「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「スタンドアップ」

2006年01月27日 20時38分12秒 | 映画
 
 昨日の「博士の愛した数式」に引き続き、またまた上映後客席から拍手が起こった映画です。

 久々に骨太の感動を味わいました。

 炭鉱で働く女性ジョーシー。

 彼女らに対する性的迫害や偏見などと闘う主人公を、シャーリーズ=セロンが熱演します。

 前作「モンスター」で、女性連続殺人犯という難役に、美貌を捨て去り体重13㎏増やして挑んだシャーリーズ=セロン。

 今回も炭鉱という男の世界で、身も心も泥まみれになりながら体を張って立ち回りました。
 

 暴力夫と別れ、二人の子を育てるために、炭鉱で働き始めたジョーシー。

 しかし男社会の象徴とも言えるような炭鉱では、数少ない女性労働者は色眼鏡で見られ、屈辱的なセクハラや差別に苦しめられます。

 ジョーシーは組合に、そして裁判に訴えますが、同僚の女性たちさえも更なる迫害を恐れて、証言を拒み、ジョーシーから離れていきます。

 無理解や蔑視のなか孤立無援で争うジョーシーは、封印していた過去の深い傷まで暴かれることになってしまいます。

 しかし本当の強さとは、自分の弱さを認めるところから出てきます。

 ジョーシーのひたむきさに心を動かされた仲間たちが、一人、また一人と、「スタンドアップ」していくのでした。

 お涙頂戴ではなく、人の汚さや愚かさをも見据えて克服していく姿に、深い感銘を禁じ得ません。

「私なんか、と何度も思った。
 お前なんか、と何度も言われた。
 それでも、立ち上がってみようと思った。」

 この映画のコピーが心に残ります。