道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

2010年度上半期終了

2010年09月30日 | 日常の道楽
早くも2010年上半期が終了しました。
4月からずいぶんと仕事も変わり,あまりゆとりのない生活でした。
「道楽」とばかりいっていられないことも多くありました。

当ブログも2011年3月末に閉店を予定しておりますので,そろそろ店じまいに入ろうかと思います。
テーマは相変わらず同じ路線でいきますが,更新は毎日というのは諦めようかと思っております。

Goldpfeilの販売再開?

2010年09月29日 | 日常の道楽
Goldpfeilの製品の販売をル・プレリーという会社が始めたという案内の葉書が来ました。

とはいえ,Goldpfeilにつきましては
Egana Goldpfail Europe(Holdings) GmbH
Egana Goldpfeil Accesoires GmbH
Egana Goldpfeil Deutschland GmbH
の3つの有限会社につきましては,ドイツのヘッセン州のOffenbach区裁判所で倒産手続が進行中です。こちらにつきましては,残念ながら倒産計画(Insolvenzplan)による再建が進んでいるとも,倒産手続の廃止決定がされたとも聞いておりませんでした。今回,改めてドイツの倒産手続に関するデータベースで調査してみましたが,やはり倒産手続に格別の進行はないようです。

不思議に思いつつ,wikipediaで検索をかけてみますと,何と驚愕すべきことにEgana Goldpfeilは中国の香港に本拠を持つ株式会社となっています(たぶんGoldpfeilの名前を不当に使用した会社があるというのではないようです。)。ドイツで倒産手続が進んでいるのは,そのうちの一部のヨーロッパ部門ということです。
どのような経緯でGoldpfeilの親会社といいますか,大元の会社が中国の会社になったのかは分かりません(wikiでも詳細までは分かりません。)ので,軽率なことはいえません。
しかし,Goldpfeilのようなドイツの品質の良さを代表する会社までが,今や中国に本拠をおく会社の傘下に入っていたとは驚きです。悲しさ,寂しさと共に憤怒の念すら沸いてきます。大げさに言えば自分の昔の思い出を傷つけられたような気持ちになります(ただし,経緯が分からないので軽率な判断はできませんが。)。

私の愛用しているパソコンのThinkPadもLenovo傘下になってから質が悪くなったとは思わないので,Goldpfeilも質が悪くなっているとは思いたくありませんが,それでもやはり今では中国系と聞いただけで・・・(これ以上は書きませんが。),とても買う気が起きそうもありません。

植田正治写真記念館(鳥取県西伯郡伯耆町)

2010年09月28日 | 美術道楽
【日本の美術館10】
もう3年以上も前になりますが,植田正治写真記念館に行きました。
鳥取県で活躍して,あまり外に出て行かなかった写真家ですが,不思議な魅力のある作品を多数残しています。
大河ドラマの福山雅治さんも植田正治の写真がお好きだという話を聞いたことがあります。

植田正治記念館は建物もまたデザイン性の高いものでした。




なにもないところに建つ建物です。外のバス停はこんな感じです,




翻訳の仕事

2010年09月27日 | 日常の道楽
実はだいぶ前に依頼された翻訳の仕事があるのです。
内容は,広い意味でいえば私の専門の中に入らなくもないのですが,少なくとも私が留学時代に専攻としていた事柄ではありません(主専攻でもないし,副専攻でもないということです。)ので,いささか勝手が違います。
基本的にはそんなに専門的な用語は出てこないものなのですが,一部引用があったりすると,前後の情報もないまま理解しなければならないので大変です。日本語の論文を読んで,日本語で背景知識を得たりと,手間がかかります。
思えば自分は留学をしたとはいっても,ドイツ語の文献を読んでドイツ語で論文を書いただけであって,きちんとした翻訳など関与したことは稀です。大まかに意を理解して紹介すればいいというのとは違い,やはり翻訳は大変なのだと実感します,

さてさて,最近このブログも更新が途絶えがちになっています。
4月の配置換えで仕事が忙しくなったこともあれば,特に7月後半以降は週末も忙しくて思うように出かけられないというような事情もありました。
昨日,一区切りをつけて(翻訳はまだ終わっていませんが。),10月以降少しゆったりとしたいという気持ちもありますが,長期的にはたぶんそうはいかないでしょう。

このブログも来年3月までは何とか書き続けていきたいと思います。断続的な状態になるかもしれませんが。
それまで,どうかよろしくお願いいたします。

憂鬱な時代

2010年09月26日 | 日常の道楽
このブログは「道楽」を標榜しているので,世間でも自分のことでも不愉快なことがあっても,それとは無縁にブログを展開しようとしていました。
今日は,ちょっとその原則から外れようかと思います。

