4月22日から5月18日までという短期間ではありますが、東京国立博物館でキトラ古墳壁画展を上野の東京国立博物館で開催中です。
オープニングセレモニーには安倍首相や高市早苗政務調査会長まで出席したという力の入った展覧会です。
まずはHPから企画の趣旨を引用します
(引用初め)奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末~8世紀初め)の極彩色壁画を、特別公開します。「四神(しじん)」のうち白虎(びゃっこ)・玄武(げんぶ)・朱雀(すざく)、「十二支」のうち、獣の頭に人の体を持つ子(ね)・丑(うし)を展示します。
壁画は、2016年度を目処に、国土交通省が国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区内に新設する予定の「体験学習館(仮称)」の「壁画保存管理施設」(当該部分は文化庁による設計・施工)における保存公開を目指して修理が行われていますが、修理(再構成)が完了した後では、壁画を遠方へ移動して公開することは技術的に困難になります。
そこで、壁画の再構成作業が本格化する直前に、東京国立博物館で特別に公開し、これまで進めてきたキトラ古墳壁画の修理と、今後の保存活用の展開を紹介いたします。キトラ古墳壁画が、村外で公開されるのは今回が初めての機会となります。(引用終わり)
オープニングの内覧会には、描かれたねずみ属の代表として我が家も招待されたので、相方ねずみに行ってもらいました。
さて、この古墳展ですが常設展の展示されている本館の特別5室という小さなスペースを使って展示されています。さしたる規模でもないのに、企画展扱いなので、企画展用の特別チケットが必要になります。
しかも、目下平成館で開催中の企画展「栄西と建仁寺展」を上回る長蛇の列です。混雑状況はTwitterで随時公開されており、また延べの入場者数も5月2日時点で5万人とのこと。
展示内容ですが、古墳の壁画を再現した陶板や刀などの埋葬品の解説のほか、本物の古墳壁画も公開されています。入場までに私は30分待ちでしたし、入場した後も陶板を見るだけでも動きの極めて遅い列に並び、辛抱強く待って見ることになります。そして、本物の壁画のコーナーの長蛇の列に並んで見るときはさっと見終えることになります(このほか高松塚古墳の壁画の模写製もあります。)。
正直、陶板はともかく、本物の壁画は何が描いてあったのか分からないまま出てきたというのが実態です。
北壁のコーナーにはねずみが描かれていた筈なのですが、それもわからず、前に並んでいた夫婦の方も、
「ねずみいるかな」「ねずみはどこ?」とねずみを一生懸命探していました。
道楽ねずみなら列の後ろに並んでいますともいえずに、こちらも仲間のねずみを発見することができないまま美術館を後にしました。
何が描かれているのか誰もよく見えないのに、みんなが列をなして、見に行く。不思議な世界です。シュルレアリズムの芸術を見に行ったような気分です。本当にこの壁画をよくみたいのであれば、図録を丹念に見るのがいいのでしょうし、またテレビの番組(例えばぶらぶら美術館)ででも紹介してくれるといいなと思いました。
この規模の企画展では信じ難いほどの長蛇の列