今日も調子がイマイチ。
朝8時半に起きて活動する準備をしていたのに、めまいがして
これはもう少し寝たほうがいいと思って、猫と一緒に昼過ぎまで寝た。
昼過ぎに起きてから、やはり家でじっとしていられなくなった。
行きたいお店があったので電車に乗って新宿方面にでることにした。
あとインテリア・コーディネーターの勉強も集中してできるところでやりたかったのもあって。
15:15大宮発の湘南新宿ラインの来るホームで待ち、来た電車に乗り込み、吊り革につかまって立っていると隣にいた初老の上品な女性に声をかけられた。
その時イヤホンで音楽を聴いていたので聞き取りにくかったが、
「これは新宿までいきますか?」と言っていたので
「はい、いきます」と答えた。
なんとなく、イヤホンをとった方がいい気がしてカバンのなかにしまった。
間もなく車内アナウンスが流れた。
「この電車はさいたま新都心、浦和、赤羽、尾久、上野にとまります」
あれ?間違えた。時計を確認するとまだ15:13で、一本先発の電車に乗ってしまったようだ。
隣の女性も「ん?」という表情で私の方を見た。
「すいません、これは新宿には行きません、上野行きです。私も間違えて乗ってしまいました」
「あらまぁ」
そんなこんなですっかり頼りない人になってしまった私だが、赤羽で乗り換えれば大丈夫だということを伝え、私も新宿に行くので一緒にいきましょうということになった。
その女性はとても素敵な人だった。
これから息子さんと新宿の東口の改札で16:30に待ち合わせらしく、まだ時間があるらしい。私も今日は一人のぶらり旅なので特に時間の制約があるわけではない。
「ゆとりって大切ね」「こうして間違えたからこそあなたとお喋りできたんですものね、プラスに考えなくちゃね」とその初老の女性は言った。
「そうですね、電車を間違えたからこそこうしてお話できたのでよかったです」
と二人で笑った。
その女性は「女性とはこうあるべき」という哲学を私に語ってくれた。
忘れないうちに書いておきたいと思う。
旦那さんは3年前に他界されたらしいが、その女性はいきいきとしていた。
「主婦は手抜きをしようとすればいくらでもできるが一生懸命やろうとすればいくらでもやることはある」
「経済、教育、文化…社会の最小単位が家庭なのよ。その中にすべて含まれている」
「世の家庭の主婦は銀座のバーやクラブに行って勉強するべきよ。話し相手をするだけでお金をとれるなんて、相当な技術よ。私も息子に連れていってと言っているの」
「朝眠い目をこすって夫を送り出したあと、お化粧をして近所の奥さんとお話して、家事をして夕方にはお化粧が殆どおちている…なんてだめなのよ。夫が外で一生懸命稼いでくるんだから、女は綺麗にしていることも仕事なの。自分に厳しくあることも必要なの」
「『冬のソナタ』があれだけヒットしたのはなぜだと思う?古臭いんじゃなくて恥じらいをなくしたら女は終わりなの。今は失われつつある恥じらいがあのドラマのヒロインにはあったからヒットしたのよ」
「あなた独身でしょ?じゃあ一つ教えておいてあげるわ。子供ができたら子供の前では旦那さんをどんなときも立ててあげるの。子供の前で父親の悪口を言うと子供は親を尊敬しなくなるのよ」
「でもね、何でもいいなりで自分の意見を言えないんじゃ困るのよ」
「物腰は柔らかく、でも自分の意見はちゃんと言うって難しいですね!」
「そう、難しいの。でも自己主張はできないとだめ」
「お茶を習うといいわよ。私は結婚する前にお茶もお花もやったけど、お茶は着物の着方、お花の生け方、掛け軸のかけ方、おもてなしの仕方、いろんな要素を含んでいるの」
あと質問もしてみた。
「結婚相手はどんな基準で選んだんですか」
「そうねぇ…それは好き好きだと思うけど…相手を尊敬できるってことは大切よね。
子供にも影響するから…」
「では、旦那様のことは尊敬してらっしゃったんですね」
「そうね、私には過ぎた人だと思ってましたから」
本当に小さくて上品でしゃんとしていて、肌がツヤツヤで色白でかわいらしい、おばあちゃんというにはとても若い人だった。
こういう話を聞いても全然説教くさくなかったので聞き入ってしまった。
きっと実体験に基づいた実感のこもった言葉だからだと思う。
赤羽で一緒に降りて埼京線に乗り換え、新宿の東南口の改札まで一緒にいった。
東口にすんなりでられなかったことを詫び、このビル沿いに歩いていけば東口だと伝え、そこで別れた。
「私はね、出先で道を尋る時は二人に聞くことにしているの。二人に聞いて同じ答えだったらおそらくその道は正しい。でも二人とも違うことを言っていたら、もう一人に聞くことにしているのよ。でも今回は…(失笑)」
ほんとすいません。
でも私は思わぬ素敵な出会いを経験できたことと女性として幸せな人生を歩むための教訓めいた話を聞くことができてとてもラッキーだった。
きっと立派な家の奥様だったのだろう。
年齢を重ねて凛と輝く女性になるには努力が必要なんだな。
また一人、人生のモデルに出会えて嬉しかった。
あと、休みっていうのもあってぼんやりしていたのもあるけど、ちょっとボケすぎだと反省しました。もうちょっとしっかりしなきゃなぁ