道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

ペンギン・カフェ(新国立劇場・渋谷区本町)

2010年10月31日 | オペラ道楽
新国立劇場でバレエ・ペンギン・カフェを見ました。
普段,オペラは見に行きますが,バレエを見に行くのは久しぶりです。
今回,ペンギン・カフェという演目にはなっているのですが,同時に「火の鳥」,「シンフォニー・イン・C」という2つのバレエも上演され,この2つの演目の後にペンギン・カフェが演じられました。以前に新国立劇場で見た「カルミナ・ブラーナ」のバレエも,「レイモンダ」の一部と抱き合わせで上演されまして,その時にも感じたことですが,どうもこの抱き合わせ型上演は違和感を感じます。昔の映画館か雑伎団の催し物でもないのですから,一つの演目に集中したいところです。まるで違うバレエを続けて見させられても感想がバラバラになりそうです。

さて,ペンギン・カフェですが,既に新聞でも取り上げられていましたが,ペンギンだけではなく,ユタのオオツノヒツジ,テキサスのカンガルーネズミ(道楽ねずみの同類のため親近感がわきます。)などいろいろな動物も登場します。人間もいますし,果ては豚鼻スカンクにつくノミなんて生き物さえも登場します。
かぶり物をつけて回転をするのは,通常のバレエと違って目が回って大変なのだそうです。そのような中でペンギンさんたちは,シャンパングラスの置かれたお盆を持って大活躍でしたし,ネズミさんも飛び跳ねて舞台の上を忙しく動き回り大活躍でした。動物たちの動きも表現しながらのバレエで面白かったです。
テーマは,絶滅種にかかわることがらであったようですが,実際見ていますと,動物と人間との共生といったことも伝わってきました。

演出・振り付けのビントレーは,「カルミナ・ブラーナ」に引き続き,いい味を出してくれました。



ウフッツィ美術館自画像コレクション展(損保ジャパン東郷青児美術館・新宿区西新宿1丁目)

2010年10月30日 | 美術道楽
損保ジャパン東郷青児術館で開催中のウフッツィ美術館自画像コレクション展を見に行きました。
ウフッツィといえば,ルネッサンス絵画。相方と昔,行きましたが,ボッティチェリ,レオナルド,ラファエロ,ピエロ・デッラ・フランチェスカ,カラバッジョといった画家のイメージです。そこに近現代の自画像なんてあったのだろうかと思いましたが,展示スペースの関係もあり,普段は展示されない自画像コレクションがあるのだそうです。因みにその一部は,ヴァザーリの回廊に置かれているのだそうです。
有名な画家では,レンブラント,ベルニーニ,アングル,アンソール,ドニ,キリコ,シャガールといった画家の自画像がありました。もっともベックリンの絵はその死後に息子が描いた絵なのだそうです。ドニはいかにもナビ派らしい絵でしたが,キリコやアンソールは意外に普通で拍子抜けします(もっともアンソールは骸骨の絵ばかりではないと言うことは既にオペラシティ美術館で学習済みでもありましたが。)。
知名度において劣りますが,マリー=ルイーズ=エリザベート・ヴィジェ=ル・ブランは,マリー・アントワネットお抱えの画家でして,アントワネットの絵を描く自画像を描いています。とても印象的な自画像で,この展覧会のポスターの表紙絵にもなっています。

日本からも藤田嗣治,草間弥生などの自画像が展示されています。
ウフッツィ美術館の自画像コレクションに収蔵されるということは,画家のステータスシンボルになるのでしょうか。

音声ガイドも絵よりも画家の人生に詳しく,画家の自画像を通じて画家を知ることのできる展覧会でした。

ケーテ・コルヴィッツとモダニズム展(ケーテ・コルヴィッツ美術館・ケルン)

2010年10月29日 | 美術道楽
残念ながらケルンに出かけた訳ではありません。
これもeuromaxx情報です。
今日から来年の1月16日まで,ケルンのケーテ・コルヴィッツ美術館がが,開館25周年を記念して「ケーテ・コルヴィッツとフランス・モダニズム」と題する企画展を開催します。
それにあわせて,アリスティド・マイヨールの彫刻作品が,パリのアリスティド・マイヨール美術館からやってくるとのことです。アリスティド・マイヨールはケーテ・コルヴィッツに影響を与えた彫刻家ということで,今回この企画展のためにパリからケルンまで大切に梱包され,細心の注意を払って搬送され,アリスティド・マイヨール美術館の学芸員からケルンのケーテ・コルヴィッツ美術館の学芸員に渡されて,ケルンで展示される様子が紹介されていました。

