道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

ミッション[宇宙×芸術]コスモロジーを超えて(東京都現代美術館)

2014年08月31日 | 美術道楽
東京都現代美術館で開催中(8月31日まで)のミッション[宇宙×芸術]コスモロジーを超えてと題する展覧会に行きました。



以前にオープニングのことを書きましたが、要するに宇宙に関するもの、つまりロケットの破片や宇宙服などの物と宇宙に関連した芸術の展覧会です。芸術の方の「宇宙に関連する」というのはかなり広いので何でもありのような感じがします。
ポカリスエットや日清食品などの宇宙を舞台にしたCMの映像もありました。
また全世界の宇宙飛行士達の記念切手もありました。

鈴木康広《りんごの天体観測》など興味深かったです。
この展覧会の見所は、何といっても名和晃平さんの作品が一面に展示された空間ではないでしょうか。
残念ながら写真撮影の許可されている部屋ではないので、ここで紹介することはできませんが。

谷川俊太郎の詩も新鮮です。

チームラボ《冷たい生命》



チームラボ《憑依する滝 人工衛星の重力》



原哲郎&東京スペースダンス《スペースダンス・イン・ザ・チューブ》無重力を疑似体験できるそうです。







撮影可の作品もありましたが、名和晃平さんの作品をはじめ、関心を持った作品は撮影が許されていないものが多かったような気がします。




このほか同時開催として「ワンダフル ワールドこどものワクワク、いっしょにたのしもう みる・はなす、そして発見!の美術展」という企画展も開催されていました。



こちらは子ども向けの作品です。子ども向けに5人の芸術家が空間を作り上げ,そこで家族でくつろいだり,遊んだりすることができる内容です。橋本トモコさんの作品は見たことがあったので、すぐにわかりました。





別の部屋





常設展は「開館20周年記念 MOTコレクション特別企画 クロニクル1995-」と題して、阪神淡路大震災、オウム真理教事件が起き、不良債権の問題も大きくなってきた「1995年」について、 現代美術の分野において検証・展観する内容となっています。こちらも名和晃平、奈良美智、船越桂などの作品もあり、面白いのですが、残念ながら写真撮影ができません。阪神大震災直後の大阪の写真なども展示されていました。

6つの個展(軽井沢ニューアートミュージアムKaNAM)

2014年08月24日 | 美術道楽
軽井沢編おしまいの直前まできて、また更新することができなくないまま1週間放置してしまいました。
軽井沢旅行最終日には、軽井沢ニューアートミュージアムというところに行きました。旧軽井沢に向かう途中の駅前の通りにあるので、こちらはとても行きやすい場所にあります。

ここでは6つの個展と題して、草間彌生、サイトウ・マコト(同姓同名の人が多数いますが、2・26事件で暗殺された内大臣でもなければ、東大の先生や一橋の先生でもないようです。)、千住博、奈良美智、船越圭、井上有一などの作品が展示されています。
今回の軽井沢旅行は千住博尽くしのような気もします。草間彌生の空間はいつものように不思議な世界でありました。展示の合間に他の芸術家の作品(常設でしょうか)も展示されていました。

同時に、ジャン=ミシェル オトニエル「愛の遺伝子展 ~DNA of Love~」と題する展示もあり、オトニエルの作品も展示されています。オトニエルといえば、森美術館のLOVE展にもその作品が展示されていました。

1階はギャラリーになっており、ウォーホルの作品等が販売されています。また、売店にはレオ・レオーニのフレデリックの絵本まで売っていました。



軽井沢現代美術館(長野県北佐久郡軽井沢町大字長倉)

2014年08月17日 | 美術道楽
軽井沢現代美術館に行きました。バス停でいいますと図書館前から歩いて行くことができる距離になります。
「海を渡った画家たち・アーティストを育む都市」と題して、名和晃平、草間彌生、奈良美智などの作品を常設展として展示しているほか、「もの派展」として李禹煥,高松次郎などの作品も展示してあります。
このほか,2階のロフトのようなスペースでは特別展として山内龍雄の作品が展示されていました。
この美術館は,館内の写真撮影が許可されております。

2階にはギャラリーが併設されて、絵画を購入することもできます。
また入館料には、飲み物代が含まれており、リンゴジュースとお菓子をいただきました。







Cercle(長野県軽井沢町星野)