先週からは驚くようなことばかりです。大阪の特捜部検事の証拠改ざんなど驚天動地の世界です。
そして,中国との問題。誰が見ても拙劣な処理であることが明白で,どうしてこの時期に釈放と思います。そして,政府は地検の判断と,検察庁に責任をなすりつけました(このような高度な政治的判断事項が検察庁一存でできるはずもなく,首相の決裁が必要なことがらでしょう。)。大阪の事件で検察庁が政府のいいなりになるしかない今の時期ならではという気もします。

中国は強硬姿勢をさらに強めますが,民族のメンタリティーからすれば当然で,今のような事態すら考えずに,政府が政治判断をしたのなら驚くばかりです。

それにしても,今回の件は,希土類の中国依存の問題もありましたが,民主党の外交の拙劣さと言いますか,無能さを世界に露呈した形となりました。鳩山政権が普天間問題をきっかけにアメリカとの関係を冷却化させたことを見事に突かれた形になっています。官邸も首尾一貫した解決ができていません。
小泉政権下ではこのような事件が起こるとは思えません。

皆が期待して実現させた政権交代でしたが,民主党に政権交代があってからは,民主党の議員を除く一般国民にとっては,何一ついいことがないような気がします。
このような時代はいつまで続くのでしょうか。

鳩山政権に続き現政権にも大変失望しましたし,日本で暴動が起きないことの方が奇跡のように思えます。

Capo PELLICANO Hongo (文京区本郷7-3-1)

2010年09月25日 | 食道楽
ある会合で,東京大学本郷キャンパス内にあるイタリアンレストランCapo PELLICANOで食事をしました。
東大医学部の研究棟にあります。
比較的新しいレストランのようです。私は医学部の出身ではありませんが,20年も前の本郷キャンパスにはこんなにお洒落なレストランはどこにもなかった記憶です(山上会館という教員向けの施設はあったようですが。)。
医学部とは無縁な身でありながら,このレストランを使わせてもらうのはこれで2回目になります。
味も雰囲気もキャンパス内のレストランとしてはかなりいいといえるのではないでしょうか(最近のレベルは分からないので,当てにならない感想ですが。)。

それにしてもカポというのはナチの強制収容所でナチに協力して働くユダヤ人の囚人のことをいうので,「カポ」という名はいささか不思議な感じがします。

相方と会食したのではないので,料理の写真は撮れていませんが,窓から見たスカイツリーの写真を撮りました。

アントワープ王立美術館コレクション展再訪(東京オペラシティ美術館・新宿区西新宿3丁目)

2010年09月24日 | 美術道楽
前回はあまり集中することができなかったので,今回気を取り直して再びアントワープ王立美術館に行きました。
とは言いましても,あまり新しい感想もありませんでした。

第1章の「アカデミスム、外光主義、印象主義」や第2章の「象徴主義とプリミティヴィスム」のところも面白く見ましたし,音声ガイドで語られる画家の人生も面白かったものの,特別なお気に入りというような絵ではありませんでした。意外だったのはジェームズ・アンソールが普通の人物画を描いていることでした。「待ち合わせ」と題する絵など,とても雰囲気のいい絵で,骸骨を描くあのアンソールの作品には思えませんでした。サデレールの「フランドルの雪景色」はブリューゲルの影響が感じ取れました。
19世紀後半からのこの時代は,パリの画壇が注目されますが,ベルギーでもこんなに多くの画家が活躍していたのかと感心します。
第3章の「ポスト・キュビスム:フランドル表現主義と抽象芸術」では,ドイツ表現主義に影響を受けたというデ・スメットの作品など面白かったです。ほかにも抽象絵画等の前衛芸術もあり,やはりこのあたり以降の作品の方が私は好きです。
そして,第4章の「シュルレアリスム」ですが,ルネ・マグリットやポール・デルヴォーの不可思議な世界が展開します。デルヴォーの作品は,どこだかわからないような不思議な場所に,およそ生気のない裸の女性が歩いている作品で,いくつか作品を見たことがありますが,いつ見ても不思議です。

それにしても,なかなかいいコレクションだと思うのですが,オペラシティ美術館で開催中ですと,あまり注目されないまま終わってしまうのではないかと心配です。
展覧会は10月3日までです。

中村屋のカレー(新宿区新宿3丁目)

2010年09月23日 | 食道楽
久しぶりに新宿中村屋でカレーをいただきました。
新宿3丁目のビルは階によって食べることのできるメニューの内容も変わりますが,今回もファミレス系の階です。ほかにヨーロッパ風カレーを食べられる少し高級な店,それとカレーバイキングの階とあったようです。