このほかにもピカソやロダンの作品が展示されるようです。また,ケーテ・コルヴィッツの作品も,ベルリンにあるケーテ・コルヴィッツ美術館やニュルンベルクの美術館からも出展されているようです。

きたあかり(北海道空知郡上富良野町)

2010年10月28日 | 食道楽
富良野のじゃがいも・きたあかりをいただきました。
毎年いただいているものですが,とてもホクホクしておいしいです。
煮てしまいますと,普通のじゃがいもと違いは分からなくなってしまいます。
しかし,これを炒めてブラートカルトッフェルにしますと,普通のじゃがいもよりも遙かに黄色がかった色になり,甘みが出てきます。
ドイツ料理のつけあわせにぴったりの食べ物です。

東大寺大仏展・天平の至宝展(東京国立博物館・台東区上野公園)

2010年10月27日 | 美術道楽
東京国立博物館で開催中の東大時大仏展に行きました。

東大寺の建立から江戸時代に至っての再建までの時代にかかわる物をいろいろ展示してあります。
瓦等の細かいものも多いのですが,大きいものでは,
・西大門勅額
・八角灯籠
・良弁僧正坐像
・僧形八幡神坐像
・二月堂本尊光背
・不空羂索観音菩薩立像光背
・重源上人坐像
・公慶上人坐像
・五劫思惟阿弥陀如来坐像
等々がありました。
八角灯籠の大きさは圧巻です。普段,東大寺に行っても,大仏や東大寺全体の大きさに目が慣れてしまい,八角灯籠の大きさに気づかなくなりますが,こうしてみるといかに八角灯籠それ自体が大きいか,そして,そうするといかに東大寺や大仏が大きいのかということに気づきます。

この展覧会の特徴は,映像をうまく使っていることと思います。遙か昔の文物ゆえ,劣化して肉眼では確認することが困難なものでも,隣にある映像であれば確認することもできできますし,また,実際には展示されていないものも映像でイメージを掴むことができます。


東大寺建立に大きく貢献したのは僧行基でした。

東大寺建立を聖武天皇に勧めたのは光明皇后といわれています。光明皇后が寄進させた写本の経典もありましたが,光明皇后の筆による書の写真もありました。王義之の「楽毅論」を書いたものです。中国の戦国時代,燕の名将楽毅が斉の城七十余城を落としながら,残りのいくつかを落とせなかったのは何故かというようなことが論じられている本のようですが,今日ではむしろ王義之の書によって有名です。

東大寺の大仏開眼の式典の際に演じられた伎楽の面などを見ていますと,当時の伎楽の様子が浮かんでくるようです。また,日本では極めて珍しい蝉のデザイン(蝉の形をした鍵)などを見ておりますと,当時の日本がシルクロードで世界とつながっていて,国際色が豊かであったのだということを感じます。

東大寺は2度戦乱に遭います。
一度目はいわずと知れた平重衡の南都焼き討ちです。奈良に行けば,至る所で平重衡の南都焼き討ちによって消失したという記述を見かけます。
ともあれ,南都焼き討ちによる消失後の再建に功績があったのが,重源です。重源は,宋にも3度もわたったことがあるそうです。重源は,東大寺再建にあたって,宋からやってきた陳和卿(ちんなけい)の協力を得たそうです。陳和卿といえば,源実朝が宋にわたる船を由比ヶ浜に建設させようとした際に,結局,使えない船を作った人物で,噴飯物といいいますか,信用することのできない,詐欺師のような中国人の典型のような人物と思っておりましたが,少しは業績も残していたようです。非常に驚きました。
二度目の戦乱とは,戦国時代の松永久秀対三好氏の戦さによってだそうです。


このほか,二月堂のお水取りの映像を見ながら,実際にお水取りを見に行ったことなども思い出しました。


最後の方で見ることのできた快慶作の像がとても良かったです。

C3(シーキューブ・新宿伊勢丹)

