丸の内の再開発が進んでいますが,積極的に進めている三菱グループの「三菱1号館美術館」が開館しました。
その第1号となる企画展が「マネとモダン・パリ展」です。
マネの絵が実に多数展示されているのには,驚きました。
今回初来日となる「ローラ・ド・ヴァランス」を初め,「エミール・ゾラ」,「街の歌い手」,「死せる闘牛士」,「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」,「ラトゥイュ親父の家」,「レモン」など数々のマネの絵を見ることができましたし,「フィロー=ベルジュールのバー」のような著名な作品の習作も見ることができました(さすがに本物は来ていません。)。
著名な絵の習作も混じっているので,本当に充実した内容です。
個人的には,パリ・コミューンを描いた絵の習作に関心を持ちました。ナポレオン3世がセダンであっけなくプロイセンに降伏し,これに憤激した民衆の蜂起によってパリ・コミューンが成立したのですが,帝政後の共和制政府はこれを弾圧する側に回ったのでした。
同じころの絵に熱気球を描いた絵もあり,普仏戦争時に共和制政府の内務大臣ガンベッタが熱気球に乗って,パリを脱出し,プロイセンと戦う義勇兵を募ったことなども思い出しながら見ました。
マネは,スペインの絵画に影響を受けたこと,印象派とは異なり,あくまでもその活躍の場をサロンに求め,サロンで酷評を受けながらも果敢に挑戦していたこと,パリ・コミューンの内戦にも参加したこと,静物画も残していることなどを知りまして,音声ガイドも面白く聞きました。
「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」は3年半前に,(東京展に先駆けて)神戸市美術館のオルセー美術館展で見たところで,今回また見ることができました。また,ローラ・ド・ヴァランスやエミール・ゾラの絵(背景にマネ自身のオランピアの絵が描かれています。)まで日本で見ることができ,感激しました。オルセー美術館で見た絵ですが,思わぬ「再会」です。オルセー美術館展も近々開催予定ですが,オルセー美術館が改装中であることの恩恵を今年はずいぶんと受けることができそうです。
2011.01.01この記載が誤りとの指摘を受けましたので,お詫びして訂正いたします。
今日はいいことだけを書きました。実際,企画展の内容はすばらしかったのですが,実際はこの美術館の居心地はずいぶんと悪かったのです。そのお話は明日にしたいと思います。
その第1号となる企画展が「マネとモダン・パリ展」です。
マネの絵が実に多数展示されているのには,驚きました。
今回初来日となる「ローラ・ド・ヴァランス」を初め,「エミール・ゾラ」,「街の歌い手」,「死せる闘牛士」,「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」,「ラトゥイュ親父の家」,「レモン」など数々のマネの絵を見ることができましたし,「フィロー=ベルジュールのバー」のような著名な作品の習作も見ることができました(さすがに本物は来ていません。)。
著名な絵の習作も混じっているので,本当に充実した内容です。
個人的には,パリ・コミューンを描いた絵の習作に関心を持ちました。ナポレオン3世がセダンであっけなくプロイセンに降伏し,これに憤激した民衆の蜂起によってパリ・コミューンが成立したのですが,帝政後の共和制政府はこれを弾圧する側に回ったのでした。
同じころの絵に熱気球を描いた絵もあり,普仏戦争時に共和制政府の内務大臣ガンベッタが熱気球に乗って,パリを脱出し,プロイセンと戦う義勇兵を募ったことなども思い出しながら見ました。
マネは,スペインの絵画に影響を受けたこと,印象派とは異なり,あくまでもその活躍の場をサロンに求め,サロンで酷評を受けながらも果敢に挑戦していたこと,パリ・コミューンの内戦にも参加したこと,静物画も残していることなどを知りまして,音声ガイドも面白く聞きました。
「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」は3年半前に,(東京展に先駆けて)神戸市美術館のオルセー美術館展で見たところで,今回また見ることができました。また,ローラ・ド・ヴァランスやエミール・ゾラの絵(背景にマネ自身のオランピアの絵が描かれています。)まで日本で見ることができ,感激しました。オルセー美術館で見た絵ですが,思わぬ「再会」です。
今日はいいことだけを書きました。実際,企画展の内容はすばらしかったのですが,実際はこの美術館の居心地はずいぶんと悪かったのです。そのお話は明日にしたいと思います。
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