久しぶりに新宿3丁目で食べて見ますと,意外に量が多かったようです。チキンなど特に多く,ずいぶんとお腹がいっぱいになりました。
新宿中村屋はご先祖様がインド独立運動の活動家と交流があったなど,歴史が古く,カレーとも深いつながりのある店です。

バウハウス・テイスト バウハウス・キッチン展

2010年09月22日 | 美術道楽
先日,柄にもなく汐留のパナソニック電工ビルのリビング・ショールームに出かけました。そこの展示会場で少し調べたいことがあったものですから。
そのついでにと言いますか,上の階で開催中のバウハウス・テイスト バウハウス・キッチン展に行きました。
抽象画で有名なアルバースの作品や関係者の写真,雑誌等いろいろな展示がされています。
日本におけるドイツ年の際にもいくつかバウハウス関連の展示を見に行きましたが,何かどうもいろいろ見る割には印象に残らないような気もします。
今回は,実際に当時のキッチンを見ることができましたので,たまたまキッチン関連のものを見に汐留まで出かけていましたのでテーマとしてはピッタリでした。

それにしてもリビング・ショールームは結構,賑わっていました。
照明器具などもまたゆっくり見たいと思いました。

アントワープ王立美術館コレクション展(東京オペラシティ美術館・新宿区西新宿3丁目)

2010年09月21日 | 美術道楽
東京オペラシティ内の美術館で開催中のアントワープ王立美術館コレクション展に行きました。
実際にアントウェルペンに行った際に訪問したことにある美術館ですが,あまりにコレクションが多く正直なところあまり記憶がない美術館でもあります。確かルーベンスのコレクションが充実していた記憶もありますが,自信もありません。

され,東京オペラシティの今回の企画展では,19世紀の時代から現代までの絵画が展示されています。
アンソールは骸骨のような不気味な絵だけではなく,普通の絵も描いていたのだと知りました。
たくさんの絵が,印象主義,象徴主義,ポスト・キュビズム,シュルレアリズム等に整理されて,展示してありましたが,面白かったのはやはりルネ・マグリットやポール・デルヴォーのシュルレアリズムの作品です。

見に行きました日はあまりの疲れから集中して見ることができなかったので,再訪したいと思います。音声ガイドは有り難いのですが,やや長すぎて集中力が続かなくなりそうです。

二上山と大津皇子

2010年09月20日 | 衒学道楽
先日,三井記念美術館の「奈良の古寺と仏像」展に行きました。
いろいろな寺から仏像が来ておりまして,多くの寺には行ったことがありました。
その中で,ひときわ思い出があるのが二上山の近くにある当麻寺です。
当麻寺は,西方極楽浄土の様子を表わした「当麻曼荼羅」と,曼荼羅にまつわる中将姫伝説で有名で,二上山のふもとにあります。

しかし,私にとって印象的だったのは,寺ではなく,二上山の山頂にある大津皇子の墓でした。
大津皇子は,天武天皇と大田皇女(天智天皇の娘)の子で,聡明で武芸に秀で,人柄もよかったようです。しかし,大田皇女は早世し,天武天皇の后になったのは鵜野讃良(同じく天智天皇の娘。持統天皇)です。そして,鵜野讃良皇女との間にできた草壁皇子が皇太子になります。
それでも,大津皇子の実力と人望を恐れてか,天武天皇が死ぬと,鵜野讃良皇女の意を汲んだ者の讒訴によって,大津皇子は死を賜ることとなります。
二上山は私も歩いて登山しましたが,不気味な雰囲気を感じた記憶があります。

今回の三井記念美術館の解説で知りましたが,そもそも二上山の周りは山の気象で,気候がかわりやすく,安定しないとのことです。
私が不気味に感じ,大津皇子の呪いかと思いましたのは,天候の影響もあったのかもしれません。

持ち合わせの写真がなくwikipediaの中の大津皇子の墓の写真(I, KENPEIさんの作品)を使用させていただきました。

英国ロイヤルオペラ・マノン(東京文化会館・台東区上野公園)

2010年09月19日 | オペラ道楽
9月17日の金曜日に東京文化会館で上演されました英国ロイヤルオペラを見に行きました。演目はマスネの「マノン」で,主演は何とあのロシア出身の世界的なスター歌手アンナ・ネトレプコです。ザルツブルク音楽祭の「椿姫」などオペラの世界で有名なネトレプコが登場です。

