道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

2010年を振り返って

2010年12月31日 | 日常の道楽
今年も最後の日となりました。
大晦日は,毎年,早稲田の穴八幡宮にお参りに出かけまして,一陽来復のお守りをいただきます。少なくとも今年まではその習慣を続けております。

そして,帰路に決まって夏目坂の蕎麦屋「中村屋」で年越しそばをいただきます。
食べるのは冷たい天せいろと決めています。




道楽ねずみことフランツにとっては,2010年はここ数年来,まれに見る充実した1年となりました。
昨年までは,職業人としてのキャリアについては殆ど諦めに近いものもありましたが,今年1年,とてもいい機会を与えていただき,それに応えるべくそれなりに奮闘したつもりです。無理もありましたのか,10月には日帰り手術(ほんの小さな手術です。)を受けることになりましたが,こちらの方もおかげさまで予後は良好です。
今感じますのは,この1年間,力不足を感じながらも何とか頑張れましたのは,まず第1には相方ねずみの支えのおかげなのですが,それ以外にも,その昔,目立たないところで苦しんできた経験があってのことだと思います。

2011年は私にとっては,いろいろな意味で激動の1年となりそうな予感です。
今年とは違って何事も順調にはいかないことも多いような気もしますが,かつての苦境がこの1年間を支えてくれたことを思い出しつつ,苦しい中でも,常に前向きな思考を忘れずに頑張っていきたいと思います。

本年は大変お世話になりまして,誠に有り難うございました。
来年が皆様にとりまして輝かしい1年になることを心から祈念いたしております。

2010年美術展ランキング(訂正後)

2010年12月30日 | 美術道楽
2010年も残すところあと2日となりました。
昨年にならい,今年の美術展のランキングベスト10を作ってみました。(実は1時間前に既にアップしたのですが,極めて重大な見落としに気づき,再度訂正しました。お恥ずかしい限りです。また,2011年になって誤りを指摘されましたので,その分も訂正してあります。こちらの方は私の完全な誤解に基づく物であり,大変ご迷惑をおかけしました。深くお詫びいたします。)
どの美術展も素晴らしく,また比較すること自体が難しいので,ランキングをつけること自体が傲慢な感じもして気が引けるのですが,新聞等でもベスト3というようなものをよく作りますので,あえて作ってみました。今年は専ら自分の個人的評価を基準にしました。


第1位 オルセー美術館展2010(国立新美術館・港区六本木7丁目)
今年一つだけ挙げるとしたらこれしかありません。
確かにオルセー美術館所蔵品のうち,やってきたのはポスト印象派が中心ではありましたが,その質,量ともにおいて他の美術展を凌駕するものがあります。
期間中3回も訪れてしまいました。

第2位 ボルゲーゼ美術館展(東京都美術館・台東区上野公園)
ラファエロ,カラバッジョ,ボッティチェリなど厳選された作品が最高でした。
ラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」を見られて感激です。

第3位 長谷川等伯展(東京国立博物館・台東区上野公園
私が選者でなければ第1位になるべきものかもしれません。
能登の七尾時代の作品から,京都に出て来てから,今風にいえばベンチャー企業のような形で大企業の狩野派に挑んだ時期の作品,そして晩年の作品まで見ることができました。
高岡市の大法寺にある三十番神図,楓図壁貼付,松林図屏風等々どれも圧巻です。

第4位 ザ・コレクション・ヴィンタトゥール展(世田谷美術館・世田谷区砧公園)
これも素晴らしいコレクションです。
ドラクロワの時代から印象派,ポスト印象派,ナビ派,表現主義,キュビズム,素朴派など幅広いジャンルを網羅しています。コレクションの充実ぶりに感動しました。
フランツのお気に入りはドイツ表現主義の絵画でした。

第5位 カンディンスキーと青騎士(三菱一号館美術館・千代田区丸の内2丁目)
選者の趣味です。カンディンスキーの絵が中心ですが,抽象画にいたる課程がわかるような展示です。
レーンバッハハウスが改修中であったことに感謝です。

