道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

リヒャルト・ワーグナーの像(ライプチヒ)

2013年05月31日 | 美術道楽
今年はリヒャルト・ワーグナーの生誕200年です。
5月22日,ライプチヒではワーグナー生誕から200年を記念してワーグナー像のお披露目が行われたそうです。
写真は,その本体の像の原型となった像ということで,2013年の美術カレンダーに掲載されていたものです。こちらの方は生誕200年の記念式典よりも一足早く既にライプチヒの造形美術館に置かれたようです。

さて,原型の像も本体の像も見てのとおり,像自体よりも遙かに大きな影が後ろに付いています。これは,ワーグナーの反ユダヤ主義,ナチスによって利用されたことなどワーグナーの負の遺産を表したものと理解することができます。なるほど,本人よりもずっと負の面が大きいのでしょうか。それとも,本人の意図しないところで,ナチスに利用され,負の面が大きくなったということでしょうか。意味深長な像です。

それにしても,ワーグナー像の風貌は,写真等で知られている晩年のものよりもずっと若々しくなっています。ドレスデンの3月革命に関与して,追放され,おたずね者になったときのワーグナーはこれくらいの若さだったのでしょうか。若いワーグナーの像にしたいというのは作者の意向ということです。

因みにワーグナー像は一見するととても下手に見えますが,作者はドイツを代表する彫刻家シュテファン・バルケンホールです。
バルケンホールの作品展は,2005年のドイツ年に東京オペラシティ美術館でも開催されましたが,なかなか特徴的です。バルケンホールは,特定の人物や現実のモデルの描写ではない,黒いズボンに白いシャツという普通の格好をした,どこにでもいそうな人物像を敢えてつくり,それを,「誰でもなく,誰でもありうる」という意味で「Mr. Everyman(ミスター・エヴリマン)」と名付けたりしています。

レオナルド・ダ・ヴィンチ展(東京都美術館)

2013年05月28日 | 美術道楽
上野公園の中にある東京都美術館では,レオナルド・ダ・ヴィンチ展を開催しております。
こちらは,ミラノ アンブロジアーナ図書館・絵画館からきた作品群です。
といいましても,レオナルド自身の絵画は「音楽家の肖像」ともう一枚の作品だけです。
レオナルドの作品が少ないことは知られていることなので,当然想定していたことではあります。「音楽家の肖像」はレオナルド唯一の男性の肖像画といわれましても,見て感動するというような絵ではありません。むしろ,「岩窟の聖母」や「洗礼者ヨハネ」などレオナルドの作品に倣って作成した他の画家の作品の方が,レオナルドの絵を見ているような気持ちにさせてくれて,満足感を与えてくれます。

図書館の所蔵品ですので,絵画以外にもレオナルドの手稿がたくさん来ていました。
ただ,これらの作品群は見てふーんということで通り過ぎてしまい,記憶に残らないのが残念です。

ラファエロが広く後世に影響を与えたのと異なり,レオナルドの影響はせいぜいミラノ近辺止まりだったそうです。ミラノにはまだ行っていないので,いつか是非行きたいと思います。

上野では,さらに9月から国立西洋美術館で「ミケランジェロ展」が開催される予定です。
上野でルネッサンスの3大巨匠の作品展が同じ年に開催されることになります。

ラファエロ展(国立西洋美術館)

2013年05月25日 | 美術道楽

3月から国立西洋美術館でラファエロ展を開催しています。
以前にフィレンツェのピッティ宮殿やドレスデンのアルテマイスター絵画館でラファエロの絵画を見たことがあり,今回日本でも見られるということで,随分と足繁く通いました。

大公の聖母の背景はもともとは青みがかった色で,構図も丸い背景になっていたそうですが,黒く塗りつぶされた現在の姿でも十分にいいと思います。

ゲオルギウスやセバスティアヌス,聖家族など,常に取り上げられるテーマの絵も,どれもキリスト教の教義を反映させるだけではない,いきいきとした姿で,なるほどこれがルネッサンスの本質なのかということを改めて認識させてくれます。

現法王の名前と同じ「アッシジのフランチェスコ」の絵も興味深く見ました。

それと,ラファエロが自分の絵を版画という形で世に広めていたことなどを知ったのも興味深かったです。
デューラーとは随分,著作権といったものへの考え方も違うのかなと思いました。

6月2日でおしまいですので,もう一度ラファエロ展に行けたらと思います。

日比谷オクトーバーフェスト

2013年05月21日 | 食道楽
日曜日に日比谷オクトーバーフェストに行ってきました。
5月なのになぜオクトーバーフェスト?という根本的な疑問があるのですが・・・
最近の日本ではビアフェスト=オクトーバーフェストということになっていると理解するしかなさそうです。

Ein Prositの曲が流れる一方で,近くの野外音楽堂?からは今や懐メロにも近いかと思われるモーニング娘の曲なども流れており(こちらは別の企画です),とても賑やかというか喧噪の中にあります。
オクトーバーフェストの会場も,なぜかすごい混雑です。

ゆっくりすることができるような状況ではないので,Mausを見て早々に退散しました。

手術しました

2013年05月20日 | 日常の道楽
今年は単身赴任時代から強力なインフルエンザにかかるなど病気続きです。

2月末ころから後頭部の表皮にあった粉瘤(こぶ)の調子が悪くなり,ゴールデンウィークに入る直前に思い気って切除しました。
部分麻酔ですが1泊入院もしまして,意外に時間のかかる手術でした。

手術終了直後にはドレーンを入れたままステープラー(ホッチキス)で傷口を止められまして,翌日にはドレーンを引き抜いた上,残った傷口をステープラーで止めて,そこでおしまいという予定でした。
ところが,翌日には,当たり前のことなのですが,もう麻酔はきいていない状態でドレーンが引き抜かれ,さらにドレーンの入っていたために閉じられなかった傷口はそのままガチャンとステープラーで止められました。その時,突然,自分の全身の皮膚が頭に引き寄せられるように感じられました。そうして傷口から自分の身体が丸ごと裏返ってしまうのではないかという感覚が襲ってきました。
安部広房の「デンドロカカリヤ」のコモン君のように自分の顔が裏返ってしまうような違和感と不快感にとらわれ,そのまま失神して倒れ込んでしまいました。
もちろん再度自分を裏返すわけでもなく,しばらくして,普通に頭部の皮膚の違和感に慣れて退院しました。
今では完全に普通に暮らしておりますが,何ともいえない不可解な感覚にとらわれた手術でした。

それにつけても,年齢と共に心身の衰えを痛感します。

帰りました

2013年05月19日 | 日常の道楽
2年間,辛い転勤生活を過ごしました。
相方ねずみを自宅に取り残し,単身赴任をしておりましたし,単身赴任先もなかなか癖のある土地で,言うに言われぬ苦労もありました。

単身赴任先で,単身ねずみというブログを作ろうかなどと考えてみましたが,ネタもなく,結局他のタイトルで作ったブログも,ネタ切れでまともに作れないまま終わりました。

今回,このブログを再開してどの程度のことを書けるか分かりませんが,とりあえず再開してみようと思います。
写真は氏神様である市谷亀ヶ岡八幡宮です。