風に吹かれてぶらり旅

まっすぐに生きる人が好き

26の日に感じたこと

2006-01-27 00:35:25 | 銭湯
 昨日は26日で「ふろの日」だったらしく、銭湯に行ったらカウンターのおじいさんがクリームスープのレトルトパウチをくれた。なんだか得した気分だ。

 念願の銭湯、今日は寒い日だったのでもしかしたらお客さんも少なくて閉まってるかもなと思ったらしっかり開いていた。
おばあちゃんたちは元気だ。地元の区役所の脇にあるこじんまりとした銭湯の女湯はおばあちゃんたちの情報交換の場だ。90歳のおばあちゃんも一人で来ている。

 「きょ~うは、寒いねぇ」
 「ほんと、わたしゃ大概のことは辛抱できるけど、こう寒いとねぇ~」
 「娘はうちの風呂入ってと言うんだけど、こっちの方が気楽でいいやね」
 「そうだいね、うちもお風呂は24時間風呂でいつでも入れんだけど、やっぱこっちのほうがいいやね」

 なんだか盗み聞きしているみたいで申し訳ないが、へぇ~、そういうもんなんだとお年寄りの本音を聴いた思いだった。社会勉強になる。
今はスーパー銭湯など、設備の整ったお風呂屋さんが沢山ある。
でもお風呂に浸かっている時間はそう長くはない。
しかものんびりとそこですごしていては時間がもったいない。
スーパー銭湯にはスーパー銭湯のよさがあるのだが、最近はこういう街中にある昔ながらの銭湯がシンプルで好きだ。
お湯は43℃で熱い!湯に浸かった部分だけ体が真っ赤になる。長湯はよくないが芯から温まる。

 やっぱり銭湯はいいなぁ~と思って出るとまたおばあちゃんたちがお話をしていた。

 「いや~さっぱりしたね」から話は税金、年金、最近の若者の話題にまで発展していた。
 「そういえばこの間、お正月に年賀状配達のアルバイトの子が配達するのが大変だから自宅に持ってってたんだってよ。んでお母さんがそれを全部配ったって」
 「は~、アルバイトも簡単に雇えないねぇ」
 「でもドブに捨てたんじゃないから、まだねぇ、ほらこの間ドブに100万円捨ててあったって、あれ盗んだお金なんだってね」
 「ねぇ、まだ持って帰ったならあるんだもんね、でもお母さんは容易じゃないやね」
 「コンビニとかでお金ネコババしたなら監視カメラとかあるから分かるけど、
 公共のものはね、はがき燃しちゃったらわからないもんね」
 「昔じゃ考えられないようなことが起きてるよ」
 「時代は変わったんだね」

 そう、時代は変わっている。なんだか今の若い世代は価値観が危うくなっている気がする。なんでもあり、というか…。自分も含めていえることだけれど。
でも私は10代の頃でも、例えば郵便配達のアルバイトで配らないとかそういうことは考えられないなー、うん、まともだ。と一人で思っていた。

 「でもね、最近は大学でて就職もしないでアルバイトして、でも結局年金とか税金払えないから親が代わりに払ってるって家もあるみたいよ。○○んとこの息子なんてそうだもん。仕方ないからお父さんが払ってるんだって」

 それ、今、私もおんなじことしてます。
今までののぼせ気分はいっきにさめた。
そんなこといえる訳なくて、恥ずかしくて、情けなくなった。
おばあちゃんたちは、「わたしゃ税金だけ払えればそれでもういいって思ってんの」「消費税あがりゃいいと思うよ、だって私ら年寄りはそれだけ余計なもん買わなきゃいいんだもん、別にねぇー」

 そうやって自分の意見を言うには痛みを知らなければならないのだと思った。
今日は寒いからと車で銭湯へ行ったとき、外の空気の寒さと車の中の暖かさの差を感じて、車のボディに守られ、自由に行動している私はやっぱり親に甘えているし、感謝が足りない思った。
銭湯でとても大切なことを教わった気がする。

 一つの道に決まってしまうことを心のどこかで恐れていて、就職活動もいざとなると少し尻込みしてしまっていた。現実から逃げてるんだな、私は。