第6位 マネとモダン・パリ(三菱一号館美術館・千代田区丸の内2丁目
こちらもオルセー美術館が改修中であったお陰です。
訂正します。こちらはオルセーの改修とは関係がないというご指摘といただきました。貴重なご指摘有り難うございます。
人物画,肖像画を含めて,マネの作品を幅広く見ることができました。
仕事帰りに何度も通いました。

第7位 ゴッホ展(国立新美術館・港区六本木7丁目)
これも第7位ではほかの方のお叱りを受けそうです。
初めにゴッホの初期の作品と晩年の作品を並べて展示し,両者を比較して変わった点と変わらない点について音声ガイドで説明してくれます。その上で時系列的にゴッホの作品を見せるなど展示の仕方にも工夫を感じました。
ゴッホに影響を与えた画家の絵も多く,ゴッホの画家としての発展の過程を見ることができました。

第8位 円山応挙展(三井記念美術館・中央区日本橋室町)
今年は日本画の展覧会もいいものがありました。
円山応挙もとてもよかったです。ここでも眼鏡絵から始まった円山応挙の発展の軌跡を辿ることができました。
遠近法を駆使し,さらに襖絵の置かれる場所を考慮した応挙の空間の演出は素晴らしいとしかいいようが有りませんでした。

第9位 アルプレヒト・デューラー版画・素描展(国立西洋美術館・台東区上野公園)
ドイツオタクの道楽ねずみ(=フランツ)と相方ねずみの趣味という気もしますが,やはりドイツの偉大な芸術家であるデューラーを挙げざるをえません。
普段見落としがちな版画ですが,その中にも躍動的な表現がされています。

第10位 カポディモンテ美術館展(国立西洋美術館・台東区上野公園)
厳選されたルネッサンス,バロック芸術の作品が展示されていました。ティッツアーノ,コレッジョ,リベーラなどの作品がよく,ヴァザーリの「キリストの復活」はそのテーマに合わず,なんだかお茶目な感じでした。

番外編 佐伯祐三展(新宿歴史博物館・新宿区三栄町)
地元の新宿歴史博物館で開催された小規模な展覧会ながら,高階秀爾先生による講演会を開くなど頑張っておりました。佐伯祐三が一時期新宿区の落合に暮らしていたことから今回の企画になったようです。
新宿歴史博物館の方,毎回,いい企画展を工夫されており,有り難うございます。

さてさて,こうして挙げて見ますと,今年は各国の美術館が改修中であったことによる恩恵を随分受けたようです。これによって随分と貸し出しをしてもらえました。
オルセー美術館(ただし,マネ展は除く),レーンバッハハウス,ヴィンタートゥール美術館,メルボルン国立ヴィクトリア美術館(デューラー版画を所蔵している美術館),いずれもそうです。

来年はどのような美術展が見られるのでしょうか。
楽しみなことです。

ドガ展(横浜美術館・横浜市西区みなとみらい)

2010年12月29日 | 美術道楽
横浜美術館で開催中のドガ展に行って参りました。
本邦初公開となる「エトワール」を初め多くの絵がオルセー美術館等から来ておりました。
ドガは主にアトリエの中で制作し,踊り子や馬の一瞬の動きや都市の人工的な光をテーマにして,知的で市場あふれる作品を制作していたとのことです。特に踊り子ばかりに関心があったというのではなく,一瞬の動きを表現すべきもの一例として踊り子があったようです。ですので,ロンシャン競馬場の出走前を描いた作品なども制作しています。
今回馬を描いた絵も多数展示されておりました。

集団肖像画のような「綿花取引所の人々」,覗き見をするような視角でとらえた「浴盤(湯浴みする女)」なども面白く思われました。
いろいろな習作も多く展示されています。

ドガは彫刻も制作していますが,その制作は専ら絵画制作のための材料ということに過ぎなかったようです。




鎌倉ニュージャーマンのシュトレン(鎌倉市上町屋)

2010年12月28日 | 食道楽
相方ねずみが鎌倉まで出かけ,鎌倉ニュージャーマンでシュトレンを買ってきました。
シュトレンも食べあきる位に食べましたので,今回は小型サイズのシュトレンとなりました。
こちらもバターシュトレンではないのでしょうか,しっとりというより固くまとまっていて,中身もナッツが入っておりますし,香りもきいたお菓子でした。

