道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

ホテルモントレ横浜内のエスカーレ

2014年07月30日 | 食道楽
昨年のワイマール、ライプツィヒ、ベルリン旅行の際にホテルズドットコムを利用したことから、1泊分無料で宿泊することができるというので、ホテルモントレ横浜に宿泊しました。

ヨコハマトリエンナーレは8月1日からなので、開幕前です。
暑いので、ホテルで窓からの景色を楽しみながらゆったりと宿泊しました。

夜はホテル内のレストラン「エスカーレ」で食べました。
ワンドリンクサービスが付いて、コースをいただいて5000円ととてもお得です。
しかも、上品なおいしさでとてもおいしくいただきました。
写真には撮っておりませんが、パンも焼きたてのパンで、しかも違う種類のパンが出てきて、とてもおいしくいただきました(特に魚料理の皿のオマール海老のソースがおいしく、焼きたてのライ麦のパンにつけて皿を綺麗に平らげました。)。
接客の方もホスピタリティーの良さを感じることができました。

ドイツに出かけることはできませんが、横浜に出かけてホテルの快適さと食事のおいしさにとても癒されました。



















ホテルの入り口のイルミネーション。クリスマスのようです。








メトロポリタン美術館展・古代エジプト展・女王と女神展

2014年07月29日 | 美術道楽
東京都美術館で開催中の「メトロポリタン美術館展・古代エジプト展・女王と女神展を見に行きました。

夏休みの時期にエジプト展と来れば、子どもの夏休みの宿題=当然大混雑と心配して金曜日の夜に出かけたのですが、意外に混雑していません。といいますか、むしろかなり空いており、光を落とした照明のもとゆったりと落ち着いて見ることができました。

日本ではいつも人気の古代エジプト関連の展示ですが、今回は「女王と女神」と題して、ハトシェプスト女王(女性としてのファラオ)やネフェルティティ(アケン・アテン王の王妃)が中心でした。
ハトシェプスト女王の葬祭殿は模型もおかれていました。私もここには30年近く前に訪れたことがあります。その後、銃撃事件も起きましたが、外国人の観光客は回復しているのでしょうか?

ネフェルティティの方は、何せ像がベルリンの博物館島の新美術館にあるので、今回の展示だけではイメージがわきにくいのですが、ベルリンで見たネフェルティティの像など思い出しながら興味深く見ました。

このほかハトホルをはじめ女神の話も随分とありました。

それにしても、ハトシェプスト女王の像にしても男性として作られた像であれば、普通そこで男性のファラオと思うだけなのに、そこに刻まれた文字のお陰で女王とわかり、女王が男性のファラオにかたどられて作られていることが分かるなどという話を聞いておりますと、いかにロゼッタストーンというものが考古学にとって貴重なものであったのか分かります。





おまけ(この展覧会の展示ではありません)

かつてベルリンの旧博物館(現在は新博物館に所蔵されており、写真撮影も不可のはず。)で展示されていたネフェルティティ


ボストン美術館・華麗なるジャポニズム展(世田谷美術館)

2014年07月28日 | 美術道楽
世田谷美術館で開催中のボストン美術館・華麗なるジャポニズム展に行きました。

浮世絵をはじめとする日本の作品介しつつ、あわせてそこから影響を受けた印象派をはじめとする西洋絵画も紹介するという内容です。
ポスターにもなっているモネの《ラ・ジャポネーズ》をはじめ、同じモネの《睡蓮》《積みわら》、《トルーヴィルの海岸》、ルノワールの《花飾りのある帽子》、ドガの《カフェ・アンバサドゥールのベカ嬢》、ロートレックの《騎手》、《レスタンプ》、ゴッホの《子守歌、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》、ムンクの《夏の夜の夢》、ヴァロットンの《にわか雨》などが展示されていました。ほかにもドニ、ヴィヤール、ジェームズ・アンソール、マティス、シニャックなどの作品もありました。

