道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

誕生! 中国文明展(東京国立博物館・台東区上野公園)

2010年08月31日 | 美術道楽
東京国立博物館平成館で開催中の中国文明展に行きました。
全体を「王朝の誕生」,「技の誕生」,「美の誕生」の3部構成にしてあります,「王朝の誕生」では,夏王朝の誕生から秦漢帝国の時代までを取り扱っています。

テーマごとの3部構成という構想は面白いと思うのですが,展示されている多くの品は青銅器、金銀器、漆器、陶磁器でして,違う章の展示を見ても,私にはあまり代わり映えがしないような気もします。

人の趣味にもよりますが,私は中国のことは史書を読んでいる方が退屈しないようです。

カポディモンテ美術館展(国立西洋美術館・台東区上野公園)

2010年08月30日 | 美術道楽
国立西洋美術館で開催中の「カポディモンテ美術館展」に遅ればせながら行きました。
カポディモンテ美術館はナポリの美術館だそうでして,ファルネーゼ家の収集したルネッサンスとバロックの美術とブルボン家の収集したナポリ・バロック美術のコレクションで有名とのことです。

この展覧会のポスターにも用いられているパルミジャニーノの「貴婦人の肖像」やティッツィアーノの「マグダラのマリア」,コレッジョの「聖アントニウス」,エル・グレコの「燃え木でロウソクを灯す少年」,レーニの「アタランテとヒッポメネス」,リベーラの「マグダラのマリア」など非常に興味深く作品を見ることができました。リベーラはカラヴァッジョの影響を受けた画家ですが,ドレスデンのアルテ・マイスター絵画館でその作品の一つ「牢獄の聖アグネス」を見たことがあります。アルテ・マイスター絵画館の解説書にも「聖アグネスはリベーラが聖バスティアヌスやマグダラのマリアとともに最も好んだ主題の一つである。」と書いてありました。

ほかにヴァザーリの回廊やルネッサンス美術家列伝で有名なヴァザーリの「キリストの復活」作品もありました。「キリストの復活」のテーマも多く描かれるテーマでして,例えば私も訪問したことのあるサンセポルクロ市立美術館にあるピエロ・デッラ・フランチェッスカの絵が有名ですが,ヴァザーリのキリストはどこか動きが不自然で,お茶目なイメージすら与えてしまっており,感銘力はいま一つのような気もします。

カポディモンテ美術館展は日曜日の10時に入りましたが,混雑もしておらず,絵も一つ一つが大きく,音声ガイドもペンタッチ式で使いやすく,ゆったりと見ることができました。絵も多すぎず,名画をゆっくりと見ることができ,とても満足のひとときを過ごしました。因みに音声ガイドは,話題の山本モナさんのナレーションです。

「自炊」生活

2010年08月29日 | 買い物道楽
最近になって富士通のScanSnap S1500を導入しました。
自宅のスペースも書類の山にかなり場所を取られて参りましたので,できる限りの書類はPDFファイルに落とそうと思った次第です。

パソコン関係の雑誌の切り抜き,美術館のパンフレット,仕事関係の書類等々皆PDFに落としていきます。ScanSnap S1500のスキャナーは驚くほど早く書類を次々と飲み込んでいきます。しかも両面読み込みです(最初気づかず,1枚1枚表,裏の順番に朱きゃんしてしまいました。)。

とても便利です。
そしてPDFファイルの画像に回転等の修正が必要となれば,PDFの編集ソフトを使えるのでしょうか(実はAmazonのVineプログラムでこのソフトをもらったばかりです。)。

そうそう,説明が最後になりましたが,紙ベースの物を次々とデータファイルに落とすことを「自炊」というのだそうです。何とも不思議な用法です。
今後の「自炊」が楽しみです。


東京女子医大病院内の松本楼

2010年08月28日 | 食道楽
東京女子医大病院の総合外来病棟の中に入っている松本楼で昼食を取りました。
日比谷公園の松本楼が,東京女子医大病院の中にも出店しているのです。

総合外来病棟は,ガラス張りの採光のいい,新しい建物です。このような病院であれば,通院していても気が滅入りにくくなるでしょう。松本楼はその中の3階にあります。一部の科の受付コーナーと同じ階にあります。