2014年08月14日 | 食道楽
軽井沢の星野リゾート・ハルニレテラス内にあるレストラン&デリとワインショップCERCLE(今回は誤植ではありません。)という店で昼食をとりました。
店内は世界各国から取り寄せた豊富なワインのほか、デリケースの中に入った料理を販売しており、雰囲気もよく食欲をそそります。
ランチメニューをいただきましたが、サラダとドリンクがセットになっていて、ワインも注文することができるようです。
パスタを食べたかったのですが、パクチーとナンプラーの味付けと聞き(少々凝り過ぎなのでしょうか。)、自信がなくなり信州地鶏のモモ肉のコンフィにしました。
普通に味わうことができました。ただ、いささか表面のカリカリとした感じが乏しかったようでもあり、モモ肉の脂が口に残りすぎる感じもありました。ソーセージもとても肉汁ジューシーでボリュームがありました。
やはりワインを飲むことが前提の料理であり、ワインを飲んだ方がすっきりしてよかったのかもしれません。
デリの料理の方が美味しそうかなとも思いました。

以前道を挟んで反対側のホテル・ブレストンコートの結婚式に呼ばれた際の料理はとても美味しかったので、この次はこちらの方で食事をしてみたくなりました。

サラダ



セゾン現代美術館(長野県北佐久郡軽井沢町長倉芹ケ沢)

2014年08月13日 | 美術道楽
軽井沢ではセゾン現代美術館に行きました。
以前にも行きましたが、今回は近くまで行くバスがなくなっており、少しバスで行くのにも不便になりました。

クレー、カンディンスキー、ジャスパー・ジョーンスなどの作品を見て、さらにキーファーの作品を見ます。
キーファーの《革命の女たち》と題する作品は、14台のスチールベッドから構成されています。独立した部屋にスチールベッドが並べられていて強制収容所のようにも見えます(強制収容所のベッドはもっと遙かに簡素で、すし詰めですが。)。この作品は、ロラン夫人、シャルロット・コルデーなどフランス革命期に活躍した具体的な女性をモチーフにしたものです。暗殺されたマラーが浴槽に横たわる絵は、ダヴィッドの絵で有名ですが、その絵の中の手紙の差出人として出てくる暗殺者シャルロット・コルデーが《革命の女たち》という名前にふさわしいのかどうか分かりませんが。
このキーファーの作品は、部屋の外側から見るだけで、近くではみられない上、見えにくいアングルもあるので、いささか残念です。
キーファーの作品では、ほかに《オーストリア皇妃エリザベート》という作品もあります。いわずとしれたフランツ・ヨーゼフ2世の皇后で、悲劇の皇妃として有名なSisiのことです。この作品には、王冠や髪の毛をイメージしたものが取り付けられているのですが、原材料は本当に人間の髪の毛ということです。こちらもなにやら強制収容所のイメージが・・・と思うのは牽強付会でしょうか。
キーファーの作品ではさらに《ヘリオガバル》という作品もあります。

このほか、ロスコやアンディ・ウォーホールの作品も収蔵されています。

屋外にはイサム・ノグチをはじめ彫刻作品も展示されています。
東京よりはだいぶ涼しい緑の中を彫刻を見ながら散歩するのもとても気持ちのいいものです。





軽井沢千住博美術館(長野県北佐久郡軽井沢町長倉)

2014年08月11日 | 美術道楽
軽井沢に出かけ、軽井沢千住博美術館に行きました。
日本画家千住博の作品が、西沢立衛設計の建物の中に所蔵されています。
建物も丸いフォルムに中庭を取り入れており、不思議な形になっています。

《ウォーターフォール》など千住博の作品ももちろんよいのですが、そこにこの建物がとてもあいます。起伏のある地形をそのまま利用した美術館の中でゆったりとした時間を過ごすことができました。

ヴァロットン展(三菱一号館)

2014年08月10日 | 美術道楽
三菱一号館で開催中のヴァロットン展に行って参りました。

HPによりますと
(引用はじめ)「本展は、日本初のヴァロットンの回顧展です。オルセー美術館およびフェリックス・ヴァロットン財団 の監修による国際レベルの展覧会として、グラン・パレ(仏・パリ)、ゴッホ美術館(蘭・アムステルダム) を巡回。そして2014年という日本・スイス国交樹立150周年の記念すべき年に、当館において開催します。 」(引用終わり)とのことです。

