先頭車両の車窓から

ほら、向こうから電車きたよー。

きたー？

きた、きた。
ほら、電気光ってる。
まーっすぐだー、ずっーと。
ほら、近づいてきたよー。

きたー！

…トンネルはー？

山がないからトンネルはないんだよ。

なんでー？

山越えるときはトンネルの中を通るけど、
おっきな山がないからトンネルはないんだよ。

あ、トンネル！

道路の下くぐって、小さいトンネルだなぁ、ハハハ。
ほーら、またずっとまっすぐだー。
ぐーんぐん行くなぁ。
ほら、橋わたるよー。

あーちゃんは、新幹線乗ったことあるかー？

なーい。

ないのか～。
じいちゃんは新幹線乗ったことあるよー。
あーちゃんは新幹線乗りたいか？

新幹線乗りたーい。

そっか、じいちゃんは新幹線で遠足いったよ。

遠足～？

あーちゃんは遠足どこいったんだあ？

…。

幼稚園の遠足どこ行ったんだー？

…。
カーブだー。

カーブだ。
曲がるときははゆっくりいくんだよ～
でないと、電車がひっくりかえっちゃうかんなー。
電車が転んじゃうんだよ～。

ばあちゃんはー？

ばあちゃんはあっちにいるよ。

ほらまたあっちから電車きた。
もうすぐ駅止まるよー。
反対側の電車も一緒に止まるよー。

一緒にー？
おともだちなの～？

アハハ、お友だちみたいだなあ。
ほら、見てな、一緒に止まった。
お客さんいっぱいだなぁ。
全然いなかったのに、駅に人いっぱいだ。
すごいなぁ。

じいちゃんに抱き抱えられたおかっぱ頭の女の子
地元のローカル線の先頭車両の窓から眺める景色を
たまたま隣に居合わせた私は、二人の会話を聴きながら
子供の目線でどこまでも続く線路を眺めていた。

子供にとっては
こうやって、他愛ない会話のキャッチボールや
抱きしめられている体温や、自分をみてくれている存在が
必要なんだなと思った。

見慣れた景色なのに、おじいちゃんのお陰でワクワクした。
女の子のリアクションに癒された。
楽しかったなあ。

そうそう、カーブするときは
スピードを落とさないとなあ。
いつもまっすぐの道とは限らない。

大切なことを二人に教えて貰った
初夏の日曜日なのでした。

流されて気づいたこと

何を言ったかより

何をやってきたか

何を言われても

実際にやってない人の批判なんて気にしない

人の理想じゃなくて
自分の理想を追いかけよう
少なくとも、自分の人生については。

こう思う私がここにいる
こう感じる私がここにいる
それは紛れもない事実。
その事実を素直に受け止めたい。

思ったこと、それは自分の中でだけの思考の履歴
感じたこと、それは心の動き、自分の器のかたち

私は私を見失わない。

でないと世界と関われない。

ただ、これは見失いかけたからこそ
見えてきたことなのだけど。

ＢＲＥＡＫ ＭＹ ＳＩＬＥＮＣＥ

3　・　連　・　休　でございました。
疲れがどどーんと出たお休みでした。

私は暦通りの休みなので、割とお休みがあります。
でも遠出することもなく、焦って疲れて寝て過ごすことが多いです。

そして大抵、最終日の夕方に自分を取り戻し
「休みがあと２日あったらここへ行きたいのに」とか
「前からやろうと思っていたあれをやりたかったのに」などと都合良く思うのです。

きっとそれって、明日は仕事だからなのだと思います。

たぶん何日休みでも、同じように連休の最後に
「休みがあと２日あったら…」と思うに決まっています。
そんなもんです。
疲れているなら、人と比べずに素直に寝て過ごせば良いのです。

ただ、ちょっと今回は久しぶりに集中してブログの記事を書きました。
時間を気にせず文章を書くことに集中するのは、本当に頭がすっきりします。
今日はブログのテンプレートをオリジナル画像に変えてみました。
これは昨年の初夏、手ぬぐいのデザインコンペに出した図案の一部分を拡大したものです。
結局、選ばれやしなかったので、ブログのトップ画面に使ってみました。
横長のデザインもちょうどよかったのでした。

ただ「風に吹かれてぶらり旅」というタイトルとあまり結びつかないような…
でも夏っぽいし、まぁいっかと思っています。

ちなみにこれは「てぬぐいで拭う手」をデザインしたものです。
個人的には、このアイディアは気に入っております。
どんな柄の手ぬぐいにするかではなく、
既にある「伝統的な豆絞りの手ぬぐいを使う光景や和の心」に美を見出して
手ぬぐいの図案に取り込む、ココがなかなか斬新であると思います。
…自分でいうのはタダですから。

私にとって手ぬぐいは、高校時代は剣道の面下として毎日使う身近なものでした。
ただ、今ではハンカチやタオルの方が使う頻度の方が多い。
でも昔ながらの手ぬぐいを使うこと、また拭うという動作が美しいと思ったのです。

ちなみに、応募したデザインの全体はこんな感じです。

頭に巻くと、ちょうど汗を「拭う手」が額のあたりにくる、
折りたたむと、女性の手と豆絞りの部分が、表に出るという…

まぁ、結局入選しなかったので自己満足ではありますが
思いを形にした私の大事なチャレンジの結果、作品の一つとなりました。
だから、せっかくなのでここで使うことにしました。

こうして自分を表現する、洗練させる、自分と向き合うことは中々できずにいたので
私にとっては大きな節目となる連休だったのでした。

ああ、感覚をこの手に取り戻したい。
いつもこの手にあった私を、自由を。