松本楼といえばということで,おきまりのカレーを食べました。
日比谷公園の中で食べるのと同じ味でした。日比谷公園の松本楼では時折懇親会をすることもありますので,このカレーの味が口に入りますと,大して飲めないのにビールを飲みたくなります。

略礼服の購入

2010年08月27日 | 日常の道楽
9月の法事に合わせまして略礼服を購入しました。
以前に購入した略礼服は,作ってからかなり経ちますし,サイズが合わなくなっているので(太ったのではなく,その逆です。ただし,また再度逆方向に変化しつつもあります。),買い換えました。最初はロロピアーナか何かでオーダーをしてみようかとも思ったのですが,思い返しますと自分が初めて略礼服を購入した時は専らといっていいほど白いネクタイを着けるためでしたが,最近は略礼服も白ネクタイよりも黒ネクタイをつけることの方が多いような気がします。そこで,むしろ安心して着られて,駄目にしたらまた買い換えるような気持ちで,伊勢丹のバーゲンでオーダーをしました。

オーダーと言いましても,布も格別良くはなく,しかも普通のスーツよりは大きさにゆとりがかなりある(略礼服はあえてそうするのだそうです。)のですが,それだけに安心して着ることができます。

湯川雅紀展(第一生命南ギャラリー・千代田区有楽町)

2010年08月26日 | 美術道楽
8月20日金曜日から第一生命南ギャラリー(DNタワー21の1階)で開催中の湯川雅紀展に行きました。
まずは第一生命のHPから案内文を引用します。
「今回のテーマは「絵画のスキマ」についての考察です。湯川はこれまで、複数の円盤が、ラインでゆるやかにつながって、あるいはラインから解放されて浮遊することで、空間を暗示させる作品を描いてきました。 今回は「ないものをあるものとして考えさせるようなアプローチは可能か」と考え、これまでに円形の物で構成されていた絵画空間に、新しい要素として格子のような隙間が現れている作品に取り組んでいます。」(引用終わり)

湯川さんはドイツに留学した経歴を持ち,1998年にVOCA展で受賞した画家です。2006年には横須賀のカスヤの森美術館でも個展が開催されました。そこで,不思議な抽象画の世界に魅了されました。湯川さんの抽象画は見ていて不思議と落ち着きます(実は,道楽ねずみの家にも,小さな作品が2つあるのです。)。

今回,新たな作品を見まして,確かに格子のような隙間と従来の円盤との融合というのが,新たな世界になっているのかなと思いながら見ました。
この展示は9月15日まで,平日12時から18時まで開催しています。入場料は無料で,ホールではVOCA展で受賞した他の画家の作品も展示しています。
さらに,8月30日から9月4日の11:30から19:00まで(最終日17:00まで)にかけては銀座のコバヤシ画廊(中央区銀座3-8-12ヤマトビル地下1階03(3561)0515)でも個展が開催されるとのことです。

【余談】
DNタワー21という名前の第一生命ビルはもとのGHQ本部です。
また,余談という欄では本来失礼なのですが,第一生命北ギャラリーでは同じくドイツに留学した経歴のある脇田和さんの展覧会も開催されています。


iPodでDie Sendung mit der Mausを見る

2010年08月25日 | 日常の道楽
相方と私はドイツのテレビ番組Die Sendung mit der Mausと言いますか,そのキャラクターであるマウスが大好きです。
そこで,最近はiPodでDie Sendung mit der Mausを見ております。といいましても,そもそもこの番組自体は子ども向けの教育番組で,主たるテーマはチーズの穴がどうしてできるのか,熱気球は何故飛ぶのか等々のテーマを取り扱い,そのテーマを平易に解説する内容で,基本的にアニメは出てきません。これらの解説の合間に,短いアニメがあり,その中だけにオレンジ色のねずみであるマウスとその仲間が登場します。マウスが登場する場面になると,それではこの点は,次のマウスの後に見ていきましょう。」などとナレーションが入ることもあります。

iPodで公開されているDie Sendung mit der Mausは毎週1回更新されます。5分にも満たない内容で,しかもマウスは登場しません。
今週の分は,逆立ちということで,人物を上下逆にして描くゲオルグ・バゼリッツの絵のことが紹介されていました。バゼリッツもドイツの現代絵画を代表する画家でありまして,日本でもドイツ年の際には栃木県立美術館でバゼリッツ展が開催されました。

ぱんが(新宿若松町)

