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コロンナ宮を割と早めに切り上げたのには訳がありました。
実は、この後、重要な見学の予約があったのです。
カラヴァッジョが描いた唯一の天井画というものがあります。
それが、カジノ・ボンコンパーニ・ルドヴィージという貴族のお屋敷の中にあるのです。
こちらは一般公開されていません。金曜日と土曜日に予約を取って、個人見学が可能というものです。一般的には、15名からのグループ見学で一人€20ということなのですが、それ以下の人数でも€300を支払えば可能ということですので、つたない英語でメールを書いて予約を取りました。
ドイツ語であればメールでもなんでも困らないのですが、英語でははなはだ乏しい表現力です。ドイツ語と英語の両方で記載したメールを書きましたが、ドイツ語は相手にされず、英文で返事がきました。そうこうして、何度かやり取りをして、結局、グループ見学の予定が入らないということが判明したので、ねずみたち2匹だけで見学となりました。
時間前に到着しても、門は閉じられていて、監視カメラで見られているのか、予定時刻の11時きっかりに門が開きました。
メールでは、普段は勝手に見てもらうが、お姫様Princessがいる時には、Princessが説明してくださるとのことでしたが、お屋敷にうかがいますと、Princessがいらっしゃいました。執事のおばさんは、イタリア語しか解さないので、会話ができず、皆、Princessからお話をうかがうことになりました(どうやらメールも、執事が書いていると思っていたのですが、Princessが執事に代わって書いていたのでしょうか。天皇が綸旨を自分で書くようなものです。)。
この建物は、ルドヴィコ・ルドヴィジ枢機卿が1621年から1623年にかけて建築したのを、1825年から1851年にかけてボン・コンパーニ・ルドヴィジが増築したということです(宮下規久朗「イタリア・バロック」66頁)
最初に通されました風景の間です。
中央にAntonio Circignaniの絵があり、その周りにグエルチーノ、ドメニキーノ、パウル・ブリルなどの絵があります。
次に「アウロラの間」に入ります。
このヴィラの見どころはカラヴァッジョよりもむしろグエルチーノの天井画です。
アウロラの間には、有名なグエルチーノ《アウロラ》があります。
下から見上げた視点で描かれて、遠近法が駆使されています。
暁の女神が夜を払しょくする場面とのことです。
この作品は、誰のかわからなくなってしまいました。
2階に行くとカラヴァッジョ《ユピテル、ネプトゥルネス、プルート》があります。
これがカラヴァッジョ唯一の天井画ということですが、あまり感激するような作品ではありません。
カラヴァッジョは、これ以降、自分は天井画の制作には向いていないと思い、二度と制作しなかったそうです。
2階でも評価が高いのは、むしろこちらのグエルチーノの天井画です。
ヴィラの外には、ミケランジェロの彫刻が普通に置いてあります。
最後にはPrincessと記念撮影をさせていただきました。
今度は、ゲーテが絶賛したという、グイド・レーニの《アウロラ》のあるパラッツォ・ロスピリオージにも行きたくなりました。
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