「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「博士の愛した数式」(2)

2006年01月26日 14時28分41秒 | 映画
 
 博士が杏子とルートに語る、美しい数字の世界の話です。

 友愛数,完全数など、僕たちが学校では習わなかった、とても興味深い性質の数字を教えられました。

 杏子の誕生日2月20日の「220」と〔*注〕、博士の記念の時計の番号「284」。

〔*注:ちなみに、心子の誕生日は1日違いの2月21日です。

 この日は「境界に生きた心子」の発刊日でもあります。〕

 それぞれの約数(その数自身を除く)を足してみると、

 220:1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110=284

 284:1+2+4+71+142=220

 神秘的なえにしに結ばれたお互いの数字、これを「友愛数」と言うそうです。

 極めて稀にしか存在しない、貴重な繋がりの組み合わせです。
 

 それから、約数を足すとその数自身になるという数字を「完全数」と言うそうです。

 最小の完全数は6です。

 6の約数を足すと、1+2+3=6 になります。

 次に小さい完全数は28。

 約数:1+2+4+7+14=28

 それは博士が大ファンである、江夏豊投手の背番号でもあります。

 さらに完全数は、1から始まる連続した自然数の和になります。

 6=1+2+3

 28=1+2+3+4+5+6+7

 美しいですね……。

 見事に自己完結する「完全数」。

 完全な人が滅多にいないように、完全数も30ほどしか発見されていないといいます。
 

 また、「素数」は1とその数自身以外に約数がない、他と比べることができない孤高の数字です。

 この「博士の愛した数式」も、他に似たものがない、素数のような映画と言えるのでしょう。