道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

結婚手形+なりゆき泥棒(新国立劇場)

2015年02月22日 | オペラ道楽

新国立劇場オペラ研修所公演に行って参りました。
新国立劇場にはオペラ歌手を目指す人たちのためにオペラ研修所が併設されていますが、そこの研修生の人たちが演じるオペラで、毎年2回程度上演されます。
昨年も2月に行きましたが、今回もまた行って参りました。今回は、オペラ研修所のOBOGもほんの一部歌手の中に混じっていましたが、基本的に全て研修生による公演です。

ロッシーニの結婚手形、なりゆき泥棒といういずれもメジャーとはいえない演目を選択しています。私もオペラを見るキャリアは既に優に20年を超えていますが、これらの演目は初めてです。

中劇場での上演で、演出も円形の舞台と宙づりにされたブローチのような円形だけの非常にシンプルな演出でしたが、こうしたシンプルな演出の方が私は好きです。オケも軽装備な中でしたが、研修生の皆さん大活躍でした。特になりゆき泥棒のアルベルト伯爵役の歌手は素晴らしいと思いました。

新国立劇場の応援も兼ねてまた出かけたいと思います。

新印象派展(東京都美術館)

2015年02月15日 | 美術道楽
2月12日の夜、日経新聞が募集していた「新印象派展」の内覧会に行きました。
募集何組かは忘れましたが、かなりの数を募集していました。
相方ねずみが、遅れて申し込んでももう定員オーバーだよと言っていたのに、いやこれだけ募集しているから大丈夫だろうと言って申し込んで、見事当選したチケットでした。
残業せずに早々に職場を出て、美術館に行ったのですが、既に人、人、人です。人間ではないのは我々ねずみの夫婦くらいでしょうか。
身勝手なもので、多く募集しているから当たるだろうなどと思っていたのに、いざ出かけてみると内覧会の客の多さにびっくりします。自分がよくでかける金曜日夜の展覧会とは混雑の度合いがまるで違います。

今回は、音声ガイドはせずにさっと急いで見るだけにしました。
会場ではプロローグで展示されている印象派初期の作品をはじめ、美術館の地下1階と1階部分が大人気で混雑していました。もちろんその中にはモネの《アヴァルの門》やスーラの《グラン・ジャット島の日曜日の午後》の習作などいい作品も沢山あったのですが、私が関心を持ったのは、1階の終わりから2階にかけての展示、つまりクロスやリュスの作品、それと印象派からフォービズムに移行していく過程の絵でした。特に2階は幅広いスペースをふんだんに使っていた上、急いで見て回ったせいかまだ混雑する前だったので、ゆったりと落ち着いてみることもでき、とても楽しむことができました。
今度は既に早割ペア券で購入してある前売券を使ってゆっくり金曜日の夜にでも出かけたいと思います。

それにしても島根県立美術館からはシニャックの《ロッテルダム、蒸気》も来ていましたし、島根県立美術館はいい絵のコレクションがあるようです。

物語絵(出光美術館)

2015年02月12日 | 美術道楽
出光美術館で開催中の「物語絵―〈ことば〉と〈かたち〉」と題する展覧会に行きました。

まずは企画の趣旨から
(引用はじめ)物語絵とは、仏教説話や古典文学から象徴的な場面を抜き出して、それを絵にあらわしたものです。たとえば、『源氏物語』や『伊勢物語』といった王朝文学の傑作がその成立以来ただちに絵画化され、日本美術の歴史に豊かな実りをもたらしてきたように、物語絵に描かれた情景―〈かたち〉には、かならず原典―〈ことば〉があります。
ただし、この2つはいつも〈ことば〉から〈かたち〉へ、という一方向の関係を結ぶわけではなく、互いに響きあい、時には絵画のほうが物語世界に新しい生命を吹き込むこともあったでしょう。絵にあらわされた物語の〈かたち〉のひとつひとつは、物語の作者が書き記したことの受け手ともいうべき画家たちによる、解釈の結果だからです。物語絵は、物語の〈ことば〉を目で追い、耳で聞くことでは到底語りつくされない、物語に広がる無限のイメージに対して、具体的な輪郭線が与えられたものだといえます。
この展覧会では、個々の物語絵を主題ごとのまとまりで見ていくのではなく、むしろ作品に固有の枠組みを取り払った結果、見えてくる〈かたち〉を分類し、6つのテーマを設定しました。いずれのテーマも物語とその絵画が、人間のさまざまな感情の動きを映し出す鏡にほかならないことを伝えるものです。それらを紡ぎだす〈かたち〉と〈ことば〉が密接に、ときに劇的に関わりあうところに、物語絵の新鮮な魅力を感じていただければ幸いです。(引用終わり)