浮世絵からの影響を受けた西洋の絵画がこれだけ多いといことに改めて驚かされましたが、それでも私が重点を置いてみる絵は西洋絵画の方でした。

この美術展、私が訪れた時は特別だったのかも知れませんが、大変な混雑です。しかも、割と高齢の方ばかりという印象をうけました。「美術館内では小声で話をしましょう。」という張り紙を見つけた時は笑ってしまいそうになりましたが、実際、美術館内に入って余りの騒音に、なるほど必要な張り紙だったかと納得しました。
大変な混雑ではありましたが、人気は浮世絵の方でしたので、モネをはじめとする西洋絵画はゆったりと見ることができました。





所蔵資料展 新宿区ができたころ(新宿歴史博物館)

2014年07月27日 | 美術道楽
新宿歴史博物館で開催中の「新宿区ができたころ」と題する資料展に行きました。

戦前にあった牛込區、四谷區、淀橋區の3区は1947年に統合し、新たに新宿区となりました。この資料展ではそのころの写真が展示されています。
歌舞伎町は、昔は住宅地であり、戦争中に空襲にあってボロボロの状態になり、本当に歌舞伎座を誘致しようとしたものの、頓挫して、今日のような歓楽街になったことなど知りました。
昔の地図なども興味深く見ました。


現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展―ヤゲオ財団コレクションより(東京国立近代美術館)

2014年07月24日 | 美術道楽
東京国立近代美術館で開催中の「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展」という、意味不明のタイトルの美術展に行きました。
台湾のヤゲオ財団というところのコレクション展です。
この意味不明のタイトル、それとポスターに用いられている金ピカの雑伎団のような女性の像(しかも股間の方が前を向いているものもあります)を見ると、とても行く気がおきません。
このタイトルとポスターだけでは誰も足を運ばないでしょう。


ところが、この美術展、道楽ねずみことねずみのFredelickを狂喜させるような素晴らしい展示だったのです。


最初は、リキテンシュタインやアンディ・ウォーホルの作品(ウォーホルの自画像やジャッキーことジャックリーヌ夫人の肖像画)から始まり、中国の現代アートも展示されます。そして、さらに進みますとマーク・ロスコの《無題》、ゲルハルト・リヒターの《叔母マリアンネ》、《リズ・ケルテルデの肖像》、《毛沢東》、《横たわる裸体》、《抽象絵画》、《川》、アンドレアス・グルスキーの《メーデーⅣ》、《V&R》、ゲオルグ・バゼリッツの《イゴール》、《オレンジを食べる人々Ⅱ》など私の大好きな作家の作品の展示が続きます。また私の好きな作品ではありませんがフランシス・ベーコンの作品《教皇のための習作Ⅵ》まであります。
リヒターはフォトペインティングの手法のものもあればアブストラクトビルダー(抽象絵画)の手法のものもあります。
ロスコとリヒター、バゼリッツとキーファーがそれぞれ同じ部屋に展示されておりまして、これらの部屋など1分1秒でも長く留まっていたいという気持ちになります。

今回その中でも特にいいと思ったのが、アンゼルム・キーファーの作品2点です。
1点目は《君の金色の髪マルガレーテ》です。これはパウル・ツェランの「死のフーガ」から着想を得たものだそうです。「死のフーガ」から着想を得たという点で共通する「ケシと記憶」は以前にベルリンのHamburger Bahhof Museum(2009年初めには旧博物館に展示されていましたが。)で見たことがありましたが、今回思いがけずキーファーの「死のフーガ」関連の作品を見まして感激です。
もう1点目は《マイスタージンガー》です。こちらはニュルンベルグのマイスタージンガーをテーマにした作品です。こちらの作品も素晴らしく、その前で立ち尽くしてしまいしました。キャンバスの上には藁が貼り付けられており、それで歌手を表しているとうことなのですが、作品の大きさと藁という素材から保管も難しく、なかなかこのような作品は買い手がないとのこと。ワーグナーの楽劇「ニュルンベルグのマイスタージンガー」のMorgenlich leuchtend im rosigen Scheinから始まる歌やFanget anで始まる歌など思い出しながら、時間の経つのを忘れてみました。


