道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

小石川後楽園の花菖蒲(文京区後楽1丁目)

2009年05月31日 | 風流道楽
小石川後楽園の花菖蒲を見に行って来ました。
「花菖蒲を楽しむ」と題したイベント?,企画?は5月30日から6月7日までです。
花菖蒲田のところに木の通路が設けられ,花菖蒲を近くで見たり,撮影したりすることができます。
昨日は初日でしたが,もう満開でした。
随分と沢山の花菖蒲が咲いているものです。


因みにカキツバタはもう見頃を過ぎていました。1週間遅かったようです。




日本の美術館名品展前記(東京都美術館・台東区上野公園)

2009年05月30日 | 美術道楽
東京都美術館で開催中の「日本の美術館名品展」に行ってきました。
日本国内の全国の美術館から集めた西洋絵画,彫刻,日本近現代用が,日本画,版画,彫刻が一堂に会しています。
あまりに展示物が多く,ジャンルも広いので,ある程度ターゲットを絞らないと,訳が分からなくなり,疲れ果ててしまいそうです。

私のお薦めは,以下のようなものです。
・エルンスト・バルラッハ「母なる大地Ⅱ」(残念ながら音声ガイドなし)
・ウィリアム・レームブルック「立ち上がる青年」
・アルベルト・ジャコメッティ「ディエゴの胸像」
・エゴン・シーレ「カール・グリュンヴァルトの肖像」
・マルク・シャガール「オルシュバルの夜」
・ヴァシリー・カンディンスキー「E.R.キャンベルのための壁画No.4」
・アンディ・ウォーホル「16のジャッキーの肖像」
・マックス・エルンスト「森」
・同「鳩のように」
最初の2つはいずれも愛知県美術館の所蔵品です。最後の2つはいずれも岡崎市美術館の所蔵品です。なかなか収集のセンスがいいと感心します。
以前,ドイツ年の時にバルラッハ展が開催された時は,東京で開催される前に,京都にまで見に出かけ,さらに東京でも展覧会を見に行ったことなど思い出しました。

このほか日本の作品では,香月泰男「涅槃」に再会することができたのが,感激でした。山口県立美術館は,山口県出身の画家で,シベリア抑留の経験のある香月泰男のシベリアコレクションを収蔵しているのですが,「涅槃」もその一つです。釈迦入滅の場にもキリストと使徒たちのようにも見えるような,暗い人々の顔の絵は,シベリアの凍土で帰国できないまま亡くなった兵士達の顔の絵です。
また,前田青邨の満州国の女性の絵は,どこか別の美術館の展覧会で見たことがありました。

私は,日本各地の美術館を転々と訪れているので,今回はいずれも今まで訪問した美術館の絵との再会という意味もあってよかったです。今回出展している美術館の内,ざっと訪問したことのあるものを挙げますと,
伊丹市美術館,茨城県立近代美術館,世田谷美術館,島根県立美術館,北海道立近代美術館,広島県立美術館,東京都現代美術館,札幌芸術の森美術館,群馬県立館林美術館,鹿児島市立美術館,兵庫県立美術館,京都市美術館,神奈川県立近代美術館,島根県立石見美術館(グラントワ),板橋区立美術館,岡山県立美術館,栃木県立美術館,鳥取県立博物館,北海道立三岸好太郎美術館,宮崎県立美術館,山口県立美術館
が挙げられます。
見たことがある絵も,どこかで見たことのある絵も,もう忘れてしまった絵も,美術館には行ったけれど見たことのない絵もさまざまにありました。



ベルリンフィルのコンサート

2009年05月29日 | 日常の道楽
1月6日の夜,ベルリンフィルのコンサートに行きました。
インターネットで全世界に配信するようになる記念すべき第1回目のコンサートと聞き,日本にいるときにインターネットでチケットを手配して行きました。
夜20時からのスタートで,演目はドボルザークのスラブ舞曲とブラームスの交響曲第1番と聞いていましたので,かなり帰りは遅くなるのかと思っていましたが,行ってみるとスラブ舞曲は最後の第8番しか演奏されないことになっていました。

