今年はリヒャルト・ワーグナーの生誕200年です。
5月22日,ライプチヒではワーグナー生誕から200年を記念してワーグナー像のお披露目が行われたそうです。
写真は,その本体の像の原型となった像ということで,2013年の美術カレンダーに掲載されていたものです。こちらの方は生誕200年の記念式典よりも一足早く既にライプチヒの造形美術館に置かれたようです。
さて,原型の像も本体の像も見てのとおり,像自体よりも遙かに大きな影が後ろに付いています。これは,ワーグナーの反ユダヤ主義,ナチスによって利用されたことなどワーグナーの負の遺産を表したものと理解することができます。なるほど,本人よりもずっと負の面が大きいのでしょうか。それとも,本人の意図しないところで,ナチスに利用され,負の面が大きくなったということでしょうか。意味深長な像です。
それにしても,ワーグナー像の風貌は,写真等で知られている晩年のものよりもずっと若々しくなっています。ドレスデンの3月革命に関与して,追放され,おたずね者になったときのワーグナーはこれくらいの若さだったのでしょうか。若いワーグナーの像にしたいというのは作者の意向ということです。
因みにワーグナー像は一見するととても下手に見えますが,作者はドイツを代表する彫刻家シュテファン・バルケンホールです。
バルケンホールの作品展は,2005年のドイツ年に東京オペラシティ美術館でも開催されましたが,なかなか特徴的です。バルケンホールは,特定の人物や現実のモデルの描写ではない,黒いズボンに白いシャツという普通の格好をした,どこにでもいそうな人物像を敢えてつくり,それを,「誰でもなく,誰でもありうる」という意味で「Mr. Everyman(ミスター・エヴリマン)」と名付けたりしています。
5月22日,ライプチヒではワーグナー生誕から200年を記念してワーグナー像のお披露目が行われたそうです。
写真は,その本体の像の原型となった像ということで,2013年の美術カレンダーに掲載されていたものです。こちらの方は生誕200年の記念式典よりも一足早く既にライプチヒの造形美術館に置かれたようです。
さて,原型の像も本体の像も見てのとおり,像自体よりも遙かに大きな影が後ろに付いています。これは,ワーグナーの反ユダヤ主義,ナチスによって利用されたことなどワーグナーの負の遺産を表したものと理解することができます。なるほど,本人よりもずっと負の面が大きいのでしょうか。それとも,本人の意図しないところで,ナチスに利用され,負の面が大きくなったということでしょうか。意味深長な像です。
それにしても,ワーグナー像の風貌は,写真等で知られている晩年のものよりもずっと若々しくなっています。ドレスデンの3月革命に関与して,追放され,おたずね者になったときのワーグナーはこれくらいの若さだったのでしょうか。若いワーグナーの像にしたいというのは作者の意向ということです。
因みにワーグナー像は一見するととても下手に見えますが,作者はドイツを代表する彫刻家シュテファン・バルケンホールです。
バルケンホールの作品展は,2005年のドイツ年に東京オペラシティ美術館でも開催されましたが,なかなか特徴的です。バルケンホールは,特定の人物や現実のモデルの描写ではない,黒いズボンに白いシャツという普通の格好をした,どこにでもいそうな人物像を敢えてつくり,それを,「誰でもなく,誰でもありうる」という意味で「Mr. Everyman(ミスター・エヴリマン)」と名付けたりしています。