道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

信州高遠の桜

2014年04月30日 | 風流道楽
桜のシーズンなどとっくに終わってしまいましたが、2年前に信州高遠の桜を相方ねずみと一緒に見に行った時の写真が出てきました。

何といっても道路が信じ難いほど混雑するところなので、早朝に出かけてさっと帰りました。
早朝の時間帯の写真なので、桜も空もあまり色が映えていません。

ところで、信州高遠の桜は赤い色が濃いと言われており、その理由も武士が切腹をするからだと聞きました。



ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美術館華麗なるコレクション展(渋谷Bunkamura)

2014年04月29日 | 美術道楽
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「ボルディ・ペッツォーリ美術館展」に行きました。
ミラノの貴族の邸宅を改装した美術館ということです。

HPから企画の趣旨の抜粋です。
(引用初め)スカラ座やドゥオーモにほど近いミラノの中心地にあるポルディ・ペッツォーリ美術館は、ヨーロッパで最も優雅な邸宅美術館といわれています。
 ジャン・ジャコモ・ポルディ・ペッツォーリは1822年7月27日、ミラノに生まれました。1846年、24歳の若さで、彼は先祖代々の素晴らしい財産を受け継ぎます。それらはパルマの名門ポルディ家出身の祖父と、ベルガモの名門ペッツォーリ家出身の祖母の財産、そして父が結婚したミラノ有数の貴族トゥリヴルツィオ家の財産を加えた、莫大にして華麗なるコレクションでした。
 ジャン・ジャコモは、この恵まれた環境で育まれた審美眼によって自らも蒐集を始め、武具や宝石、タペストリー、そして絵画へとコレクションは拡大していきました。1879年4月6日、ジャン・ジャコモはおそらく心臓発作が原因で彼の書斎で亡くなりました。彼の遺言には「全ての美術コレクションは永久公開されるものとする」とあり、1881年4月25日に邸宅は美術館として公開されることとなりました。第二次世界大戦下、爆撃による被害を受けながらも美術館は常に彼の嗜好を踏まえながら再建され、複数の個人・団体からの寄贈でそのコレクションは発展し続けています。ポルディ・ペッツォーリ家の美意識の系譜は、今なおミラノの人々によって受け継がれているのです。
 現在、ポルディ・ペッツォーリ美術館はミラノを州都とするロンバルディアをはじめ、フィレンツェやシエナを中心とするトスカーナなど、ルネサンスから近代まで300点以上の絵画コレクションを誇るまでとなりました。本展覧会では、美術館の代名詞ともいわれるピエロ・デル・ポッライウォーロの《貴婦人の肖像》 をはじめ、ジャン・ジャコモが亡くなる数日前に購入したとされるボッティチェッリの《キリストの哀悼》、ラファエッロ(帰属)の《フランチェスコ会の聖人が描かれた行列用十字架》などの絵画をはじめ、武具、工芸、蔵書など貴族の美意識あふれるコレクションの数々約80点を日本で初めて公開いたします。(引用終わり)

 絵画に限らず、武具のコレクションや卓上時計、脚付きの酒杯、騎士道物語が描かれたタペストリーなど様々な作品があります。
絵画での見所はなんといってもポスターにもなっている
ピエロ・デル・ポッライウォーロの「貴婦人の肖像」やボッティチェッリ「死せるキリストへの哀悼」(サボナローラの登場以降に描かれた絵)、パルマ・イル・ベッキオ「ラ・コルティジャーナ」といったところでしょうか。このほか、初期のラファエロ作という説もある「フランチェスコ会派聖人たちが描かれた宗教行列用十字架」という作品もありましたが、真実、ラファエロ作でしたら、とても貴重な作品でしょう。

実は私はまだミラノを旅行したことがないので、是非、心身の自由がきく間にミラノに行ってみたいと思いました。

アンディ・ウォーホール展 永遠の15分(六本木・森美術館)

2014年04月28日 | 美術道楽
六本木の森美術館で開催中の「アンディ・ウォーホール展」に行きました。

ウォーホルの作品だけではなく、彼の歴史、自画像、シルバー・ファクトリーと呼ばれる工房など多面的にウォーホルの活動の分かる美術館です。
ウォーホルの自画像というのは今まで見たことがなく、これを見てしまうとウォーホルのカリスマ性がなくなってしまうようで、何か不思議な感じがしました。
おきまりのキャンベル缶スープや、電気椅子の作品、それからジャッキー(故ケネディ大統領夫人のジャックリーヌ夫人)、エルビス・プレスリー、マリリン・モンローの作品なども見ました。マリリン・モンローの絵は、目や鼻の描かれていない、個人蔵のものが興味深く思われました。