今年の夏は療養とそのような状態であるにもかかわらず仕上げなければならない仕事のため、ドイツには行けませんが、この展覧会に行けばで、嫌なことも忘れて、作品の世界にのめり込むことができそうです。素晴らしい展覧会なので、何度でも出かけようと思います。展示期間中毎日通いたいくらいで、入場券の定期券が欲しくなりました。


この展覧会ですが、面白い試みがあります。ゲームなのですが、訪問者に最後に50億円手持ち資金があるとして、どの作品を買うのかというゲームをさせるのです。予算内でうまく使い切れるかどうかの腕が試されます。私は、最初自分のお気に入りの作品を3点選んで(注:5点まで選べます。)、それでStopとしましたところ20億以上も余ってしまいました。そこで、今度は余り気の乗らない有名作品を入れたところ今度は30億くらい大幅な予算超過となりました。さらに別の日に訪問したときに、かなり選択肢を替えましたが、今度も10億円の予算オーバーとなりました(注:本当は何度もチャレンジするのは反則と思われます。)。なかなか難しいものです。

なお、この展覧会は名古屋、広島、京都でも開催されますので、西日本にお住まいの方も東京まで来られなくてもご覧になることができます。




山鹿素行の墓(宗参寺)

2014年07月23日 | 衒学道楽
最近よく足を運ぶ新宿区弁天町が、宗参寺にある弁天堂が起源であることを知りました。
そして宗参寺のことを調べていましたら、そこに山鹿素行の墓があることを知りました。

山鹿素行は,陸奥国出身で,江戸で林羅山のもとで朱子学を学んだものの,後に朱子学を批判したことから播磨国赤穂藩へお預けの身となり、そこで赤穂藩士の教育を行い、後に吉良邸に討ち入りをすることになる国家老大石良雄もその門弟の一人となったそうです。その後,山鹿素行は許されて江戸へ戻ったそうですが、その考えは後代の吉田松陰などに影響を与えているといわれています(以上wikiによる)。

山鹿素行は赤穂事件のお陰で有名になっているところもあります。
しかし、その思想は、日本を「中朝」と呼び、中華ならぬ中朝を世界の中心と考えるかのような特異な思想であり(要するに強烈な中華コンプレックスへの裏返し。)、この思想こそが幕末の攘夷の思想につながり、さらには明治以降に自国を特別な存在としてアジア近隣諸国に侵略を繰り返す精神的支柱となってくるもので、とても手放しで肯定することはできません。

それはともかくとして、今までにも京都に住んでおりました時は、嵐山の二尊院にある伊藤仁斎・東涯親子の墓を見に行ったこともありますし、いろいろ日本の思想家の墓を訪ねて回りたくなりました。












デュフィ展再び

2014年07月22日 | 美術道楽
相方ねずみの持つねずみ属のネットワークでデュフィ展のチケットをもう1枚入手することができましたので、再度デュフィ展に行きました。

展示替えで後期は7月3日以降と聞いていたのですが、パッとみたところ前期と大きな差はないように見えました。
しかし見ていきますと,「動物詩集あるいはオルフェウスとそのお供たち」のコーナーに
la sourisという文字を発見。
我々ねずみ属の仲間であるハツカネズミが描かれた木版画がありました。これは前期にはなかったもののはずです。この版画は群馬県立館林美術館から来たものということです。シロクマのポンポン、間違えましたこれではシロクマの名前がポンポンみたいです、フランソワ・ポンポン作のシロクマで有名な美術館です。