かくして道楽ねずみと相方ねずみは,今年も随分と多くのシュトレンを食べてしまいました。
今年食べたシュトレンの中でねずみ達が特に気に入ったのは,ラビーンのシュトレン,そしてBurdigalaのシュトレンでした。それとかなり雰囲気は違いますが,近所の曙橋の満のシュトレンも気に入りました。

来年もまた食べたいものです。

また,ラビーンとBurdigalaについては別のお菓子も試してみたいと思います。

AQUAMARE(横須賀市鴨居)

2010年12月27日 | 食道楽
横須賀美術館に行った際にはレストラン・アクアマーレで食事をしました。
美術館自体ができたばかりですので,レストランも新しく,お洒落で綺麗です。
レストランからの海の展望もいいです。夏の夕方にでもでかければ,さぞかしいい景色を楽しむことができるでしょう。
周囲にはほかには1か所くらいしかレストランもないので,人気なのでしょうか,混んでいました。

ただお味の方はといいますと,それほど格別のことはないようです。葉山にある神奈川県立近代美術館も立地はとてもいいけれど・・・という感じでしたが,共通するものを感じます。
また,横須賀のレストランは来客が多い割にはスタッフの数が少なく,スタッフの人も忙しすぎてなかなか客に注意が回らないようでした。

外から見たレストラン




レストランからは昨日の記事で紹介した景色が臨めます。





「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」(横須賀美術館・横須賀市鴨居)

2010年12月26日 | 美術道楽
横須賀美術館で開催中の「ラファエル前派からウィリアム・モリスへ」と題する展覧会に行きました。
ロゼッティ,ウィリアム・ダイス,バーン=ジョーンズらのラファエル前派を代表する画家の絵とともにウィリアム・モリスらの工芸品も展示してあります。
ラファエル前派というのは,ラファエロ以前の絵画を理想にするということで,19世紀のアカデミーにおける古典偏重の美術教育に異を唱え,ラファエロ以前の芸術,すなわち中世や初期ルネサンスの芸術を範としたのだそうです。
私はロゼッティの描く端正で気品のある,やや顎のとがったような女性の絵が好きなのですが,ロゼッティの描く女性は抽象化されたイメージで,具体的な女性のイメージではないという批判もあるそうです。なるほど美人ではありますが,人間味の乏しい訳です。ただし,今回展示されていたロゼッティの描いた絵は,ちょっと自分の趣味とは異なるような気もしました。

聖書の物語やトリスタンとイゾルデの物語がテーマの絵もありますが,ほかにもシェークスピアの戯曲を題材とする絵などもありました。シェークスピアの作品はまだまだ知らない作品もたくさんあるようです。

常設展の展示もいいですし,何よりも美術館の建物が明るくてデザインがいいのに感激しました。

この美術展は本日で終了です。


建物の展望デッキから見える海の景色



東京オペラシティのクリスマスツリー

2010年12月25日 | 日常の道楽
東京オペラシティの広場には毎年,この時期にはクリスマスツリーが建てられます。
今年も「アンドレア・シェニエ」のオペラを見に行った時,それと「トリスタンとイゾルデ」を見に行った時のそれぞれ帰りにこのクリスマスツリーを見てきました。
クリスマスイブにはミニコンサートも開催されます。
頻繁に出没するエリアですが,私にとっては東京のクリスマスを代表するものになっております。

オペラシティと新国立劇場との間にある階段のライトアップ


Burdigalaのシュトレン(港区南麻布4丁目)

2010年12月23日 | 食道楽
さらにシュトレンを買いました。広尾の駅の近くにあるBoulangerie Burdigalaというパン屋(というよりもBoulangerieという表現が明らかに似合います。)で買いました。
道楽ねずみは,有栖川公園の中の東京都立中央図書館に調べ物をしにいっただけでしたが,帰りにドイツ大使公邸やドイツ大使館の前を通り,広尾駅に戻る途中でこの店を発見し,その外観を見ただけで,とてもセンスの良さを感じてしまい,吸い寄せられるように入ってしまいました。
道楽ねずみの出没する神楽坂,四谷,新宿エリアとはまた違うセレブな感じがします。
ドイツ大使館も近いことですし,ここのシュトレンはきっとおいしいと思い,小さいサイズのものを購入することとしました。