ということです。
恋愛ものでは当然のことながら源氏物語、失恋・隠遁関連では、伊勢物語や西行物語、そして軍記物では源平の合戦に関する作品が展示されていました。作品は、江戸時代に作られたものが多く、それほど著名な作品という訳でもなかったようですし、個々の作品の出来映えそれ自体で深く感銘するというようなものでもありませんでしたが、十分に楽しむことができました。
見所は、俵屋宗達の伊勢物語と西行物語、住吉具慶・烏丸光雄の宇治拾遺物語絵巻、伝 尾形光琳の伊勢物語絵巻でしょうか。
それと並んで岩佐勝友の源氏物語図屏風も印象に残りました。こちらは女性を抱き寄せる光源氏や雷に追われて逃げる光源氏など、人物描写がとても写実的に描かれています。岩佐勝友は、岩佐又兵衛の親類とか。そして岩佐又兵衛は、荒木村重の子です。昨年の大河ドラマですっかり有名になりました。

Die Fledermaus(こうもり・新国立劇場)

2015年02月08日 | オペラ道楽
2月8日に新国立劇場にDie Fledermaus(こうもり)を見に行きました。

コンサートとは異なるオケの編成であることを考えてもいささかパワー不足のスタートでして、いささか気になる所はありましたが、何とか乗り切っていました。
歌手は力量の差がかなりあったような気がします。
アルフレートが他のオペラの歌を歌う(例えば椿姫とか)という通常よくある演出が大幅に削減されて、姿の見えない刑務所で歌うのがトゥーランドットの「誰も寝てはならぬ」くらいだったのは、2幕3幕で休憩も取らずに時間を短縮するという演出の関係もあって、やむを得なかったのだとは思いますが、それでもアルフレート役の歌手にはもう少し頑張ってもらいたかったような気がします。
このオペラでは、アルフレート役は脇役ではなく、とても重要な役と再認識した次第です。
そういえば、2008年に上野でウィーン・フォルクスオーパーの上演を見た時は、アルフレートの役にルネ・コロという超大物が出ていて驚いたことがあります。

舞台は華やかで刑務所の中に夜会の場面をそのまま取り込んでいて、アドリブも沢山あり、とても面白い内容でした。ドイツ語がもちろんベースではありますが、フランス語やロシア語ばかりか、今回の上演にあわせて日本語まで混じるなど、こうもりのドタバタ復習劇を楽しみました。今回は、新国立劇場のバレエ部門からも応援があったのでしょうか。

とても楽しい気持ちになりました。
それにしても、まだ2月なのに「こうもり」を見てしまい、もう2015年もおしまいでまもなく2016年かという錯覚を起こしそうになります

高松次郎ミステリーズ(東京国立近代美術館)

2015年02月01日 | 美術道楽

東京国立近代美術館で開催中の「高松次郎ミステリーズ」を見に行きました。
「影」をテーマにした作品が多く展示されています。
影ラボというコーナーでは光点が設定されている前で自分の写し出された影を撮影することもできます。
ねずみ属(ドイツのDie Maus)はこんな感じ。



他にも3次元で構成された遠近法の作品なども展示されています。影や鏡などをモチーフにした作品が特別面白く、絵は意外にシンプルな抽象画でありました。