感は 耐えがたいものなのです。

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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