このほか島根県立石見美術館(グラントワ)からの展示も大幅に展示替えになっていました。

前期と同様に「電気の精」、「ニースの窓辺」などよい作品を楽しむことができました。


ニースの窓辺のある島根県立美術館







群馬県立館林美術館
ハンス・アルプ展の時の写真




島根県立石見美術館




ストラスブール近現代美術館からの展示も展示替えがありましたが、こちらは写真がありません。ストラスブールの運河の景色です。
因みにストラスブール近現代美術館はジャン・アルプ(ハンス・アルプ)広場1番地という住所のようです。






鰻割烹伊豆榮(台東区上野)

2014年07月21日 | 食道楽
上野の東京国立博物館で台北國立故宮院展を見た後は、不忍池のほとりの鰻割烹伊豆榮で鰻御前をいただきました。
今年前半期、数々の出来事に見舞われたねずみ属の慰労会or反省会or残念会というところでしょうか。

伊豆榮の鰻は、きちんと待って焼いてもらうととてもおいしいので、鰻御前にして他のものも食べながら、鰻重をいただきました。やはり待った甲斐がありました(他の店もそうですが、鰻はその場で焼いてもらうのと焼き上がったものを出してもらうのとではどうしてこうも味が違うのかと思います。)。

鰻を食べて精力を付け、困難な状況にも立ち向かいたいと思います。












特別展「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」

2014年07月20日 | 美術道楽
思いがけないことがいろいろ起こり、気力がわかずにブログの更新ができませんでしたが、ようやく最近になって、少し気持ちの整理も付き始めました。

上野の東京国立博物館で開催中の台北国立故宮博物院展に行きました。
既に白菜だけを見るために2回通いましたが、白菜は帰ったので、それ以外の展示物を見ました。

最後に展示してある白と黒の合わさった素材で造った人と熊の彫像などとても精緻にできており感心します。
しかし展示されているのは工芸品だけではありません。
宋の徽宗、清の乾隆帝のコレクションなどをはじめとして、書画、青磁、刺繍、漆器などありとあらゆるコレクションが来ていました。


特に書は、王義之の書もあれば、孫過庭の「草書書譜巻」、黄庭堅の「草書花気詩帖頁」など非常に充実しています(私自身は王羲之くらいしか分からないのですが、孫過庭は役人として不遇であったが、書の面で活躍したようです。)。
特に私の興味をひきましたのは、四庫全書や永楽大典です。大昔歴史の教科書で学んだものを実際に見ることができ感激です。

また、雍正帝による朱批奏摺も、これなのかと得心した次第です。清時代の地方官の一部には皇帝に直接奏上する権限が付与されていたのだそうですが、その奏上に皇帝が朱筆で直接に指示した文書が朱批奏摺というのだそうです。雍正帝は片時も政務を離れず、臣下からの奏上に逐一指示をしていたと聞いたことがありましたが、それがこの朱批奏摺なのかと初めて知った次第です(もっとも、奏上などというのは悪用の危険もあり、戦前の日本では軍部の一部に帷幄上奏権が付与された結果、甚だしく濫用されて政治を大きく歪めてしましまったところですが。)。

台湾国立故宮博物院展はアジアでは初めての開催とのことです。
興味深い展示が沢山ありますので、展示替えのされる8月5日以降にまた出かけたいものです。



オルセー美術館展(国立新美術館)

2014年07月13日 | 美術道楽
国立新美術館で開催中のオルセー美術館展に行って参りました。
マネの「笛を吹く少年」のポスターで宣伝している美術展です。

オルセー美術館展と題する展覧会は今まで何度も開催されています。ルーブル美術館展もそうですが、いいものもありますが、外れのものもあるような気がします。
最近では2010年の「ポスト印象派」をテーマにしたものや2006年に神戸市立博物館で見たものがよかったけれど、今回はどうかと期待半分、不安半分で行きました。

