「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「DESC法」 で働きかける (2)

2009年04月14日 21時05分24秒 | 「BPD家族会」
 
(前の記事記からの続き)

 5日の家族会では、 BPDの人との間で 自分が困っていることについて、

 どうして欲しいかを 伝える練習をしました。

 まず 4つのステップをはっきりと 区別することが大切です。

 色々なことをごっちゃにして、 未整理, 無自覚のまま話すと、

 相手に感情をぶつける 話し方になってしまい、

 相手も怒って 何も伝わらないということです。

 当日は 3人ずつくらいのグループに別れ、 「DESC」 --

 「事実の描写」 「感情の表現」 「提案」 「結果の示唆」 を

 簡単に書いてみて、 語り合いました。

 僕は心子に (過去の話になりますが)、

 電話で長い時間 責められることについて書きました。

D: 事実を描写する

 「 電話で長時間、 一方的に責められる。 」

E: 気持ちを表現する

 「 僕はとても重圧に感じる。

  何とかしてあげたいが、 意見も許されないのは辛い。

  何を言っても怒られそうで ビクビクしている。 」

S: 提案

 「 電話の時間を 30分までにしてもらえないか。

  深夜は架けないでもらえるか。」

C: 結果を示唆

 「 それなら僕も受け止められて、 余裕ができ安心する。

  ダメだとしたら、 そのうち僕も 限界を超えて、

 付き合えなくなってしまう。 」


 これはもちろん 相手が落ち着いている時に 言うことです。

 もし心子に こういう言い方を試していたら どうだったしょう? 

 落ち着いている時なら 聞き入れてくれるか、

 あるいは 自分がそんな迷惑をかけているのかと 落ち込むか。

 そして実際に 感情的になった時に、 この提案を守れるかどうか。

 いずれにしても 1回でうまくいくとは 限りません。

 その時は また考え直して 対応していくわけです。

 試行錯誤の 積み重ねになるでしょう。

(次の記事に続く)