毛沢東の絵もいつものようにあります。正直何で毛沢東なんだろう、文化大革命のことを考えれば趣味はよくないとずっと思っていたのですが、あの時代キャンベル缶スープと同じくらいどこにでもある肖像画は毛沢東しかなかったのだと言われると妙に納得しました。

注文肖像画の作品も、坂本龍一やキミコ・パワーズなど様々な人のものがありました。誰でも一定の金額を支払えば、ウォーホルから注文肖像画を描いてもらえたわけです。

「ダブルの5ドル」や「人体」などは今まで知らなかったウォーホルの作風が出ていてとても興味深かったです。これらの作品の前にはしばらく立ちつくしました。
またシルバー・ファクトリーの空間はとても興味深く、こんな空間でウォーホルが制作に取り組んでいたのだということを感じることができました。

ほかにもスタッフに銅版の上に小便をかけてもらい、その化学反応で作った作品など大いに注目されていました。
このほか我々ねずみ属にとりましては、ウォーホルが別のアーチストとコラボで作ったねずみの絵(ジャン=ミシェル・バスキア、アンディ・ウォーホル「コラボレーション(子年、ロデント)」)やミッキーマウスの絵も気になったところです。

昔ウォーホルが日本のCMにまで出ていたということを知ったときは、正直、バブル時代の金満日本の傲岸さの方に呆れてしまいました。

個々の作品として秀逸のものが沢山見られるかといいますと、昨年の国立新美術館のキミコ・パワーズのコレクションの方がすごかったような気もしますが、多彩なウォーホルの活動を知ることができて興味が尽きません。既に2回行きましたが、閉幕までにもう一度行きたいところです。

ウォーホルのBMWアートカー

新宿御苑のサツキ

2014年04月27日 | 風流道楽
休養のために新宿御苑に行きました。
ちょうどサツキの綺麗な時期です。
つつじとサツキが一緒になって咲いている丘がありますので、そこを見ました。
冒頭の写真がそれです。

他にも藤の花が咲いていました。藤棚の回りにはいつもハチなど虫が沢山飛んでいるのは参りますが。






根津神社のつつじ

2014年04月26日 | 風流道楽
今年も根津神社のつつじを見に行きました。
昨年も出かけたのですが、昨年はゴールーデンウィークの初めに手術をしたため、ほとんど散ってしまった状態で行きましたので、昨年の時点で2014年のつつじ山の入場券まで付録でついていた次第です。今年は4月25日に出かけましたが、もっと早い時期の方がよかったかもしれません。

今年は、珍しく夕方に出かけてしまったこともあり、大混雑でした。
若い人から年寄りまで、しかも結婚式(東天紅でしょうか。)の帰りの客まで様々です。
本当は朝早くに出かけたかったのですが、今年はもう機会がないかもしれません。

つつじの山よりも観光客を撮ったような写真です。









ザ・ビューティフル(三菱一号館美術館)

2014年04月22日 | 美術道楽
三菱一号館美術館で開催中の「ザ・ビューティフル―英国の唯美主義」と題する展覧会に行きました。
もう終了しましたが、森アーツセンターギャラリーで開催中のラファエル前派展とセット券を発売していたので、セット券でこちらも行きました。

企画の趣旨ですが、HPからの情報です
(引用はじめ)19世紀後半の英国では、唯美主義者と呼ばれる前衛芸術家たちが追い求めた「新たな美」が大衆にまで広がって、壮大なムーヴメントへと発展しました。本展は、好評を博した国際巡回展をもとに当館のために新たに構成した日本初の唯美主義展です。ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館所蔵作品を中心に、油彩画、家具工芸品をはじめとする約140点によって、独創的な美と悦楽の世界を展覧します。

本展は、2011年4月から2012年6月までヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(ロンドン)、オルセー美術館(パリ)、リージョン・オブ・オナー美術館(サンフランシスコ)で開催され、各国で高い評価を得た「カルト・オブ・ビューティー」展を、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館の企画協力により再構成したもの。唯美主義の総合的な展覧会としては日本初!(引用終わり)

とのことです。
アルバート•ジョセフ•ムーアの「真夏」をはじめ、ロゼッティの「愛の杯」、フレデリック・レイトン「 パヴォニア」などの絵画もありましたが、工芸作品が中心です。
ウィリアム・モリスの工芸作品もありました。

