「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「子供の心の悩みと向き合う本」(KKベストセラーズ)

2006年01月07日 20時48分16秒 | 心理

 書庫「女医さんのお話」の先生・森津純子さんが書かれた本です。

 森津先生とは、ホスピスの勉強していたときに知り合いました。

 これまた偶然ですが先生は、昨日書いた小澤先生のホスピスで非常勤もしていました。

 現在、病める人たちの心の治療にあたっていますが、心の問題を抱える子供たちのカウンセリングが急増しているといいます。

 うつ,ひきこもり,拒食症,パニック,暴力……それらは境界例と共通する部分があります。

 先生は、問題行動を起こす子は問題児ではないと訴えます。

 彼らは感受性が豊かで敏感であり、相手の言葉の裏に隠れた心(本人も気付いていな い)を読めてしまうため、それに傷つくのだと、一貫した姿勢で描かれています。

 本書は、そんな子供たちが心の中で何を感じ、彼らとどう関わっていけばいいかを、体験を通して書き記している本です。

 彼らはその豊かな感性や能力ゆえ、ちょっと「生き方のコツ」を知れば、天使のような存在に変わっていき、普通の人以上の幸せや喜びを見つけていくそうです。


 先生もボーダーの患者さんと格闘しながら、普通の社会生活のスタートラインに立たせていった経験があるそうです。

 ある時、患者さんがお母さんをナイフで刺そうとし、先生は身をていして、
「刺すなら私を刺しなさい!」
 と立ちはだかったといいます。

 普段のしなやかな立ち居振る舞いからは信じられないような、命懸けの姿勢で治療をしておられるのですね。