だいぶ前になりましたが、10月中に新宿歴史博物館で開催されました「現代人から見た『論語』~儒学的なるものの今日的意義~」と題する講演会に参加しました。講師は鶴見大学名誉教授の田口暢穂先生です。
毎年の恒例行事ですが11月に新宿区にある林氏墓地(林羅山とその子孫の墓所)が公開されるのを記念して開催された講演会です。
儒学とはいかなる思想なのか、儒学は日本にどのように受容され、どう発展したのか、特に江戸時代において昌平坂学問所において、また藩校や寺子屋でどのように儒学の教育が行われたか、さらに今日論語を読むにはどのような立場で読むのかといったお話を伺った後、論語のいくつかの有名なくだりを実際に読んで解説を聞くという内容の講義でした。
高校時代にはもちろん論語を読みましたし、大学の一般教養でも朱熹による論語集註を読んでいたことがありましたが、その後長らく読んでおらず、本当に久しぶりでしたが、有名なくだりなどを読んでいますと、すっかり忘れていながらも、先生のお話を聞いていますと、そういえばこんな解釈の違いがあったとか、朱熹の注ではずいぶんと都合よくというと語弊がありますが、孔子が善人となるように解釈されていたのだったと等忘却の彼方から少し記憶を取り戻すことができました。
昔風の講義で、昔風の雑談も交えながらのお話をとても興味深く拝聴しました。
あとしばらく頑張り仕事をして退職したら、新宿歴史博物館で講演を聴いたり、ボランティアをしたりして一日中過ごしたいものです。