コンサート会場はポツダム広場のすぐ近く,つまりホテルからもすぐ近くの距離でした。中にはショップがあり,記念品が沢山売っていました。ベルリンフィルのロゴ入りのモンブランの高級万年筆はさすがに買えませんので、ボールペンとベルリンフィルを紹介した小冊子を買いました。CDも沢山売っていましたが,希望を絞り切れず,結局,買いませんでした。
それにしても,ベルリンフィルの建物の複雑なこと。どうやって行けばよいのか会場内で迷いそうです。しかし,着席してみますと,なるほどどこの席でもそれなりによく見え,音もよく聞こえそうだと感心しました。

さて,コンサートですが,スラブ舞曲はすぐに始まりました。第8番だけですので,あっという間に終了。その後,司会者とスポンサーのドイツ銀行の人が登場し,インターネット配信の意義とか方法とかを延々と話し始めました。しかも,ドイツ語だけではなく,英語も含めて。指揮者のサイモン・ラトゥルがスピーチをするのはともかくとして,この司会者とドイツ銀行の人の話を2か国語で延々とやるのはいかがなものかと思っていたところ,演奏者の一人のインタビューまで入り,しかもそれをまた翻訳しようとして・・・というタイミングで,さすがに会場内はしびれを切らし,いい加減スピーチを終わりにするようにとのブーイングの拍手が起こりました。これで,スピーチはようやく終了しました。
これでは,ドイツ銀行はマイナスのイメージを与えるだけです。

その後は,何事もなかったように普通にブラームスの交響曲第1番が演奏され,途中休憩もないまま終わりました。アンコール曲もなしです。
結局,ドボルザークのスラブ舞曲が非常に短かったので,非常にあっさりとしたコンサートでした。手軽に出かけられるコンサートという印象でした。



ムーランカレル(カマンベールチーズ)

2009年05月28日 | 食道楽
久しぶりに新宿伊勢丹でチーズを買いました。
今回はムーラン・カレルというカマンベールチーズです。
ノルマンディーのチーズで箱の表に風車の絵が描いてあるのが特徴です。
まるまる1個買うと賞味期限に食べられなくなりそうなので,ハーフサイズにしましたので,残念ながら風車の絵の写真はありません。

何度も買おうと思いつつ,いつも次回にと思って後回しにしてしまったところ,今回,ようやく入手して食べました。
見た目は普通のカマンベールチーズですが,以外に外の白カビの味はします。
朝食に食べるよりは,やはりワインとの取り合わせの方が良さそうです。


国宝阿修羅展(東京国立博物館・平成館)

2009年05月27日 | 美術道楽
上野の国立博物館に国宝阿修羅展を見に行きました。
今、非常に話題になっている展覧会で,何でも史上最短期間で入場者数50万人を突破したとか。
開館時間も通常は18時まで,週末は20時まで延長しているようです。

金曜日の夕方に行ったのですが,30分待ちでした。あまりの混雑ぶりに,音声ガイドを頼りに大きい展示物を中心に見ました。

やはり目玉は360度の方向から見られる阿修羅像です。3面の顔がそれぞれ微妙に異なっていますし、6本の手が優美な形でした。もっとも,この周りは大混雑でしたので,360度といっても死角が何カ所もあったような気がします。最後にCGの展示がありますので,こちらで丁寧な復習をすることができます。

そのほか,八部衆像と十大弟子像,さらには光明皇后の母橘三千代の信仰を集めたという阿弥陀三尊像が印象に残りました。

しかし,一番印象に残ったのは鎌倉時代の康慶作の四天王像です。
平重衡の南都焼き討ちによって消失したものを鎌倉時代に再建したものだそうで,鎌倉風の力強い写実的な彫刻で,私はこちらの作風の方が好きです。