サブタイトルでも「冷たい炎の画家」という訳の分からないタイトルがついていますが、いささか変わった画家のようです。

《赤い絨毯に横たわる裸婦》、《トルコ風呂》に見られるように、裸婦も描いていますが、何か変わっています。いささかも美化していません。テレビの「ぶらぶら美術館」によれば、こうした絵を見ると男性はエロチシズムを感じるのに、女性は美しくないと感じるのだそうです。

有名な「ボール」と題する絵は、無邪気に遊んでいる子を描きながら、そこに影が迫っているように見え、不吉な出来事が起こりそうな不安な予感をいっぱいにたたえています。そして、何といっても《夕食、ランプの光》と題する家族の肖像画です。2人の子持ちの資産家の未亡人と結婚したヴァロットンの疎外感が描かれています。ヴァロットンは奥さんの家族とはあまり仲が良くなかったようですが、このような絵も含めて描いて公表しているところを見ると、実は本当は奥さんとの関係は問題がなかったのかもしれません。

《アンティミテ》intimiteと題する版画も、登場する人間の人物描写などその心理が描かれています。この版画は年数を決めてその範囲でのみ作成ということで、最終的に版木が廃棄されていますが、版木の廃棄を確認するために作成した版画(破壊した版木を組み合わせて印刷した版画)もとても前衛的で大変興味深く思われました。

ホルバインの《死せるキリスト》(バーゼル市立美術館にある絵で、何度も見てとても印象に残っている絵です。)から影響を受けた《短刀で刺された男》という作品もありました。

そして何といっても妙だったのは《竜を退治するペルセウス》です。
アンドロメダは中年の裸の女性として描かれています。どうみてもこれでは、アンドロメダが入浴中に急に便意を催し、裸のままトイレで排便中であったところ、突然、ゴキブリかねずみか何かが出てきて悲鳴を上げ、やむを得ず駆けつけたペルセウスが害虫駆除のため格闘しているようにしかみえません。アンドロメダも排便中のところを見られてしまってバツが悪いと感じているようにしか見えません。
本当に強烈な絵でした。

どれも普通の絵ではない展覧会のようで、単純によいとは思いませんが味があります。
いずれまた出かけてみたいと思います。

(補充)
後で思い出しました。妻を失ってうつ病になったオルフェウスが女性達に八つ裂きにされる絵もありました。
これなどもヴァロットンの女性観をよく表しているように思います。
家族の肖像画など一連の作品を見た後,いかにも「ヴァロットンらしい」と思いました。
もっともオルフェウスは、妻を亡くした後、水に浮かぶ自分の姿に見とれるなど「人類史上最初の同性愛者」なので、ヴァロットンはどうだったのだろうかなどとも考えてしまいました。

重慶飯店新館(横浜市中区山下町・ホテルローズ内)

2014年08月06日 | 食道楽
横浜に行きましたときは、ホテルローズ内の重慶飯店新館でランチをとりました。
昼もメニューが豊富なようです。
お手軽にリーズナブルランチにしました。
点心とヤキソバの組み合わせで食べましたが、麻婆豆腐の方がおいしそうだったようです。
また、リーズナブルランチよりも少し値段の上のランチの方が本当はお勧めなのかもしれません(料理がよく分からなかったので、料理の内容の分かるリーズナブルランチのい方にしてしまいました。)。



山県大弐の墓(全勝寺・新宿区舟町)

2014年08月04日 | 衒学道楽
最近になって新宿区舟町に山県大弐の墓があることを知りました。
しかもその場所は全勝寺。新坂をあがって通勤している自分は、毎日その前を通っていたことになります。全く知りませんでした。

山県大弐は、江戸時代の中期の儒学者です。武田信玄に使え、長篠の合戦で討ち死にした山県昌景の子孫と名乗っているそうですが、真偽のほどは不明です(山県有朋が山県昌景の子孫であるという珍説?よりは信憑性があると思われますが。)。
一時期は大岡忠光に仕えたこともあるようですが、過激な尊皇攘夷を唱え、果てには大義名分論に基づく倒幕思想を唱えます。その著書「柳子新論」では「其れ政事,東に移りて以来、世乱れ」とそもそも鎌倉幕府の開設による武家政治の始まりが諸悪の根源のように唱えています。
その思想は、当然のことながら、幕府に危険視され、最終的に明和事件で処刑されます。