2010年08月24日 | 食道楽
久しぶりに若松町のぱんがに行き,さらに久しぶりに2500円の食べ放題のコースにしました。
以前に行った際には,最初に出る盛り合わせでホルモンが大盛りで出てくるので,それでお腹がいっぱいになってしまい,しかも料理を個別で注文するのとは明らかに異なる品質の料理(肉もそうですが,サラダやキムチも)が出てきたことから,しばらく敬遠していたメニューです。
以前とは異なり,肉の盛り合わせもホルモン焼きなしの盛り合わせとなり,量も適量で追加注文をしやすくなっており,また,料理も個別に注文するのと同じ品になっていたようです。
これなら,このコースを利用しやすいです。
焼き肉,サラダキムチ,チヂミなどをいただきました。3500円のコースにしないと,この店のおいしい海鮮チヂミはいただけませんが,野菜チヂミでも十分に美味しかったです。
最後はゆずのシャーベットです。デザートは1人1品と決まっているのですが,それでもコースの中に含まれているのは有り難いことです。

サラダキムチ



野菜チヂミ


iBookで論語を読む

2010年08月23日 | 日常の道楽
iPhoneの機能を相変わらず楽しんでおります。
iBookのアプリケーションで本を読むことができ,実際,頁をめくるような指の動きで次の頁に移ることができます。
しかし,肝心の本のそろえが今ひとつのようで,英語版での「三銃士」,「アイヴァンホー」といった作品が並んでいますが,あまり自分にとって読みたいものではありません。
いくつか探しているうちに「論語」という標題を見つけてダウンロードしました。
論語といっても現代中国語版のようで,クエスチョンマークが付いていたり,漢字が簡略なものであったりと自分の慣れ親しんだものとはずいぶん違うようです。

やはり,本文よりも圧倒的に多い朱熹の割注を読みながら本文を読むという論語集註で論語は読みたいものです(自分が昔読んだものは,ほかに簡野道明氏の註も付いていた記憶です。)。

印象派とエコール・ド・パリ(横浜美術館・横浜市西区みなとみらい)

2010年08月22日 | 美術道楽
横浜美術館で開催中の「印象派とエコール・ド・パリ」展に行きました。
箱根にあるポーラ美術館の所蔵コレクションだそうです。

ポーラ美術館のコレクションの質の高さが良く分かりました。最初に展示されているモネの「ジヴェルニーの積みわら」,「睡蓮」,ルノワールの「水浴の女」,「裸婦」を見ても。有名な画家の連作の一つを確実に収集しているようです。
ピカソの海辺の母子像も今回初めてポーラ美術館から貸し出されるそうです。
このほか,ローランサン,パスキン,スーチン,キスリング,モディリアーニ,シャガール,レオナール・フジタなどの作品もあり,エコール・ド・パリのコレクションも充実しています。

ポーラの前会長は一代でこれだけのコレクションを集めたようで,よくぞここまで集めたと本当に感心してしまいます。ポーラの前会長は,これらのコレクションを見て,時に怒りを静めたというようなことが冒頭の案内に書いてあったと思います。

以前に箱根に行った際には,ポーラ美術館には行かなかったのですが,今度は出かけてみたいと思います。

おまけ:みなとみらいはマンションの建ち並ぶ場所にいつの間にかなっていました。




ブリューゲル版画の世界展(東急Bunkamura・渋谷区道玄坂)

2010年08月21日 | 美術道楽
渋谷の東急Bunkamuraで開催中のブリューゲル版画の世界に行って参りました。

ブリューゲルの絵といえば,ウィーンの美術史美術館やブラッセルの美術館等にあります。
しかし,今回は専ら版画ばかりです。
美術史美術館にある有名な「バベルの塔」の版画もありました。
この他,ことわざや教訓を盛り込んだ版画がありました。特に「七つの徳目」シリーズは大変な人気で,多くの人が行列して丁寧に絵を確認していました。

面白い展示ではありましたが,いちいち細かい絵を確認し。これは何を表して,これはどのような戒めで等々を美術館で見るのはいささか無理があります。私もかなり疲れてしまい,途中からはざっと見るだけにとどめることにしました。戒めを確認するなら,図録かパソコンでゆっくりとしたいものです。
ブリューゲルの絵は,特に感動的なものではないので,ウィーン美術史美術館で見てさえも格別感激しません。今回のような版画ではなおのこと感銘力は乏しく,ことわざ勉強教室のようになってしまいました。