それにしても,京都在住の際には,何々が応仁の乱の時に消失した等々の話を耳にすることも少なくなかったのですが,奈良となると,さらに時代が遡って,必ずといっていいほど平重衡の南都焼き討ちの話が出てくるのには驚きます。

なお,興福寺中金堂は2010年から再建がスタートするそうです。

京のおばんざい くらま(新宿区南山伏町)

2009年05月26日 | 食道楽
牛込柳町の駅から牛込神楽坂に向かって、大久保通りを進むと,牛込郵便局の向かいあたり(実際はもう少し手前)に「京のおばんざい くらま」という店があります。
ランチタイムに行き,親子丼を食べてきました。実は以前にも一度行ったことがあり,その時は鮭の塩焼き定食を頼んだのですが,ちょっと朝食風のメニューになってしまったので,店の看板の最初に出ている親子丼を今回は注文した訳です。鶏肉を卵とじにしただけでなく,中央には生卵ものっていまして,おいしかったです。なお,この店は鳥の唐揚げ定食も人気のようです。

旧古河庭園のバラフェスティバル(北区西ヶ原1丁目)

2009年05月25日 | 風流道楽
今年もまた,古河庭園のバラフェスティバルを見に行ってきました。
沢山のバラが飾ってあり,それぞれ満開の時期がずれるようになっているので,開催期間中,楽しめるようになっています。

旧古河庭園も洋館は,旧岩崎邸と同じコンドルの設計です。

今年もアンネ・フランクとかプリンセス・オブ・ウェールズとかいろいろな名前のバラがあります。
まずは普通に奇麗だったバラを紹介します。
サハラというバラです。


この他,今回は変わった名前のものを紹介します。

レオニダス:何とベルギーのチョコレートと同じ名前と説明が書いてありました。それはそうかもしれませんが,スパルタ王レオニダスは忘れ去られたのでしょうか。ペルシア戦争のテルモピレーの戦いで死んだ将兵は報われないような・・・


次は「わたらせ」
渡良瀬川の「わたらせ」だそうです。あの足尾銅山鉱害事件で汚染された渡良瀬川です。
足尾銅山の鉱害の犠牲の上に古河財閥の繁栄があったわけで,管理者が東京都に移ったとはいえ,旧古河庭園に「わたらせ」は強烈な皮肉です。


バラもいいですが,やはり旧古河庭園は日本庭園の方がいいような気がします。



ケーラー大統領当選

2009年05月24日 | ドイツ語
昨日,書きましたドイツ大統領選ですが,第1回目の投票で,既に総投票人数1223名の絶対過半数である613票を得てホルスト・ケーラー氏が大統領に再任されました(結局,過半数より1名多かったに過ぎませんが。)。

ところで,前回の2004年の大統領選挙の際には,連邦集会がDeutsche Welleで生放送で放映されたので,その様子を見ることができました。当時のティールゼ連邦集会議長(つまり連邦議会議長)は,選挙結果を報告した後,ケーラー大統領に演説の機会を与えるのを忘れたまま,いきなり国歌斉唱をしようとして爆笑を買ってしまうハプニングが全世界に生中継されていました。今回の連邦集会は生放送での中継はなかったため,連邦集会の様子がどのようなものだったのか,今のところまだ確認できていません。

そもそも今回の大統領選は結果自体が,ほぼ予想されていたので,あまりメディアの関心もひいていなかったようです。ドイツのニュースを見ても,基本法の誕生から60年という報道の方がむしろ強調されていたようにも見えました。

ケーラー大統領は元IMF専務理事。その前のラウ元大統領は元ノルトライン・ヴェストファーレン州首相,その前のヘルツォーグ元大統領は元連邦憲法裁判所長官,そしてその前のヴァイツゼッカー元大統領は元西ベルリン市長であったのと比べると,異色の経歴で,経済官僚としての経歴はありますが,本格的に職業政治家として活躍した経験のない珍しいキャリアです(ヘルツォーク氏も本来的には学者ですが,少し政治の場に身を置いた経験もあったようです。)。
そのケーラー大統領の第1期目の任期では,シュレーダー首相が連邦議会を解散するため,連邦議会に敢えて内閣信任案を否決させたり,その選挙の結果,CDU/CSUが第1党に,SPDが第2党になった後は,連立政権の交渉がなかなかまとまらなかったりといろいろな出来事もありました。

