道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

「アジアとヨーロッパの肖像」(神奈川県立歴史博物館)

2009年04月03日 | 美術道楽
「アジアとヨーロッパの肖像」展のうち,今日紹介するのは,横浜の馬車道にある神奈川県立歴史博物館での開催分です。

章の建て方は,葉山の近代美術館と同じでして,最初はヨーロッパ,アジアそれぞれが自分の世界の中で描いた肖像画が紹介されます。名誉革命後に即位したオレンジ公ウィリアムや徳川家康の肖像画がありました。レンブラントの自画像もこのコーナーだったような記憶です(間違っているかもしれません。)。
次に,アジアとヨーロッパが交流を持つ前にそれぞれが,相手を知る前に勝手に描いた絵が紹介されます。ヨーロッパ人の描いたアジア人の姿には首のない人間というのもありました。
そして,ようやく交流を持つようになってからの,アジアから見たヨーロッパ,ヨーロッパから見たアジア,またアジアから見たアジア,ヨーロッパから見たヨーロッパの絵が紹介されます。ここでは清朝の乾隆帝の肖像画をもとにヨーロッパ人の描いた肖像画や朝鮮通信使の絵が紹介されてありました。
さらに時代が下った後には,互いの影響を受け合った後に描かれたものとして,日本の岸田劉生の童女図(麗子立像)も紹介されていました。1920年代の中国で作成されたリトグラフの絵が女性の服の一部がはだけていて,楽しそうににこやかに描かれているのに対し,当時の日本の絵は肌の露出もなく,表情もとても硬いのが対照的でした。

写真は神奈川県立歴史博物館です。昔は横浜正金銀行本館だったそうです。