千疋屋・小田急新宿ハルク店(新宿西新宿1丁目)

2010年08月20日 | 食道楽
小田急百貨店新宿店のハルク館内にある千疋屋でヨーグルトムースを買いました。
季節に合わせて桃が上に乗っています。

以前であれば,ア・ラ・カンパーニュでフルーツタルトを買ったのでしょうが,ア・ラ・カンパーニュもハルク館のみならず,本館からも撤退したので,最近は専ら千疋屋です。

おいしいのですが,器が立派な割には量が少なく,やや食べたりないような気がします。
コストパフォーマンスを考えるなら,小型の丸いケーキサイズのフルーツタルトの方がお勧めです。

PARAS新宿店(新宿住吉町)

2010年08月19日 | 食道楽
曙橋のカレー屋PARASに行きました。

今回は豆のカレーにしました。
辛さは1から5まで選ぶことができますが,前回は3で物足りなさを感じましたので,4にしました。
極端には辛すぎず,ちょうどいい味です。辛さに生姜の味も混じって,夏の食欲のない時期には最適です。

ニコラス・ベルクグリュン氏とは?

2010年08月18日 | ドイツ語
ドイツのデパートチェーンKARSTADTの倒産手続のことは以前にも書きました。
デパートグループの買受候補人であるベルクグリュン氏とKARSTADTの店舗の所有者であるHighstreetとの交渉はまだ決着が付かず,エッセン倒産裁判所は再び倒産処理計画案の認可を延期し,9月3日までに決定することにしたと倒産管財人のKlaus-Hubert Görg弁護士は報じています。

ところで,KARSTADTのデパートを買い受けることが予定されているニコラス・ベルクグリュン氏とはどのような人物なのでしょうか。最近ようやくメディアでその実像が報じられるようになっています。
ニコラス・ベルクグリュン氏は1961年生まれの48歳で独身。映画女優のBettina Moissiさんとジャーナリストで画商でパトロンのハインツ・ベルクグリュン氏との間に生まれました。デザイナーのスーツに身を包み,旅行は殆どがプライベートジェットでして,普段から超高級ホテルに住んでいるのだそうです。以前に住んでいたロンドンやニューヨークやロス・アンジェルスの住居は売却してしまい,「ホームレスの億万長者」とも言われるそうです。ニコラス・ベルクグリュン氏は投資の経験もすでに25年間ということです。絵のコレクションもすごく,Andy Warhol, Damien Hirst , Jeff Koonsといった作品を所蔵しているそうです。父親の死によって相続した絵画の一部については,ベルリンのシャルロッテンブルク宮殿に委託されているそうです。

神奈川県立近代美術館(葉山館)(神奈川県一色郡葉山町)

2010年08月17日 | 風流道楽
【日本の美術館その9】
私のお気に入りの美術館の一つに神奈川県立近代美術館(葉山館)があります。
神奈川県立近代美術館は,鎌倉の鶴岡八幡宮から間借りした建物からスタートしていますが,手狭のため鎌倉別館を増設し,さらに葉山にも2003年10月から葉山館を設けています。
葉山の美術館は,葉山御用邸の近くのようで,JRの逗子駅又は京急の京急逗子駅からバスで行きます。バス路線も,葉山マリーナなど名前だけ知っていて私には縁のないような場所も通って行きます。

さて,神奈川県立近代美術館(葉山館)も何度か既に訪れておりますが,印象に残っておりますのは,4年前に見た「儚くも美しき祝祭 パウラ・モーダーゾーン=ベッカー 時代に先駆けた女性画家」と題する展覧会です。以前に紹介しました伊丹の美術館の展示とは違いまして,パウラ・モーダーゾーン・ベッカーの作品が時代にあわせて整理され,たくさん展示されていたような記憶です。



葉山館には,ほかにも「現代ドイツの巨匠とホピ族の精霊たち アンテスとカチーナ人形 」にも行っています。

美術館のエントランスや廊下はガラスが多くて明るいので,とても気持ちがいいです。

美術館のエントランス



レストランも値段と味のバランスはあまりいいとはいえませんが,雰囲気はいいです。

レストランと海



またミュージアムショップのボールペンもセンスが良く,かつ,使いやすいです。