2010年10月26日 | 食道楽
ハロウィンの時期にあわせて新宿伊勢丹で,C3(シーキューブ)という店のかぼちゃのプディングパイを買いました。
C3の3は3乗の3でキューブと読むのだそうです。兵庫県芦屋市のアッシュ・セー・クレアシオンという会社の経営するケーキ店の一つが,シーキューブのようです。もっともシーキューブ自体は関西より東京の方が店舗が多いようです。

パイ生地の上になめらかなかぼちゃプリンがのっていて,その上にモンブラン風にかぼちゃのクリームがこれでもかというくらいにのっています。
かぼちゃのくどすぎない甘みでおいしくいただけますが,パイ生地はフォークやスプーンでは簡単に切れないので,結局,パイ生地と一緒に食べようと思いますと,かぶりつくしかありませんが,そうすると生地の上に乗っているものの重みでバランスを崩し,ケーキを下に落としそうになります。スプーンですくって食べるべきでした。
HPでみると,ほかにもたくさんケーキがありそうなので,また試してみたいと思います。

ヘンリー・ムア展(ブリジストン美術館・中央区京橋1丁目)

2010年10月25日 | 美術道楽
10月17日までブリジストン美術館開催していたヘンリー・ムーア展に最終日に行きました。
第1章 生命のかたち
第2章 ストーンヘンジ-有機的なかたち
と区分した上で,第1章をさらに
1 横たわる人体
2 母と子
3 座る女のポーズ
4 頭部(ヘルメット・ヘッド)
に分けています。
常設展のコレクションのほか,東京芸術大学美術館等の外の美術館から借りてきた作品も含めて展示してありまして,彫刻6点のほか,リトグラフ,エッチングなどの作品も展示してあります。
「横たわる人体」「母と子」というテーマはムアが生涯,探求したテーマということです。もっとも,「横たわる人体」のテーマの中には「赤い映像の上の黒」のように既に抽象画となっており,人体とは縁遠くなっているものもありましたが。

印象に残りましたのは,ヘルメット・ヘッドの彫刻(ブロンズ)です。菅野美術館から出展されたものだそうです。このほか,母と子(ルーベンス風)の彫刻(ブリジストン美術館所蔵品)もよかったです。聖母子像のテーマを用いた彫刻でした。また,ストーン・ヘンジのリトグラフも面白かったです。



Dining&Bar ONE

2010年10月24日 | 食道楽
久しぶりに曙橋のOneでランチを取りました。
日替わりのランチがお手頃な値段でいただけ,なおかつ,サラダ,スープ,ドリンクまで自由に取ることができます。
サラダもおいしかったので,2回もとりにいってしまいました。
ランチタイムは余り広いとはいえない店内に,多くの客が来ていました。
近くの東京女子医大の関係者や中央大学法科大学院のロースクール生と思わしき客も来ていまして,この界隈は意外に(というのも失礼ですが)アカデミックな雰囲気があると再認識しました。

旭寿司(オペラシティ・新宿区西新宿3丁目)

2010年10月22日 | 食道楽
オペラ終演後にオペラシティ2階の旭寿司でにぎりをいただきました。

以前は53階の方で食べましたが,今回はあまり食欲がなかったものですから,2階の広場に面した方の店でいただきました。
お寿司だけなので,さっと食べ終わりますが,そこそこ量はありますし,53階店で食べたときは何故か握り方をゆるめに押さえてありましたが,今回はきっちりと握ってあり,おいしくいただくことができました。

丸亀製麺(オペラシティ・新宿区西新宿3丁目)

2010年10月21日 | 食道楽
新国立劇場でオペラを見る前にオペラシティ内にある丸亀製麺で,ぶっかけおろしうどんをいただきました。大盛りにして,ちくわの天ぷらとおにぎりつきです。
うどんにコシがあってとてもおいしいです。天ぷらやおにぎりを食べるのではなく,さらにうどんを食べたくなります。おいしいうどんですので,ぶっかけおろしか釜揚げのようなシンプルな形で食べるのがいいかと思います。
自分としては,以前に高松に出張した際に食べたのにも劣らないほどコシのあっておいしいうどんだと思います。

オペラの前は胃に負担をかけたくないので,これからはこちらで食事をしたいと思います。

フィガロの結婚(新国立劇場・渋谷区本町)