山県大弐の墓ですが、生地である山梨県甲斐市のほか、茨城県石岡市や新宿区舟町にあります。全勝寺には表示がなく、結局、確認することができたのは記念碑まででした。






能面と能装束(三井記念美術館展)

2014年08月03日 | 美術道楽
三井記念美術館で開催中の「能面と能装束」展に行きました。
オペラの好きな道楽ねずみは能がそれほど大好きという訳でもありませんが、それでも毎年新宿御苑の森の薪能には出かけますし、昔は新年に国立能楽堂に出かけたり、京都にいました時は平安神宮の薪能に出かけたりと、能にも関心があります。

今回、三井記念美術館のコレクションを見て、改めて能面や衣装について知識を得ることができました。能面の裏側を見ることができるというのも貴重な機会です。

能面は、「翁」の面をはじめ様々なものが展示され、しかも2つの面を対比して展示されたりもしていました。
不動の面は、不動明王に似せて作られた面ですが面を付けたら顔から離れなくなり、無理に剥がそうとしたら顔の皮まではがれてしまったという怖い言い伝えのあることなど知りました。不動の面の見た目のいかつさや面の裏側の妙にフィットするような造り、それと面の材料の樹木から出たタールが血の痕跡のように見えることからこのような言い伝えができたのでしょう。
音声ガイドにしたがって、能面をいろいろ角度を変えて見ますと、意外に表情が豊かなのに驚かされます。特に孫次郎作といわれる「孫次郎(オモカゲ)」を音声ガイドにしたがってみていますと、左右対称ではありませんし、上、下、右、左それぞれ方向を変えてみますといろいろな表情に見えてきまして、皆同じではありません。
私は能役者というのは顔を傾ける演技と扇子で表情を出しているのだと思っていましたが、その前提として能面が能役者の傾けた位置によってこんなに表情が豊かになるのだということを知りませんでした。
また女役の能面の髪の毛の描き方にいろいろ年齢を表す意味があるということも今回初めて知りました。

豪華な能衣装も、衣装それ自体だけではく、描かれるものにも深い意味があることを知りました。明治期に作られた刺繍七賢人模様厚板唐織などは、竹林の七賢人のほか、我々ねずみ属の仲間であるハリネズミまでも描かれていました。

他に歌舞伎の衣装も展示されています。

能の小道具のうち、扇子に勝修羅とか負修羅とかあり、演目や演じる役によって違うとは知っていましたが、能面や能装束も奥が深いようです。

能の世界は、知らないでみても楽しめますが、知識が増えてみてもまた楽しめます。
大変いい物を見せていただきました。
時間があればまた行きたいのですが、なかなか難しいかもしれません。



横浜大飯店(横浜市中区山下町)

2014年08月02日 | 食道楽
横浜に出かけた際にランチタイムに横浜大飯店の食べ放題コースをいただきました。
1人税込み3218円です。
オーダー形式のバイキングで本格中華がいただけます。
11時の開店から間もない時期に入りましたが、既に多くの客が入っており、その後も次ぐ次と入り、11時30分ころに料理が出始めましたころには既に満席です。
フカヒレのスープ、北京ダック、フカヒレ蒸し餃子、小籠包など次々と注文し、最後には杏仁ソフトクリームをいただきました。
どの料理もおいしくとても満足です。特にフカヒレ蒸し餃子などの点心や卵と海老の炒め物など、味や香料のきつくない料理が特においしかったと思いました。北京ダックも量は多くありませんでしたが、普通に美味しく思われました。

メニューは皆写真付きで、注文も番号で注文し、店の人が端末で番号を入力すると、とても効率的で間違いがありません。
入り易く注文しやすくおいしいので言うことがありません。

平日12時前に店に入ってバイキング形式で注文するということは、普段の生活ではあまり考えにくいことですが、とても美味しく満足できましたので、いつかまた出かけたいと思います。


おいしさから食べ物に夢中となり、不覚にもほとんど写真を撮ることを忘れてしまいました。