道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

お花見2015

2015年03月31日 | 風流道楽
先週末に一気に桜が咲いてしまいました。
そのため予定をいろいろ変更してとりあえずお花見です。

小石川後楽園
このしだれ桜が好きで毎年見に行きます。





涵徳亭と桜




六義園のしだれ桜
こちらも毎年のように見に行きます。
冒頭の写真がライトアップされたしだれ桜の全体です。




博物館でお花見を(東京国立博物館)

2015年03月30日 | 美術道楽
トーハクで「インドの仏」を見た後、常設展で開催中の「博物館でお花見を」という企画を見に行きました。
常設展の中か桜の花に関する作品をセレクトしたものです。
狩野長信筆《花下遊楽図屏風》
右隻の一部は焼失しているようで、空白です。





俵屋宗達《桜山吹図屏風》





狩野伊川院(栄信)《勿来関図》
説明はありませんでしたが、勿来の関と桜といえば、八幡太郎義家の絵なのでしょう。
『千載和歌集』にも収録されている「吹く風を勿来の関と思へども道もせに散る山桜かな」の歌のエピソードと思われます。



尾形乾山《桜に春草図》



円山応瑞《桜図扇面》




このような花見もいいものです。

インドの仏(東京国立博物館)

2015年03月29日 | 美術道楽
トーハクで開催中の「インドの仏」展に行きました。正確には特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」というのですが、ド派手でめちゃくちゃ安っぽくて品のないポスター「インドの仏」のネガティブなイメージが強烈すぎるので、「インドの仏」という名前しか覚えられません。



ポスターの安っぽさからマイナスイメージを持ち、科学博物館で開催するような子ども向けの企画と思って出かけたのですが、思ったより面白い内容でした。

シャカの生涯の紹介も仏教芸術を通じて紹介されます。こうやってみていますと、キリストの生涯よりも遙かに知らない(といいますか聞いたことはあるのですが、完全に頭から欠落している。)話が多いのに驚きます。キリストの話であれば、むち打ちの話や復活の話など宗教絵画で慣れ親しんでいるのに、シャカの生涯については今までいささかも関心を払っていなかったようです。

そして仏像が登場する前の仏足石、法輪などを見た後、ガンダーラとナーランダーの初期の仏像を見ます。
また、菩薩やストゥーパを見て、さらに密教の世界も紹介されます。インドの伝統的な神々の世界の影響なども興味深く見ました。

仏像でやはりいいなと思いましたのはガンダーラ美術でした。
自分がいかに西洋美術の世界の方に親近感を感じているのかを逆に知らされる結果になりました。

音声ガイドは、塩田真弓さんでしたが、特別出演で、みうらじゅん+いとうせいこうが登場します。この2人のナレーションはっきりいって五月蠅いだけでした。
今回の企画はこの2人がサポーターになっているのですが、ポスターやチラシの活字もこの2人によるものなのでしょうか。親しみ易くしようという配慮かもしれませんが、かえってつまらなそうという先入観を与えてしまいます。

(企画の趣旨)
(引用はじめ)インド東部の大都市コルカタ(旧カルカッタ)には、1814年に創立したインド博物館があります。アジア最古の総合博物館であるばかりでなく、古代インド美術のコレクションは世界的にも有名です。このたび、同博物館の仏教美術の優品を紹介する展覧会を開催いたします。古代初期を代表するバールフット遺跡の出土品、仏像誕生の地であるガンダーラやマトゥラーの美術など、インド仏教美術のあけぼのから1000年を超える繁栄の様子をたどります。(引用終わり)

帰りには東洋館で常設展の仏像を見ました。

インドの仏像

やはりガンダーラ作品が素晴らしいです。


中国の仏像





「未見の星座(コンステレーション)」+「菅 木志雄」展(東京都現代美術館)

2015年03月22日 | 美術道楽
ガブリエル・オロスコ展に行ったついでといっては失礼ですが、同じ機会に「未見の星座」と題する展覧会と「菅 木志雄」展に行きました。