シュトレンの包みの中には解説が入っています。
引用しますと,
「歴史をさかのぼること西暦1400年。
その真っ白な外見は,布にくるまれた幼児キリストを表すものとして,またはキリスト降臨の日の雪を表すものとして,ドイツのクリスマスには欠かせない伝統を築き上げてきました。
ブルディガラの最高級シュトーレンは,ふんだんに使ったドイツのローマッセを中心に,半年間もの間,じっくり洋酒に漬け込んだドライフルーツの香りが今までに味わったことのないふくよかで重厚な味を演出しています。
製造後10日からクリスマスにかけてが食べ頃で,クリスマス前から毎日一切れずつ食べて,最後の一切れを聖夜のお祈りの後に食べるという慣わしがあります。」(引用終わり)
とのことです。

早速食べて見ました。シュトレンの周りは白砂糖で覆われており,その厚みは軽く2㎜はあると思われます。周囲はやや甘みが強いような気がしましたが,中身はとてもおいしいです。上の解説にあったとおりの味わい,しつこすぎない味付け,ほどよいしっとり感,とても満足です。
少しもったいない気もしますが,塩竃料理のように表面の厚い砂糖のコーティングを落として食べてしまってもおいしいかも知れません。

店の女性もとっても感じが良く,素晴らしい店です。






クリスマス市さまざま

2010年12月22日 | 日常の道楽
クリスマス市をいくつか訪ねてみました。

最初は六本木ヒルズです。
冒頭の写真も六本木ヒルズのものです。
有名だからでしょうか。非常に混み合っています。
マルクトのソーセージの味は,昨年,一昨年でだいたい分かりましたので遠慮しておきましたが,グリューワインのカップは買いました。
本場ではグリューワインの器となっていて,飲み物を買って,質となっているカップの金額を放棄することによって,実質的に買うことになりますが,こちらでは飲み物を入れずに,単体で売っています。
マウスの登場する日にちを間違えて,日曜日に行くべきところを土曜日に行き,マウスの登場を見ることができないままでした。





グリューワインのカップ




帰路に見たライトアップです。



木々から漏れる月光の方がすてきです。日本画のようです。





日比谷シャンテ前
こちらはウィーンのマルクトのイメージです,
コンテナで作られた屋台からなるマルクトです。
観光局の案内もあり,食べ物よりも商品の販売が中心で,マルクトというより物産展という感じです。

この写真では様子がわかりにくいと思います。



東京国際フォーラム地上広場
こちらはストラスブールのマルクトのイメージです。
ワインなどフランスのものを売っています。こちらもワイン,パンや雑貨類が売られています。
入り口のライトアップが立派です。




ドイツのクリスマスマルクト風に作られたクリスマス市では大阪梅田のスカイビルが有名です。ここはメリーゴーランド,クリッペ,気色悪いブタの置物など全てが本場さながらにできているのですが,大阪なのでなかなか行くことができないのが残念です。

2005年のスカイビルのマルクト






セーヌの流れに沿ってー印象派と日本人画家たちの旅(ブリジストン美術館・中央区京橋1丁目)

2010年12月21日 | 美術道楽
ブリジストン美術館で開催中の「セーヌの流れに沿ってー印象派と日本人画家たちの旅」展に行きました。
セーヌ川流域を5つの地域に分け、それらを描いた印象派の作品を中心に、日本人画家たちの滞仏作も含めた19世紀半ばから20世紀にかけての作品群をご紹介するというコンセプトの展覧会です。
ブリジストン美術館とひろしま美術館の2つの美術館に所蔵されているシスレーの絵を一緒に展示することができないかというところから始まった企画のようでして,ひろしま美術館からもたくさんの絵が出展していましたし,この展覧会は来年にはひろしま美術館で開催されるとのことです。

