風に吹かれてぶらり旅

まっすぐに生きる人が好き

涙の訳がわからない:2週目

2007-11-04 19:37:43 | 徒然
 
 先週一週間は、混乱の一週間だった。
 
11月1日、木曜日にそれがピークだった。

とにかく自分で「あ、やばいな」というのが分かった。
現場事務所では当たり前のようにできていたことが、できなくなっていたからだ。

大阪出張から戻ってきた所員さんの荷物を現場に送るように頼まれたのに、
宅急便で送るのを忘れていた。
その所員さんは他の事務の男の子にも頼んでおいたらしく、電話がかかってきて、
「あいつにも頼んでおいたんだけど、荷物送ってくれました?
え?今日発送?」
最初、翌日になってまだ会社にあった荷物を見てもピンとこなかった。
そう、単に忘れていたならまだしも、「今すぐ送る」ということの重要性を忘れていたということだ。
所員さんは大阪から戻ってきたその日に現場でもう仕事をはじめるというのに、
そこが見えてなかった。

現場から作業服の要求があったときの処理方法を教わっているときに、
冬用スラックスの在庫が切れていたのをわかっていたはずなのに、
数日たって「ほんださん、作業服注文した?」と言われ、
注文の仕方までは教わっていなかったとはいえ、在庫がないのはわかっていた
はずなのに、注文するのを忘れていた。

現場の所長からのメールがきて、執行役員印を押して設計事務所に送って欲しいと
いう内容で、捺印伺いをつけて役員まで回したものの、
翌日に所長からメールがきて「昨日のメール・・・」
「あ、はい捺印をいま回しています。ただ、今日は役員が出張なのでまだ決裁まで
いっていないんです」と答えると
「あそう・・あれ遅くても7日には設計事務所についててもらいたいんだよね」
と、言われた。
つまり、メールをもらった時点で電話で所長に連絡して、
急ぎかどうかを確認して、役員のいる日のうちに回して発送する、
までを今までの私ならパッと浮かんでできていたはずなのに、
それができなくなっていた。

 そんな自分に戸惑い、どうにかなってしまいそうだった。

一番わかりやすかったのは、
前任の方から新しいことを教わっている最中に電話が3つぐらい同時に鳴って
「あっ、電話」と言われて慌ててとったら、
それが既に誰かがとった電話で保留になっていたもので、電話にでてから途中で
気が付いて、
「はい、○○建設でございません」と答えてしまった。

おいおいおい、うちの会社にかかってきて出ておきながらございませんかよ、と

自分で自分の発言にびっくりして余計に動揺してしまった。
後から冷静になって考えてみると、
「○○建設でございます」といういつもの文句と、
保留中の電話を間違ってでてしまって「すみません」というのが
まざっちゃったらしいんだなぁこれが・・・

幸運にも、それは社内の人からの電話だった。
「大丈夫ですか?」と心配されてしまった。


 何が原因なのか、よく分からないけど、
とにかく会社と現場のスピードが違いすぎて調子が狂ってるのだと思う。
現場は日々刻々と変化していくことに対応していくので、
スピード、効率性が求められる。
私もそれに対応して仕事をするようにしてきたし、それが体にしみついている。
いらないものはすぐに処分したり、片付けたりするのが当たり前だし、
何でも自己責任で、所員さんと協力しつつも、メールの設定も、パソコンで工程表を作るのも、勿論分からないところは聞くけれど、基本的には何でも自分でできるようにならなきゃいけなかったし、やらなければならなかった。
現場事務所は建物を一から作るのと同じで全部自分たちで手配し、工期が終わると幻のように消えてなくなる、そういうものだった。
まるで演劇の舞台のようだ、
劇団をやっていた友達と話していてそんなことを言ったことを思い出した。

しかし、内勤になってみると、今までの流れがあり、現場は終わってなくなっても、会社はなくならない。
当たり前のことだけど、毎日ものすごいスピードで何かが変化し、何かを作っているわけじゃない。
けれど、私の仕事は全ての現場のサポートだ。
だから、変化のスピードの早い現場をみながら、変化スピードの遅い会社で仕事をしている。

 前任の事務の方があまりにもレベルが高く、今ある書式や事務のシステムのようなもの(それがマニュアルとして確立されているわけではない)をその方が作っていて、それをその通りにやっていると、考えなくても仕事ができる。
でも、そうしていると、本当に事務的に仕事をこなしているだけになり、
自分の頭で考えることができなくなる。
とにかくその前任の方が生きたマニュアルで、
その方がいなくなったとたんに、事務処理をどうすればいいのか、
部長も所長もわからないという状態になってしまっているのだ。

そんな中、私は今まで前任の方がやってきたこと理解しようとするのだけど、
その遣り方を理解するのではなくて、「なぜそう処理するのか」を理解しないと
今度は私がその前任の方の立場になってやるわけで、
「それについて詳しいことは○○さんに聞いてください」とふることはできないのだ。

