「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

自死について思うこと(6)

2007年03月15日 15時57分19秒 | 自死について
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/45951811.html からの続き)

 まだ失われていない 命に対しては、

 どんな苦況にあっても ぎりぎりの土壇場まで

 生への手がかりを 追求するべきでしょう。

 しかし すでに失われてしまった 命に対しては、

 苦しみを踏みしめてきた人の 歩みを重んじ、

 疲れ果てた魂の 安寧を祈りたいと 真摯に思います。

 逝った人も 残された人も 不幸な結末に させないためには、

 新たな死生観を 見いだしていく他 ないのではないでしょうか。

 自殺者の遺族が 多く抱くという、

 いわれのない罪責感も 解きほぐれていってほしいと思います。
 

 尊厳死と自死は 必ずしも同列に 論じられませんが、

 オランダでは 精神障害の苦悩を根拠にした 尊厳死の是非の 議論もあります。

 個人の生き方には 他人が口をはさめない とはいえ、こと死に限っては、

 個人の命だから 個人の自由で良い というものではありません。

 命は 当人だけのものではなく、人類の普遍的なテーマです。

 ボーダーは 我々の社会が生み出した 落とし子でもあり、

 誰も 自分が無関係だと 言うことはできないでしょう。

 肉体的苦痛による尊厳死が 国民的関心を経て 合意を形作ってきたように、

 精神的苦痛による それに関しても、

 皆が 考えてみる必要が あるのではないでしょうか。

 ただし その前提は、いかに 苦しみを減らす 手立てが講じられ、

 支援しながら 生きていけるかであるということを 忘れてはなりません。