日本人画家の絵もたくさんありますが,日本人に限らず,モネ,シスレー,ルノワール,ゴッホ,ルソー,ブラマンクなどフランスで活躍した画家達の絵がたくさん展示されています。
パリ,ストラスブール,コルマール,アラスくらいしかフランスの都市を知らない私にとりましては,シテ島やコンコルド広場周辺をはじめパリの景色くらいしかなじみの土地の絵はありませんでしたが,それでも風景画を素朴に楽しむことができました。

ひろしま美術館の絵以外でも,島根県立美術館で見たモネの「アヴァルの門」に再会することもできて,嬉しく思われました。
またシベリアコレクションで有名な香月泰男が「エトルタ」の絵を描いていたというのも驚きでした。

【余談】
帰りに階段のところで,アリスティド・マイヨールの作品が展示してありました。
常設展のコレクションですが,マイヨールの作品まであるとは知りませんでした。

Alpageのパネットーネ(新宿区神楽坂6丁目)

2010年12月20日 | 食道楽
いつもチーズを買いに行く神楽坂のAlpageでクリスマスの時期にあわせたパネットーネというお菓子を買いました。

メールでの案内によりますと,
「■ ジーノ・ファブリさんのパネットーネ 一個約1kg

カット販売をいたしますのでご利用ください。
ホールでも販売しております。
(中略)
ボローニャ郊外にあるジーノさんのお店「カラメッラ」は、天然酵母を使用した伝統的なパネットーネの有名店。
ふんわり、しっとり。オレンジピールやレモンピール、アーモンド、ヘーゼルナッツ、レーズン、アカシアの蜂蜜などがぎっしり入っています。
添加物は一切使用しておりません。
特にこのパネットーネは、良質の素材を使用しているので、お口いっぱいにフルーティーな香りと美味しさが広がります。
我慢できずに一気に食べたくなってしまうほどの魅力的なお菓子です。
また、このお菓子はアイスクリームとの相性が良く、贅沢ですがパーティーでは、真ん中をくり抜いてアイスクリームを詰めてからカットする方法もあります。
また、ブリアサヴァラン、マスカルポーネを添えてコーヒーや紅茶とお楽しみください。
11月終わりに焼き上がり、空輸で到着いたしました。」(引用終わり)とのことです。

買いましたのは6分の1にカットしたものです。

昨日はもう店頭にありませんでしたから,現在はもう売り切れかも知れません。
こちらはイタリアの伝統的なお菓子です。wikipedia情報ですとミラノのお菓子ということです。
シュトレンと違ってふわっとした感じで,具がはいっていて,食べやすいです。
店のお勧めにしたがい,店で別にマスカルポーネ(白いチーズ)を買いまして,クリームのようにつけていただきました。

オペラトーク・トリスタンとイゾルデ(新国立劇場・渋谷区本町)

2010年12月19日 | オペラ道楽
年末年始の前後の時期に新国立劇場で,トリスタンとイゾルデが上演されます。
それに合わせて12月16日に新国立劇場で開催されましたオペラトークショーに行きました。
トークをしていただけるのは,オペラで指揮をとる大野和士さんと指揮補のペーター・トメックさんです。
大野和士さんは指揮者なのですから,本来は観客に面白い話をするという立場ではないのではないかという気もしますが,トリスタンとイゾルデのストーリーの伏線となっているトリスタンの父母の物語,トリスタンの名前の由来,
さらにはオペラの見所などわかりやすく,とてもエネルギッシュに話をしていただきました。こうしたトークは大学の先生とかが,ユーモアを交えてするものかと思っておりましたが,大野和士さんは著名な指揮者ながら,聴取者を楽しませようととても一生懸命にお話をしてくださり,いい方だなという人柄も伝わってきました。
このほか歌手の成田勝美さん,斉木健詞さん,並河寿美さん,池田香織さんも登場して,ピアノの伴奏付きで第1幕第1場,第2幕第2場,第2幕第3場,第3幕第3場などの場面の歌を歌ってくれました。

初めて参加したトークショーでしたが,面白かったです。
ネタバレにならないようにと演出の話が殆どなかったのは仕方ないとして,前売り券が少なく入手することができず,当日2階の立ち見で1時間半過ごしたのだけが少ししんどく思われました。

ラビーンのシュトレン(Berlin Steglitz)