まだ私は入ったばかりだから知らなくて当たり前だけど、
それが通るのはあと2~3ヶ月。
そこにきて、私が色々考えてしまうのが、、、

一緒に働いている人との関わりだ。
私のように、全く違う畑にいて、3年フリーターやって、ようやく自分の興味のある業界にやっとの思いで入ってきたという人ははっきり言って少数派なのだ。
モチベーションの差というのをどうしても感じてしまう。
多分私がなんでこんなにいっぱいいっぱいになっているのか、理解してもらえないんじゃないかと思う。
今までの遣り方を覚えてその通りにやればいいのはその通りだけど、
私はその遣り方をもっとよりラクに、効率良くしましょうと思ってしまうからだ。
それには工夫する必要があるのだけど、
なんでそんなに考える必要があるのか、多分理解してもらうのは難しいと思う。

 もちろん、派遣やアルバイト、契約社員に正社員、色々な働き方があって、
仕事にかける気持ちというのはそれぞれ差があるのは当たり前だけど、
仕事の時間だけは真剣勝負しようよ、というのが私の気持ちとしてはある。
でも「そんなに一生懸命にならなくていいよ」という考えや
「なんで仕事なのにそんなに熱くなるの」という考えをどうしても感じてしまう。
感じ取ってしまうというのかな。
女性だと特にそうかもしれないな。
会社がどうやったら利益をあげられるか、
そういう話を真剣にできる人がいるのかなと思ってしまう。
そういう話をできて初めて私は冗談を言えたり、気楽な話をできたりするのだけど・・・
私だって別に会社がすべてだとは思っていないしね・・・。

 でも、色々な人がいていい、そう思う自分もいて戸惑う。
そして、寂しくなる。


 とにかく「○○建設ではございません」と言った日、
人事の部長がタバコ部屋にいるのみて、つかまえてみた。
そしたら、
「今キミに何か言うとしたら『焦るな』いうことかな」(ちなみにこの部長は大阪の人)
「あと、仲間探しをしてみることやな。
一人で孤立してしまったら寂しいやろ。
キミの考えに近いとこにおるんは、○○、彼女と話してみたらいい。
彼女はあん中では会社のことを考えている。

話相手やったらいつでもなるから、また声かけて」

いい部長だ・・・、この人大好きだ・・・。

 というわけで、金曜日、その女性に社内メールを送り、月曜日ランチへ行くことになった。
その女性というのは、現場の所員さんからも一目おかれる美人で、クールで仕事もできて頭がいいのだけど、さりげない気配りもできて、身だしなみもきれいという・・・
目立つというわけではないのだけ奥ゆかしい女性らしさを持っている人で、こういう人を「ステキ女子」というのだろうなと思った。

 とりあえず、そんな感じで、今私の左目にはものもらいができています。
ううう、いたい・・・。

でも、木・金・土曜日は「もうだめかも」と思う私のピンチに救いの手を差し伸べるかのように、友達や今までお世話になった人から連絡がきた。

 木曜日には青森に住んでいる高校の友達から手紙がきて、
ブログにはあたたかいコメントが入っていて、母親から「ムーチンです~、『ニャオ~ン』かえってこないのー?」と電話がきた。

 金曜日には上尾の時に一緒だった、現場の男はこうでなくちゃ、という強面で硬派で男らしくてカッコイイ!と私が勝手に思っている所員さんから1年ぶりに仕事の電話でだけど(当たり前だ)話せてとても元気をもらった。
あなたのためなら喜んでなんでもやります!と思える戦国武将のような人だ。
あと、上尾が終わった後に面接してもらった内装会社の設計部長から
電話がきて、今なにやってんの?から始まって数分話した後、
設計事務所でバイトしていたときの先輩から
「もう読まない本があるんだけど多分好きな感じだとおもうからいるー?」
という内容のメールがきたので思わずこちらから電話をして・・・

 土曜日には大学時代の友達と新宿で焼肉を食べながら、近況を語りあった。

 まるで、こんなところで負けるなよ~!と言わんばかりに色々な人の声を聞けて、嬉しかった。
実家を離れてわざわざきつい生活をする意味はどこにあるの?と、
会社で働き始めて色々な人と出会うとたまに思ってしまうというか、
自分では「これでいいんだ」と思っていても、ついひるんでしまうけど、

今まで出逢った人たちと話していると、ああ私は私のペースで、ずっこけながら
頑張ればいいやと思える。
予想はしていたものの、社員になるって大変なことだ。
やっぱりアルバイトは気楽だったなーと思う。
周りと歩調を合わせてなんて、そこに神経をそんなに使わなくてもよかった。

 木曜日、派遣の女の子に誘われて飲みにいったときに言われたひとこと。
「私ほんださん、最初『鉄の女』かと思いましたよー、でも今日はただムリしてただけなんだなって、こんなにかわいいひとなんだなーってわかりました」

その帰りの電車で私は、なんだかわからないけど、
涙が止まらなかったんだよね・・・
社会人経験のまだ少ないその子の方が、多分背伸びをせずにやってると思う。
だから余計に「あたしなにやってんだろな」と思ってしまう。

これは中途採用のプレッシャーなのかな。
専門職でないだけに、できて当たり前と思っているのに、できてないことに
焦る。(←これは大学の友達も偶然今同じような環境にあって、共感しあった)
でも、私も、まずは一つずつ今ある仕事の流れを覚えよう。


 さて、もうすぐ日曜日もおわっちまうぜ
月曜日からは再び自分のとの戦いだ。
数時間でもこうして実家に戻ってブログを書くとだいぶ気持ちがすっきりして
おちつきます。

読んでくれるみなさん、いつもありがとう。
それぞれのステージで頑張りましょう。