選挙の際のインタビューでも,国民から好感を持たれている様子のケーラー大統領ですが,第2期目はどのような活躍をされるのでしょうか。楽しみです。

画像は連邦大統領旗です。



ドイツ大統領選スタート

2009年05月23日 | ドイツ語
本日,5月23日土曜日にドイツの連邦大統領の選挙が実施されます。

連邦大統領選に先だっては,連邦集会(Bundesversammlung)が開催されます。
連邦集会とは,連邦大統領を選出するためだけの特殊な機関です。連邦集会の構成員は,連邦議会の議員と,州議会から比例代表方式によって選出された投票人(連邦議会議員と同数)であります。後者の投票人は政治家に限らず,スポーツ選手,俳優等様々な職業の人がなるようです。連邦集会の議長は,連邦議会議長が務め,連邦集会は討論を経ずに,いきなり無記名投票の選挙をして連邦大統領を選出することになります。選出の結果を踏まえ,新たな連邦大統領は選挙の結果を受諾し,宣誓を行い,正式に就任します。
したがって,現在の連邦議会と州議会の構成を見ていれば,自然と投票の結果は明らかになるはずなのですが,そこは無記名投票という部分があるので,完全に票を読み切ることまではできないところもあるようです。

今回の大統領選挙は,事実上,現大統領ホルスト・ケーラー(元IMF専務理事)とゲズィーネ・シュヴァーン(フランクフルト・オーダーにあるヨーロッパ大学学長)の一騎打ちです。ケーラー氏は,キリスト教民主同盟(CDU)・同社会同盟(CSU)と自由民主党(FDP)の推す候補であり,シュヴァーンは社会民主党(SPD)と緑の党の推す候補です。以前にもブログに書きましたが,このほかに役者のゾダーン氏が,左派勢力の推挙を受けて立候補していますが,泡沫候補に過ぎません。

ケーラー対シュヴァーンの対決は,前回の2004年の選挙の対決の再現です。
ただし,2004年の大統領選当時は連邦政府では,SPDと緑の党が連立政権を組んでおり,CDU/CSUは野党の立場にありました。しかし,その後,2006年の議会の選挙では,CDU/CSUが第1党,SPDが第2党となり,両者が連立政権を組むという結果になっており,大統領選を取り巻く環境も大きく変わっています(SPDが今回,CDU/CSUと連立政権を組んでいるにもかかわらず,独自候補をたてたことには,CDU/CSU,特にCSUの反発は大きく,一時期は連立を解消するとまで言っていました。)。

前回の大統領選では,州議会の比例代表で選ばれたグロリアさんという女性の投票人が,本来CDU/CSU側から選出されたにもかかわらず,女性であるシュヴァーン氏に投票したということがあり,今回もシュヴァーン氏としてはこの俗に「グロリア効果」と呼ばれる造反に期待したいところです。
しかし,今回は逆にSPD側から,ケーラー氏に投票する造反者が出ることが予め見込まれています。
また,今回は左派勢力が独自候補を擁立しているので,シュヴァーン氏はその票も取り込めないことも痛いです。
加えて,選挙直前に生じたシュヴァーン氏の失言問題も大きいです。シュヴァーン氏は旧東独政府について,明確に「不法国家(又は違法国家)」(Unrechtsstaat)と断じなかったことが問題視され,党の内外から非難を浴びています。例えばヘッセン州首相のローラント・コッホ(CDU)などは,いたずらに社会的不安をあおり,旧東独政府を不法国家と断じる勇気のない者は,国家の最高位の職務を遂行する資格はないとまで言っています。今回のこの失言問題で,シュヴァーン氏はますます苦しい立場に立ちそうです(この内容はSueddeutsche Zeitung のHPを参考にして書きました。)。
このまま順当に行けばケーラー氏が大統領に再任されることはほぼ間違いないと思いますが,これからどのようになりますことやら。また,続報を書きます。
写真は連邦集会の開催される連邦議会の議事堂です。