モリスの妻とロゼッティの複雑な関係など、「ラファエル前派展」で学んだ後なので、興味深くと言いますが、不思議な気持ちでみることができました。

栄西と建仁寺展(東京国立博物館)

2014年04月15日 | 美術道楽
東京国立博物館で開催中の「栄西と建仁寺展」に行きました。
栄西は「えいさい」だと思っていましたが、「ようさい」とも読むのだそうです。
日本史の教科書では「えいさい」ですが、寺の関係では「ようさい」と読むのだそうです(最終的にはどちらの読みでもいいそうです。)。
江戸時代の「興禅護国論和解」(注釈書)では、すでに栄西に「ようさい」というよみがながついていました。
栄西は、背が低くそれをコンプレックスに学問を重ね、頭の部分が10㎝?伸びたとか不思議な逸話も残っています。
栄西と言えば、興禅護国論を著して禅宗を広めた人、お茶を伝えて喫茶養生記を著したことで有名ですが、禅宗以前の昔の仏教とも深い関連があったということを初めて知りました。

建仁寺は鎌倉幕府2代将軍源頼家が建立し、京都における臨済宗の拠点となりました・しかし、創建当時の建仁寺は天台、真言、禅の3宗並立であったようです。

展覧会後半では、栄西を離れ、建仁寺のコレクションが展示されています。
海北友松の作品の充実には目を見張ります。
そのほかにも長谷川等伯のふすま絵など、自分の知っている作品のイメージとも違って興味深く見ました。伊藤若沖の「雪梅雄鶏図」なども色彩の綺麗な作品でした。
蘭渓道隆の像もあれば、少し変わったものでは建仁寺の近くに六道珍皇寺(臨済宗建仁寺派の寺院)があるということで、その井戸から冥界と往復したという言い伝えのある小野篁の像までありました。平安時代のオカルト話で、今昔物語にも小野篁の話はあったはずです。大昔、朝日新聞の日曜版か何かにも小野篁の特集があったような記憶です。

そして、最後の展示は俵屋宗達の「風神雷神図屏風」です。
意外に小さいという印象を受けました。
確か1992年、もう20年以上も前ですが、この風神雷神図屏風は委託先の京都国立博物館から建仁寺に戻り、そこで展示されていたことがありました。その時は、寺の建物と屏風がよくマッチして、とても感激しましたが、博物館でみますと、そのときほどの感動は得られませんでした。
なお、まもなく常設展の方で尾形光琳の風神雷神図屏風が展示されるので、2つの風神雷神図屏風を(並べてではありませんが)同時に見ることが可能になります。

WOZZECK再び(新国立劇場)

2014年04月14日 | オペラ道楽
新国立劇場に再びWOZZECKを見に行きました。
以前に見たのは4年近く前でしょうか。同じ演出です。

舞台の上にはずっと水が張り巡らされ、そこでピチャピチャを動き回ります。
それと、巨大なコンテナが宙づりになっており、WOZZECKの家庭の中の話など展開します。

話の内容は、ヒューナーの小説にかなり忠実です。小説のとおりの話が、1時間30分程度のオペラですべて展開しますし、執拗な演出でもないので、気を抜くとあっという間に話が展開します。大尉とのやりとりなど、文庫本の注で、何故かみ合っていないのか、WOZZECKが貧困にあえいでいることが本質だと言っていることなど、文庫本で今回は予習しておいて助かりました。あらすじを読んだだけでは、オペラを見てもわかりにくいです。

バイエルン州立歌劇場の演出を借りてきた演出は新鮮です。子供が舞台にGeld(金)とかHure(売春婦)と落書きをします。
子は最後にも、父母とも死んだことを理解することができません。


今回の演目は見るのが2回目で予習をしていったので、良好な環境だったはずでした。それでも、予想外だったのは、水を張った舞台のため、湿度が異常にあがっていたこと。高い温度と湿度のため、今回も途中でウトウトといいますか、短時間完全に寝てしまいました。前回は夜勤明けに見ましたが、今回はこのオペラの日程を金曜日まで失念していて、土曜日と日曜日の午前中まで慌てて仕事をしており、やはり心身とも疲れていたのが良くなかったようです。

【スタッフ】
指揮:ギュンター・ノイホルト
演出:アンドレアス・クリーゲンブルク
美術:ハラルド・トアー
衣裳:アンドレア・シュラート
照明:シュテファン・ボリガー