2010年10月20日 | オペラ道楽
新国立劇場で「フィガロの結婚」を見ました。
2003年に上演されたオペラの再度の上演です。その時は見ることができなかったので,今回見ました。といっても歌手の構成は皆変わっているようです。

舞台は「ニーベルングの指輪」の際にもあったような,直方体の内部を覗き込むような形のセットであり,その中に無数の白い引越用の段ボール箱のようなものが置かれており,そこにLondonなどと印刷されています。そして,ケルビーノが飛び降りて逃走する場面では梯子も出てきます。
非常にシンプルな舞台での演出で,私の好きな形での演出となっています。最後には,皆衣装が真っ白でシンプルな衣装となり,男女の区別も貴族と平民の区別もなくなり,一見すると誰が誰だか分からなくなってしまいますが,それが演出の一つなのだそうです。

綺麗な歌を聴きながら,ドタバタ劇を素直に楽しめるオペラです。やはり,伯爵のオバカなところを笑い飛ばすことができるオペラで,やはり貴族をコケにしているといえると思います。

終演後,年配の女性4,5人の集団の方が,よかったけれど,ちょっと品がなかったかしらと言っておられました。これは,第3幕目で伯爵がバルバリーナ(庭師アントニオの娘で,ケルビーノとの結婚を希望する娘)とひとしきり楽しんだ後,そのまま第4幕最初のバルバリーナの「なくしてっしまったの。」の歌に入ることを指していたのかなと思います(第3幕と第4幕の間に休憩はありません。)。これを聞けば,なくしてしまったのが手紙のピンではなくて,バルバリーナの別のもの?(古風な言い方であれば「大切なもの」?)との想像を膨らませてしまいます。
しかし,「フィガロの結婚」自体,領主権,否,もっと端的な表現を使えば初夜権が根底にあるドタバタ劇なので,こうした演出も当然ありだと思いますし,内容からしてこのオペラに品を求める方が無理かなと思います。
因みに私がプラハで見たアングラオペラ(正式のオペラ座での講演ではなく,プルタバ河のほとりの小さなアングラ劇場で,オケがとても簡素でした。)などでは,第4幕があがるとバルバリーナが全裸でバスタブから後ろ向きに立ち上がり,観客の方を振り返りつつ,「なくしてしまったの。」の歌を歌っていたくらいです(この演出では,なくしてしまったのがピンでないことはもう誰の目にも明らかです。)。


閑話休題。さてさて,今回の新国立のフィガロの結婚では,いつものように日本人歌手が海外勢に負けないくらい頑張っていました。







ベルリンのカレーソーセージ

2010年10月19日 | ドイツ語
これもDeutsche Welleのeuromaxxからの情報です。
今年の9月にPetra Bodenという女性がDie Berliner Curry Wurst(ベルリンのカレーソーセージ)という本を書いたのだそうです。
カレーソーセージが初めて売られたのは1949年のようですが,どこであるかは争いもあります。いずれにせよ,現在ではベルリンを代表するファーストフードで,ベルリンでは莫大な量が消費されています。
Herta Heuwerという人はカレーソーセージのレシピで特許まで取ったそうですし,2009年にはカレーソーセージ博物館(Das Deutsche Currywurst Museum)
まで作られています。
Euromaxxの番組の中ではクロイツベルクにあるCurrywurst36が紹介されていました。昔,相方の勧めで出かけた店です。パリから来た観光客が,パリで観光ガイドブックで読んで,この店が一番美味しいと聞いてきたが,実際にとてもおいしいと感想を述べていました。

相方と食べたcurry36のカレーソーセージ


アラベッラ(新国立劇場・渋谷区本町)

2010年10月18日 | オペラ道楽
新国立劇場にリヒャルト・シュトラウスのアラベッラを見に行きました。
2010/2011のシーズン第一弾となります今回の演目は,またリヒャルト・シュトラウス+ホフマンスタールの組み合わせのオペラです。
前にも同じことを書いたかもしれませんが,ウィーンのオペラ座が好きそうな演目を次々と日本でも見られるようになったことは有り難いことです。