行って見た結果、今回の展覧会もかなりいいということが分かりました。
マネの「笛を吹く少年」が何といっても著名な絵ですが、他にもセザンヌの「首つりの家」、モネの「サン・ラザール駅」、ミレーの「晩鐘」やカイユボットの「床に鉋をかける人々」、カバネルの「ヴィーナスの誕生」(こちらは印象派の対極の絵として有名です。)など日本でも知られている絵が来ていました。バジールの「バジールのアトリエ、ラ・コンダミンヌ通り」などもどこかで見たことのある絵です。

これらの有名な絵もさることながら、他に名画が沢山あります。
例えば私の一押しの絵画は、クールベの「市から帰るフラジェの農民たち」です。私は、犬の描かれたこの垢抜けない農民の絵を見て、すぐに「オルナンの埋葬」を思い出しました。テーマといい、共通のものを感じます。音声ガイドによれば、この農民達の絵は「オルナンの埋葬」とほぼ同時期に作成され、一緒に落選した作品とか。オルセーはさすがにあの巨大で、著名な「オルナンの埋葬」を貸してくれることはないのでしょうが、その代わりにこの農民の絵を貸してくれたようです。
また、「草上の昼食」もマネの絵が著名ですが、それを貸すことはあり得ないかも知れませんが、代わりにモネの「草上の昼食」を貸してくれています。
このように、オルセー美術館が貸し出してくれないような絵でも、その絵と共通の要素を含んだ絵を貸し出してくれているので、本場のオルセーの雰囲気を感じることができます。私としては、美術展で主催者側のこういう努力を非常に重視するのですが(すみません上から目線のような物言いになりました。)、今回のオルセー美術館展はその意味でよく頑張ってくれました、本当に有り難うございましたと言いたくなります。

今回の美術展、マネに始まってマネで終わるという構成で、最後にまたマネの絵が展示されています。最後の方に飾られているマネの「アスパラガス」の絵は、絵自体もその制作のエピソードもとても興味深く思われました。

また、あと最低2回はオルセー美術館展に行く予定です。


(余談)
 以前、フェルメール展(ただし,「真珠の耳飾りの少女」はなかった。)が開催されていたのと同じ時に森村泰昌の展覧会があり、そこでは,「真珠の耳飾りの少女」に扮した森村の写真も展示されていたことがありました。今回「笛を吹く少年」が日本に来たのにあわせて、森村の「笛を吹く少年」を展示してくれないかなと思いました。パンツをはいていない姿で映っている作品です。

薬王寺・柳町七夕祭り

2014年07月12日 | 日常の道楽
今年も7月6日に薬王寺・柳町七夕祭りが開催されました。
外苑東通り沿いの市谷仲之町交差点から牛込柳町交差点までの間で出店が出たり、また、サンバカーニバルが披露されたりします。

最近このあたりには続々とマンションが建ち、住宅地というイメージが強くなっていますが、この時期だけはとても賑やかになります。不思議とサンバカーニバルの時間になると、それまで大して人もいなかったのに、急に外苑東通りが大変な混雑になります。

今年も写真を撮りました。
Sigma 24-105mm F4 DG OS HSM+Eos 7Dには今回も活躍してもらいました。
レンズがいいせいか、躍動感とボケがうまい具合で出てくれるような気がします(まだまだ、改善の余地が大きいのですが。)。





このサンバカーニバルの撮影をもって、Canon Eos 7Dには引退してもらうことになりました。
これからは5DMarkⅢに活躍してもらうことになります。



オランダ・ハーグ展(損保ジャパン東郷青児美術館)

