「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

もうひとつの拉致事件、 その後 (1)

2009年12月05日 21時20分39秒 | Weblog
 
 以前 僕のブログで、 「もうひとつの拉致事件」 という 記事を書きました。

http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/36930535.html

 中国人と結婚した 日本人女性が、 DVに遭って 10年前に離婚しましたが、

 二人の子供 (姉妹・当時7才と8才) を、

 元夫によって 中国へ連れ去られてしまったのです。

 その後、 僕は その女性と知り合いました。

 連れ去られた当時は 離婚調停中で、

 女性はDVから逃れるため、 子供と共に 施設で暮らしていました。

 その時は 元夫にも親権があり、 元夫は 中国に帰ってしまったので、

 警察は 「何もできない」 と 取り合ってくれませんでした。

 また元夫は 日本国籍を取っていたため、

 中国政府も 日本人同士の問題だと言って、 手を出さなかったのです。

 その後も女性は、 外務省, 弁護士, 国会議員, 中国政府, NPOなど、

 あらゆる所に 助けを求め、 中国へも 数回行きましたが、

 子供を取り返すことはできませんでした。

 それでも諦めず、 各方面に一生懸命働きかけ、

 少しずつ、 少しずつ 状況が進んできました。

 2004年にようやく、 警視庁が 刑事告訴を受理しましたが、

 連れ去りが起きてから すでに5年が過ぎていました。

 今年になって、 娘さんたちの パスポートの期限が切れるため、

 元夫は娘を連れて 日本に来なければなりませんでした。

 警察は その機会を狙っていました。

 僕は最近 その女性とは、 たまにしか連絡を 取らなくなっていたため、

 ここまでの経緯を 電話で聞いて、 その後の経過は 知らないでいました。

 ところが 昨日の朝日新聞に、 この事件のことが 載っていたのです。

 元夫が 国外移送誘拐などの罪で、 有罪判決を受けた という記事です。

 旅券更新後、 次女は自らの意思で 中国に戻りました。

 幼かった次女は、 元夫から 母親が悪いと吹き込まれて 育ったのではないかと、

 女性は言っていました。

 実は 女性は数年前、 次女が通う 中国の学校へ、

 身上を隠して 子供を尋ねに行きました。

 その時、 たまたま次女と 顔を合わせたのですが、

 次女は 走って逃げていってしまったというのです。

(次の記事に続く)