5幕で休憩時間を含め4時間のオペラでした。
最初,奔放な性格から修道院に送られることになっていたマノンは,騎士デ・クリューと知り合い,2人は恋に落ち,修道院への旅から逃亡します。マノンは,デ・クリューと暮らし始めますが,享楽的な生活に憧れ,また,デ・クリューのためにもと考え,別れることとし,贅沢と浪費の享楽的な世界に入ります。しかし,マノンはふとしたことから今や神父となったデ・クリューの消息を聞き,デ・クリューに会いに行き,2人は再び恋に落ちます。しかし,マノンの享楽的な生活ではデ・クリューの親の遺産などすぐに使い果たし,デ・クリューはマノンに請われるまま,賭博場に出かけ,マノンに惚れていたギヨ-と賭け事をして,大勝利を収めますが,いかさま賭博の濡れ衣を着せられます。デ・クリューは釈放されますが,マノンはアメリカに流刑となります。マノンの流刑前に2人は束の間のひとときをすごしますが,マノンは体力も衰え,絶命します。

非常に話に飛躍があり,冷静に考えれば何でこんなストーリーになるのかなどと考えなくもないのですが,そんな野暮なことは考えません。

修道院に送られる前の少女,デ・クリューとの愛に生きる女,享楽的な社交界の女王,そして流刑(売春婦として売られるという説もあります。)となる囚人。オペラの中でのマノンの役の個性も様々ですが,それをさすがにアンナ・ネトレプコは見事に歌い分け,演じ分けています。

オペラの演目の性格もありますが,アンナ・ネトレプコのためのオペラというような内容でした。デ・クリュー役とその父親の伯爵役も頑張ってはいましたが,何といってもアンナ・ネトレプコの存在感が圧倒的です。

【余談】
オペラの中には,マノンの歓心を得るためにギヨーがパリのオペラ座のバレエ団を呼ぶ場面もあるのですが,劇中劇ならぬオペラ中オペラ(ナクソス島のアリアドネなど)でもなく,オペラ中バレエというのも面白かったです。

幕間に出かけた時に外から見た東京文化会館




奈良の古寺と仏像~会津八一のうたにのせて(三井記念美術館・中央区日本橋室町)

2010年09月18日 | 美術道楽
三井記念美術館で開催中の「奈良の古寺と仏像」展に行きました。

奈良のいろいろな寺から仏像が来ています。それらが,会津八一のうたとの関連づけながら展示されています。
シニアのみならず,最近は若い人まで古寺巡りをしたり,仏像を見に行ったりしますが,こうした古寺巡りという楽しみ方が実は新しいもので,会津八一によって発見された楽しみ方というのは意外性があって驚きました。私も京都在勤時には,休日には長谷寺や当麻寺なども含めてずいぶんと奈良の寺を巡ったものですが,確かに旅行の自由もなかった昔は,こうした趣味を持ちようがなかったのだと再認識しました。

東大寺,西大寺,唐招提寺,薬師寺,長谷寺,室生寺,橘寺,法隆寺など多くの寺が既に訪問したことのある寺でした。

特に印象に残ったのは唐招提寺のトルソと呼ばれる彫像でした。既に頭部も手もなくなっているのですが,幾何学的な姿として西洋美術のトルソのように立っています。このような姿になってかえって芸術性が高まっているような気もします。
もっとも,これも明治以後に始まった悪しき行いの一つの廃仏毀釈によって,仏像が破壊されたことによってできたトルソなのだそうでして,単純には喜べません。

この美術展は9月20日で終了予定です。

明日からオクトーバーフェスト

2010年09月17日 | ドイツ語
本日のマウスのクイズです(しつこいようですが,私も相方のマウスのファンのものですから。)。

明日からミュンヘンで始まる世界最大のお祭りは何でしょうか。
答えはオクトーバーフェストです。
オクトーバーフェストは1810年バイエルン王国の王子ルードビッヒ(後のルードビッヒ1世)とテレーズの結婚の祝いとして始まり,その後,毎年秋に開催されています。
私も1993年の秋にオクトーバーフェストに行きましたが,人の多さに圧倒されました。何せミュンヘンほどの大都市であるにもかかわらず,泊まる宿を見つけることができず,オーバーアマガウに泊まることになりましたくらいです。

日本でも日比谷公園で9月15日から17日にかけてオクトーバーフェストが開催され,ましたが,今回は1日も行くことができませんでした。

雛寿司(新宿アイランドタワー・新宿区西新宿6丁目)

2010年09月16日 | 食道楽
新宿アイランドタワーの中に,私のお気に入りの寿司屋の雛寿司があります。
普段の生活領域にあるというわけではないのですが,以前には相方と食べ放題に挑戦しましたし,先日,都庁に出かける機会がありました際にもここでランチちらしをいただきました。

今回はランチ握り1.5人前をいただきました。
普通外でランチで食べますと,1人前では量が少なすぎて,1.5人前からというイメージですので,雛寿司でもそのつもりで注文しましたが,かなりのボリュームです。いくら,ホタテ,鉄火巻き,かんぱち等が入っていてこれで1470円ですから,お得ですが,普通のランチ1人前990円でも十分に満足感の得られる量でした。