【補遺】
旧東独政府について,どうしてUnrechtsstaat(非常に強い意味です。)とまで言わなければならないのかという感覚は,日本にいるとわかりにくいところです。しかし,SPDのある政治家もシュヴァーンの発言を受けて,旧東独は独裁国家で,不法国家だった,そのことは疑いようがないとコメントして不快感を露わにしています。ドイツでは,ナチズムだけではなく,シュタージを初め旧東独政府の人権弾圧にも極めて厳しい態度をとっています。
このあたりの感覚は,実際にドイツで暮らし,ドイツのメディアにどっぷりとつからないとわかりにくいところかもしれません。

青柳(新宿区箪笥町)

2009年05月22日 | 食道楽
牛込本通りと大久保通りの交差する交差点の近くにある定食屋「青柳」に行きました。
食べたのは,サンマの開き定食です。
町の定食屋ですが,昼時はラーメン等のメニューの方が人気のようでして,他のお客さんは割とボリュームのあるものを注文していたようでした。


泰山(江東区白河)

2009年05月21日 | 食道楽
清澄庭園に行った帰りに清澄白河の駅のすぐ近くにある近い泰山という中華料理店に行きました。

東京都現代美術館と清澄庭園に行くことくらいしか,江東区とは接点がないので,あまりよく分からないまま入りました。
店の方の多くは中国人なのでしょうか。
メニューが沢山あって,迷いそうになりながら,カタヤキそばを注文しましたら,昔ながらの太麺を油で揚げた形のカタヤキそばが出てきました。ちょっと,油と塩分がきつかったような気がします。
昔懐かしい中華料理店というところでしょうか。


ルーブル美術館展-17世紀ヨーロッパ絵画-(国立西洋美術館・台東区上野公園)

2009年05月20日 | 美術道楽
今度は,上野の国立西洋美術館で開催中のルーブル美術館展に行きました。こちらは,17世紀絵画ということで,有名な絵が来ていました。
例えば,
・フェルメール「レースを編む女」
・ベラスケス工房「王女マルガリータの肖像」
・レンブラント「縁なし帽をかぶり,金の鎖をつけた自画像」
・ラトゥール「大工ヨゼフ」
・ルーベンス「ユノに抱かれるイクシオン」
・ルーベンス「トロイアを逃れる人々を導くアイネイアス」
・ムリーリヨ「6人の人物の前に現れる無原罪の聖母」
・ヤン・ステーン「家族の陽気な食事」
といったものです。

ここにもニコラ・プッサンの「川から救われるモーゼ」の絵がありました。

日本で有名といえるほどの画家ではなくても、テーマが有名な絵の展示も多かったので,それによって,大分,補強されている印象も受けました。
例えば,有名なレンブラントのバテシバはありませんが,その弟子ドロストの描いたバテシバの絵などです。「アンドロメダを救うペルセウス」も画家のウテワールは知りませんでしたが,いい絵でした。

それにしても,国立新美術館とは比較にならないほどの混雑でした。

ルーブル美術館展 美の宮殿の子どもたち(国立新美術館・港区六本木7丁目)

2009年05月19日 | 美術道楽
六本木の国立新美術館で「ルーブル美術館展 美の宮殿の子どもたち」という展覧会に行ってきました。
ルーブルから来た様々な美術品,工芸品等を「子ども」という共通のテーマで,くくりだし,「誕生と幼い日々」,「子どもの日常生活」等のテーマで整理したものです。