2010年12月18日 | 食道楽
しつこくシュトレンの話ばかりを書いております。
現在までのところ,今年食べたシュトレンの中で最もドイツ的と思いましたのは,伊勢丹のWebから購入しましたラビーンというドイツの店のシュトレンです。伊勢丹新宿店でもラビーンのバウムクーヘンを売っているのを見たことがありますが,シュトレンを現時点で店頭販売しているかどうかはわかりません。

普通にビニール袋でラッピングした状態で届きますので,ドイツのスーパーでも普通に売っている典型的なシュトレンかと思いました。ドレスデンのエミール・ライマンが黒い金属の箱で包まれていて,いかにも高そうな感じがする(赤い紙の箱のもあります)のとはちょっと違う感じです。
名前にバターシュトレンと書かれております。バターのしっとり感の期待を持たせてくれる名前です。
住所はBerlin Steglitzと書いてあります。Steglizといえば,クーダムを通っている地下鉄U9線の終点の駅です。しかし,ロゴの門はどこかで見たことがあるといいますか,ポツダムの景色です。
ポツダムのブランデンブルク門

少しロゴと違うようです。これではなかったのでしょうか。

こちらです。このグリューワインのカップにえがかれたのとよく似たものがロゴになっています。
ブランデンブルク門ではなくナウエン門です。




ラビーンのホームページで確認したところ,日本語の訳もついています。
「コンディトライ・ラビーンの歴史は、1878年、ポツダムで始まりました。
 初代エルンスト・ラビーンは、ポツダムのオランダ人地区、ナウエン門脇にコンディトライ・カフェを開き、そこはポツダムやその周辺で名の通った人から、宮廷へ向かう途中で休憩に立ち寄る辻馬車の馬子まで、さまざまな人々が集まる場所となっていました。
 1900年に入ると、王室御用達となります。
 1932年、2代目フーゴー・ラビーンは、サンスーシー宮殿正面玄関からさほど遠くないブランデンブルク門脇に店舗を移しました。
 この店には、ベルリンやドイツ全国、また、遠くはアメリカから、有名俳優や著名人が訪れ、世界中からの観光者も立ち寄り、大変賑やかな店でしたが、第2次世界大戦敗戦後、ポツダムは東ドイツに属してしまい、1952年、政治的背景に追われるように、コンディトライ・ラビーンは西ベルリンへと居を移すことになりました。
 1970年、3代目クラウス・ラビーンの時代より、ドイツ全国や外国への発送注文を受けるようになりました。
 そして現在、4代目ヨハネス・ラビーンがラビーンの伝統を受け継いでおります。
 ラビーン家のどの世代を通しても共通することは、高水準を維持し、伝統の菓子を作り続けていることです。
 使用する素材は、昔も今も変わらず、自然の素材のみ、添加物は一切使用していません。」(引用終わり)
ということです。

食べて見ましたが,こちらは正真正銘のドイツの味です。
甘くてバターでしっとりしていてとてもおいしいです。それでいて,しつこすぎず微妙なバランスです。これは文句なしにおいしいシュトレンです。
Webの情報によれば,ラビーン自体が日本まで発送してくれるようなので,来年伊勢丹が取り扱わなくても,インターネットで個人輸入もできそうです。



満のシュトレン(新宿区住吉町)

2010年12月17日 | 食道楽
小麦と酵母 満(みつる)の曙橋店でシュトレンを買いました。
ここのシュトレンを買うことは既に毎年の恒例行事にまでなっていることです。
割と小ぶりで,バターも少なく,しっとり感もあまりなく,固い感じもしますが,それでもおいしいです。ドイツ風のシュトレンとはだいぶ違う感じもしますが,中に豆とか胡桃とかが入っており具だくさんで,黒糖も周囲にまぶされており,日本風にアレンジしたシュトレンとして楽しめます。ドイツと同じように作ってはいませんが,独自の路線でおいしいシュトレンを作っています。
満のパンは酵母の臭いが強く,好き嫌いが分かれそうな感じもしますが,少なくともここのシュトレンは癖もなく,おいしいので毎年購入しております。

写真を撮るのを失念しました。
掲載されているシュトレンは昨年のものです。