【キャスト】
ヴォツェック:ゲオルク・ニグル
鼓手長:ローマン・サドニック
アンドレス:望月哲也
大尉:ヴォルフガング・シュミット
医者:妻屋秀和
第一の徒弟職人:大澤 建
第二の徒弟職人:萩原 潤
白痴:青地英幸
マリー:エレナ・ツィトコーワ
マルグレート:山下牧子
合 唱新国立劇場合唱団管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団
[共同制作]バイエルン州立歌劇場

写真展・新宿昭和40年代(新宿歴史博物館)

2014年04月13日 | 美術道楽
新宿歴史博物館で本日まで開催している写真展に行きました。
この博物館ではよく開催される企画展です。要するに昔の新宿区の写真を展示した企画展で、入場料も無料なので、年間パスポートを提示する必要すらありません。

特に何かあるという訳ではないのですが、昔を懐かしむ中高年や、当時のことを知らなくても昔の新宿区の写真を見たと思う若者など意外な盛況ぶりです。

西新宿が開発される前は現在の都庁のあたりは何もない淀橋浄水場でした。田んぼのような写真を見ると隔世の感があります。小田急デパートももともとは現在のハルク館の場所で、再開発の時に現在の場所に移ったようです。このことはかろうじて子供の頃の記憶としてあります。
これらと比べると東口の方は意外に変わっていないようで、昭和30年代、40年代でもすぐに場所が分かります。それでもアルタが昔は二幸食品店だったことなどもう覚えていませんでした。

大昔の「ネレトバの戦い」の映画の看板が出ている写真など懐かしく見ました。昔の地図も面白く見ました。

写真の中で驚いたのは旧淀橋区の人々が、町名の変更を求めて(変更に反対してではありません)集会を飛来している写真でした。角筈、柏木など昔風の名前が消え、百人町なども再編があったようですが、その際にむしろ旧地名を残さないように希望する声があったとは。牛込地区は随分昔風の名前の町が残っていますが、西新宿はイメージの一新を目指したのでしょうか、当時の事情を知らない私には分からない事情もあるのでしょうか。私からしますと、西新宿という地名では無機質な感じがしてしまい、例えば柏木なんて源氏物語のようでとても風流な地名がなくなってしまったことが残念に思えるのですが。

小石川植物園の桜

2014年04月06日 | 風流道楽
小石川植物園に日曜日の午後行きました。
天候が不順で、家を出たときには、晴れていたのですが、後楽園の駅から小石川植物園まで昔懐かしい道を歩いている途中(昔は文京区に住んでいました。)、どんどん天気が悪くなり、一番桜が綺麗なスポットに着いたときはもう雨です。

シートを敷いてお花見をしていた家族連れの客もさっと帰ってしまいました。
ここは、花が綺麗で酒臭くない、お花見スポットとして最適な場所なのですが、今回はあまり見ることができないまま終わりました。






チョウシュウヒザクラ:赤色が強くて綺麗です。



今年は風が強く花見ももうおしまいです。



オンツツジも綺麗でした。



来年また小石川植物園に来たいと思います。

博物館でお花見を(東京国立博物館)

2014年04月05日 | 美術道楽
上野の東京国立博物館で開催中の「博物館でお花見を」という企画に行きました。
新年の「博物館に初詣」の春向けの内容です。
と言いましても、さほど特別展があるわけではなく、花見に縁のある美術作品にさくらのスタンプを付けて、注目されるようにした程度です。

冒頭の写真は狩野晴川院筆・源氏物語絵合・胡蝶図屏風です。

こちらは住吉具慶「観桜図屏風」



こちらは絵・住吉如慶=筆・愛宕通福「伊勢物語絵巻 巻二」とのことです。




現在、平成館の特別展では「栄西と建仁寺展」を開催中で、そこで俵屋宗達の「風神雷神図屏風」を展示中です。
これとコラボということで、常設展の方でも尾形光琳の「風神雷神図屏風」を展示予定とのことですが、風塵に桜を吹き飛ばされないように、光琳の風神雷神は4月8日から展示とのことです。

小石川後楽園の桜(文京区後楽)

2014年04月04日 | 風流道楽
先週末には小石川後楽園にも行きました。
こちらも六義園と並んでしだれ桜で有名です。
冒頭の写真は先週土曜日の時点のものです。
下の写真もです。最後の写真を見ると、この時点でもある程度散っていたようです。







その後、日曜日の大雨と風のせいでしょうか、4月1日にはほとんど散ってしまいました。

4月1日時点の桜です。



まだ別の桜は咲いていました。









桜と涵徳亭と渡月橋の組み合わせです。



ここのところの天気の乱れでお花見もせいぜい今週末でおしまいでしょう。今年は開花が遅かった割には、おしまいも早いようです。