早い話が,これという特別の展示品はすくなく,絵画も少なく,エジプト(ヘレニズム期を含む。),メソポタミア,ギリシア,ローマから来た工芸品が中心であり,これらをまとめるのに無理をして「子ども」というテーマを使ったという感じです。

特別に良かったのは,この美術展のパンフレットの表紙にもなっているティツィアーノの「聖母子と聖ステパノ,聖ヒエロニムス,聖マウリティウス」くらいでしょうか。
そのほかに,
・フランス王妃マリー=テレーズの幼き日の肖像(ベラスケス工房)
・アモールの標的(ブーシェ)
・プッサンの原画に基づく「河から救われるモーセ」のタペストリーが印象に残りました。

音声ガイドで知ったのは,古代エジプトのイシス女神とその子であるホルス神のイメージは,芸術の面で,キリストの聖母子像に大きな影響を与えたということです。

今回展示された工芸品は,おそらく,パリのルーブル美術館を直接訪問した場合には,みんな見ないでパスしてしまうというようなものだったような気がします。

さか田(千代田区有楽町1丁目)

2009年05月18日 | 食道楽
有楽町にある,讃岐うどんの店「さか田」に行きました。
ツインタワービルの向かいにある第2日比谷ビルの3階に,あまり目立たないようにあります。
ランチの時間に行ったのですが,讃岐うどんを標榜するだけあって,うどんのコシは強く,おいしいです。
うどんだけでは当然お腹がいっぱいにならないので,かき上げ天丼つきのうどんにしましたが,どこでもそうなのですが,天麩羅がつきますと,うどんよりもそちらの後味が強くなってしまう傾向があります。


メリー・ウィドウ(ドレスデン・ゼンパーオペラ)

2009年05月17日 | オペラ道楽
これもまた随分と時間が経ってしまったことなのですが,1月7日にドレスデンのザクセン州ドレスデン国立歌劇場でオペレッタのメリー・ウィドウを見ました。
メリー・ウィドウといえば,日本のサントリーホールでのニューイヤーコンサートの際にも必ず歌の演目の中に取り入れられていて,いつも楽しい歌声を聞くことができます。

ところでドレスデン国立歌劇場は俗にゼンパー・オペラ座と呼ばれます。建物を建築したゴットフリート・ゼンパーの名にちなんだ名前です。後で写真を載せますが,とても豪華な内装の建物です。ここも1945年2月14日の空爆でがれきの山と化したのですが,旧東独政府が威信をかけて1985年に再建しています。

一昨年の海外公演でドレスデン国立歌劇場のオペラも見たとは言え,ゼンパー・オペラ座に足を踏み入れるのは初めてなので,とても期待が高まります。
15年前にドレスデンを訪問した際には,ゼンパー・オペラ座の前で当日券を買うために行列をしていたにもかかわらず,途中で寒さと病気から倒れそうになり,泣く泣くオペラ鑑賞を諦めたこともあります。

しかし,ベルリンを激しく観光した後,ドレスデンに到着したその日のことでしたし,生憎の大雪の中をオペラ座まで歩いたこともあり,すっかり身体が疲れてしまい,歌のうまさに聞き惚れて,ついつい目を閉じてしまい,夢心地にと入ってしまいました。

という訳で,正確に全部見ている訳でもないのですが,全般的な印象として演出は予想以上に思い切ったものでした。
歌手が大きな手のひら形の椅子の上に腰掛けながら歌ったり,ピンクのハート型の,見るからにいかがわしそうなソファーの上で多数の男女が大騒ぎをしたり,飛行船を登場させたりと,非常に愉快な演出でした。

音楽と歌に聴き惚れて,演出まで十分目を通すことができなかったのが残念でしたが,正月らしい楽しい気持ちになりました。

ゼンパー・オペラは建物内部の装飾も素晴らしいので,写真を紹介します。
中の構造はかなり複雑で,座席を見つけるまでに少し時間がかかりました。
またボールペン等のお土産コーナーも充実していて,買いたくなったのですが,ベルリンフィルでも買っていましたし,キリがないので諦めました。