2014年07月06日 | 美術道楽
先月29日までの期間でありましたが、西新宿の損保ジャパン東郷青児美術館で、オランダ・ハーグ展が開催されていました。

まずは、企画の趣旨です。
(引用はじめ)19世紀後半のオランダで、ポスト印象主義の画家ゴッホが「大物(マストドン)」とよんだ画家たちがいました。彼らは活動の拠点であった都市の名にちなんで「ハーグ派」とよばれていました。本展覧会はこのハーグ派に焦点をあてた日本で最初の展覧会です。ハーグ派はフランスのバルビゾン派の影響を受けながら、17世紀オランダ黄金時代の絵画を再評価し、屋外における自然観察を基盤として風車や運河、海景や船といったオランダならではの風景、漁業や農業に従事する人たち、室内など身近でありふれた光景を、透明感のある繊細な光とともに描きました。本展覧会ではオランダのハーグ市立美術館の所蔵作品を中心に、ハーグ派の作品だけでなく、クレラー=ミュラー美術館、ならびに国内に所蔵されているバルビゾン派の作品、そしてハーグ派の影響を受けたゴッホと抽象画家ピート・モンドリアンの初期作品もあわせてご紹介いたします。(引用終わり)

ハーグ市立美術館のコレクションが展示の大半です。その展示は、ハーグ派に影響を与えた画家から始まります。コロー、ミレー、クールベ、ドービニーなどの作品も展示されていました。
そしてハーグ派ですが、ほとんど風景画です。水辺の景色が多く、ほかには牧草地など家畜のいる景色や当然のことながら水車の絵も多かったようです。
いろいろ見て、いいと思うのですが、どうしても風景画だとその場でいいと思ってもすぐに忘却の彼方に消えてしまうのが悲しいところです。

特に良かったのは、最後のゴッホとモンドリアンのコーナーでしたが、モンドリアンの絵画は抽象画ではありませんでした。抽象画になる前のモンドリアンを見られたことは良かったのですが、やはり抽象画の方を見たいとも思いました。

台北国立故宮博物院展(東京国立博物館)

2014年07月02日 | 美術道楽
白菜見ました。
今、噂でもちきりの白菜です。
白菜がとても貴重なものと思われるなんて、戦争中から戦争直後の食糧難の時代のようですが、食べる白菜ではありません。翡翠で白菜の形をかたどった工芸品「翠玉白菜」のことです。
実は、東京国立博物館で開催中の「台湾国立故宮博物院展」で、この博物館の人気のコレクション「翠玉白菜」が6/24から7/7までの期間限定で展示されています。
この「台湾国立故宮博物院展」は東京国立博物館の平成館で開催中ですが、「翠玉白菜」のみは本館で公開されています。毎日夜8時まで公開されており、連日、長蛇の列です。その余りの混雑状況は逐次、Twitterでも公表されていますが、3時間から4時間待ちというのがザラのようです。
私は、平日の夜の閉館間際に駆け込んで、白菜のみをみたので、30分程度で見ることができました。
翡翠で丁寧に仕上げており、透き通るような透明感が印象的です。ただ、最前列で見るには歩いて1周するだけなので、あっという間に終わってしまいます。白菜の透明感に見とれていましたら、白菜の上に止まっている虫(キリギリス)の様子をよく観察することができないまま終わってしまい、その後、後ろで見ましたが、人だかりもありましたし、遠くてカマキリはよく見えませんでした。
私が行ったときは、韓国人のグループも見に来ており、台湾にわたった故宮の名品を日本に貸し出してもらい、韓国人も見に来るというまさしくアジアの国際化を象徴するような光景が呈されていました。

さて、無駄話が多くなりましたが、この白菜は、清朝の光緒帝に嫁いだ端康皇貴妃(瑾妃)の嫁入り道具とのことです。白菜の白が純潔を、虫が多産を象徴しているのだとか。この妃も西太后の怒りに触れたり、夫が毒殺されたり(といわれている)、辛亥革命が起きたりと苦労したのだと思いますが、この白菜を持って後宮に入ったときはどのような気持ちだったのかな等と考えながら見ました。

この展覧会実はまだ白菜しか見ていません。
日を改めて、それ以外の展示物を見に行きます。

なお、この展覧会は福岡の九州国立博物館にも巡回します。
そこでは、また東京での開催とは違う展示物が多数来るようです。
残念ながら白菜は帰りますが、代わりに白菜と同様に人気の高い「豚の角煮」が来るようです。

秋には福岡に行ってもいいかなと思います。