さて,「アラベッラ」は,賭け事に夢中で破産してしまった伯爵ヴァルトナー(大河ドラマの「龍馬伝」に出てくる,とある登場人物のようです。)の娘アラベッラと地方貴族で資産家のマンドリカとの結婚の物語です。ヴァルトナーが金策に困って,娘のアラベッラを旧知の友人と結婚させようとしたところ,友人は既になくなっていて,その甥のマンドリカがあってきて,アラベッラとズデンカは相思相愛に陥ります。といってしまえば,順調にことが進むはずなのですが,実際にはアラベッラに執心でストーカーのつきまとう粘着質のマッテオやそんな気味の悪いマッテオのことを何故か好きになってしまうズデンカという名前のアラベッラの妹が登場して,2人の結婚をかき乱していきます。しかもズデンカは家の貧しさから女性として育てられることもなく,男の子の身なりをさせられていて,マッテオもズデンカのことを女性とは知らなくてというような事情もあります。さらにアラベッラのことを口説こうとする別の3人組や歌姫ミッリ等の登場人物も出てきます。
オペラのタイトルは「アラベッラ」ですが,そのストーリーの中心になっているのはむしろ妹ズデンカです。ズデンカは取り返しがつかなくなる直前の最後の最後に自分が女性であること,姉アラベッラを装ってマッテオと通じたことを明らかにします。そしてアラベッラはズデンカも自分の貞節を疑ったマンドリカのことも許します。

舞台の中心には,映画「タイタニック」に出てくるような階段が設置されています。そういえばアラベッラの衣装も青でした。このほか,窓ガラスの外の雪の降る景色がうまく演出されていることも印象的でした。
このオペラの衣装は森英恵さんが担当したとのことです。

そもそものストーリーにやや無理があることは否めませんが,十分に楽しむことができました。第1幕目のアラベッラとズデンカの歌など良かったのですが,第一幕は舞台の変化が乏しかったのが少しだけ残念でした。



フランダースの光(渋谷東急bunkamura・渋谷区道玄坂)

2010年10月17日 | 美術道楽
渋谷bunkamuraで開催中の「フランダースの光」という美術展に行きました。
フランダース地方の小さな村シント・マルテンス・ラーテムに移り住んだ画家達の絵です。
この町は日本ではいうと軽井沢のような町だと言うことです。

印象派のような絵から,第一次世界大戦に従軍した後帰ってきた画家の,ドイツ表現主義やキュビズムに影響を受けた絵までいろいろ楽しむことができて良かったです。スメットの絵は第一次世界大戦前の印象派風の絵から戦後には大きく変容していることも分かりました。
日本からの留学生児島寅次郎や太田喜二郎の絵も興味深かったですし,ミンヌの彫刻作品も多く展示してあり,楽しむことができました。

レベッカホルン,高松宮殿下記念世界文化賞彫刻部門で受賞

2010年10月16日 | 美術道楽
ドイツの現代芸術家レベッカ・ホルンが高松宮殿下記念世界文化賞の彫刻部門で受賞し,10月13日に明治記念館で授賞式が開催されました。ホルン氏は記者会見で「本当に名誉なこと。毎年のように日本に来るたび,インスピレーションをたくさん得ています」と喜びを述べたとのことです。

関連記事
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/101012/acd1010121733001-n1.htm

レベッカ・ホルン氏について

http://sankei.jp.msn.com/culture/arts/100915/art1009150759006-n1.htm

ドイツの国際放送Deutche Welleの番組euromaxxでもレベッカ・ホルンのことが取り上げられました。
その番組によりますとレベッカ・ホルンは,2004年に建設されたベルリンの教会の中に大きな円形の鏡をおいて光と鏡で装飾をしているそうです。このほかにも月の光のイメージで空間を装飾した作品があるそうです。

昨年後半から今年初めには東京都現代美術館で回顧展も開催されましたが,その際には動く彫刻(オブジェという方が正確かも知れません。)が多数展示されました。鍵盤が飛び出すピアノ,黒い羽が重なって動くもの等々です。そのほかにも映像作品が多数紹介され,その中では,聴診器を持って家の壁を聞きまわるような変なおじさんも登場すれば,黒い太い鞭をもって振り回す女性(チャップリンの娘が演じている。)も登場するなど(それぞれ別の作品のことです。),とても不思議な映像でした。

レベッカ・ホルンさんの今後のますますの活躍が期待されるところです。