「未見の星座」というタイトルはまったくもって意味不明です。また宇宙×芸術のように星空がテーマの作品なのでしょうか?展示の内容をイメージすることもできません。
東京都現代美術館は、前回の「新たな系譜学をもとめて‐ 跳躍/痕跡/身体」もそうなのですが、意味不明のタイトルが好きで困ります。作品に煙に巻かれるのならいいのですが、果たして何の展覧会だかわからないタイトルは、自己満足でしかないので是非やめてもらいたいものです。
一応HPから企画の趣旨を引用しておきます。
引用はじめ)古来より、人々は夜空に輝く満点の星を眺め、それを自在に繋ぎ合わせて星座(=コンステレーション)を創造してきました。紀元前何千年も前からメソポタミア、エジプト、ギリシャ、アジア各地で「星座」が存在したことが知られていますが、世界中の人々は動物、人物、神々を瞬く星に重ねて見ることにより、その土地・その民族ならではの神話や伝説、宇宙観を夜空に描き出し、無限の想像力を飛翔させてきたのです。
心理学の分野においても、ある人の心の中の状況と偶然に起こる外的な出来事がふいに結びつき、全体として星座のようにまとまった意味として感知・理解されることを「コンステレーション」と呼んでいます。一見バラバラに見えるものや起こる事象に対し、われわれ人間は、無意識に何らかの連鎖を見い出し、意味づけする傾向をもっていますが、それは人間が広大な世界と対峙するために強化された認知のメカニズムの一つと言えるでしょう。
この展覧会では、世界にばらまかれた点と点の「つながり」を発見し、新たな「星座」をつかまえようとする作家たちの試みを紹介します。私たちが今いる「この場所」と「どこか違う場所」、そして「今」と「異なる時間」にあるもの、そして「自分」と全く縁がないと思っていた「他人」との不可視のつながりを彼らは鋭敏に感知し、その関係性や意味を絵画や映像やインスタレーションへと転化させていきます。
現実と想像の世界が交錯するような作品の数々――展覧会に訪れる人々もまた夜空を見上げる時のように、一見無関係で断絶しているような複数の作品の中からつながりを見い出し、自分と何かをつなぐ「星座」を探す旅へと誘われることでしょう。
満点の星がもはや見えなくなってしまった現代の都市に生き、大量の言葉やイメージに囲まれて生きるわれわれにとって、今、自力でコンステレーションを作り出す機会は限られたものになっていますが、本展覧会が世界のどこかに潜むまだ見ぬつながりを発見するための「問いかけ」、次なる何かを生み出すための「プラクティス」となれば幸いです。(引用終わり)


やっぱりわかりません。
展示の内容は7人のアーティストの作品の展示でした。床を含め部屋一面を壁画のようにした作品、消印のある切手で芭蕉の奥の細道の軌跡をたどった日本地図を描いた作品、映像作品等々でした。





菅 木志雄の作品は張り巡らせたワイヤーの上にオブジェを置くなど、微妙なバランスの上にようやく成り立っている調和等を表現したような作品が多く見られました。
こちらも企画の趣旨をHPから転載しておきます。
(引用はじめ)このたび東京都現代美術館では、当館のコレクションを代表する美術家、菅木志雄(1944年-)の待望の個展を開催することとなりました。1968年に多摩美術大学を卒業した菅は、「もの派」と呼ばれるこの時代の美術動向を牽引してきた作家であり、概念的思考と物質を結びつけた70年代的な試みは近年、再び注目を集め、半世紀に及ぶその一貫した活動は内外で高い評価を受けています。
石や木、金属板などを素材として空間の中に形成される菅のインスタレーションは、物質と物質を一つの空間に共に存在させることによって立ち上ってくる「風景」の生成といえます。物質が集合して存在すること、そこから生まれる相互の連関性を感性豊かに制御することで空間や物質が変容を始めます。創作行為という介入の結果により空間を活性化すること、それが菅の作品の本質にはあると言えます。
菅の作品は、現代のヴァーチャルなネットワーク社会にあってフィジカルな複雑さと実感を伴った世界との接触を求める私たちの内的欲求を反映しており、それが今日の評価に結びついています。本展は物質と身体、空間について菅作品が内包する多くの示唆に富んだ視点を、菅のコンセプトが先鋭的にあらわれた1970年代を中心に紹介するものです。新作を含むインスタレーションや平面作品、そして初公開となる制作ノートや記録映像を通して、今日、重要性を増すその思考と創造の独創的なありかたが明らかになることでしょう。(引用終わり)


こちらの展示の方がアーティストの伝えたいことが伝わるようで、興味を持つことができました。

ガブリエル・オロスコ展(東京都現代美術館)

2015年03月21日 | 美術道楽
東京都現代美術館で開催中のガブリエル・オロスコ展に行きました。
オロスコはメキシコ生の現代のアーティストですが、国内の美術館としては最初の初個展ということです。

金沢21世紀美術館の所蔵する《ピン=ポンド・テーブル》など興味深い作品が多数展示されています。
この《ピン=ポンド・テーブル》などは,実際に観客が卓球をしてもよいということで,驚きました。
車を縦に3等分し,真ん中の部分のみを抜いて切り合わせた《La DSカーネリアン》やコンピューターを用いて幾何学的に作成された《サムライ・ツリー》なども面白く思いました。非常によく考え抜かれて造られた作品という印象を持ちました。
ほかにも写真の作品も多数あり,寝ているワンちゃんの写真も面白く見ました。

また出かけて見たいです。

HPからの紹介
(引用はじめ)
ガブリエル・オロスコ(1962-メキシコ生)は、1990年代前半から現在まで国際的に活躍している現代美術を代表するアーティストの一人です。
オロスコは、路上に打ち捨てられた物や何気ない風景の中から魅力的なかたちを発見したり、それらにほんの少し介入してかたちを変えたりして作品に転換します。日本庭園で石や砂を水の流れに見立てるのにも似た事物の新たな読み替えは、見る者にそれを読み解く楽しさを与えます。地域性や政治性を排除したユニバーサルな彫刻や、さりげないスナップショットのような写真は、90年代の現代美術を語る上で欠かせないものであり、現在活躍する日本の若手アーティストにも大きな影響を与えています。
人工物でも自然物でもこの世の事物はすべて、これまで移動したりかたちを変えたりしてきた内なる時間を有しています。事物と事物とが時に交わり、また離れるといったことを繰り返し、宇宙の中で万物が流転し循環するその様をオロスコは捉えます。
オロスコは2009年から2011年にかけ、ニューヨーク近代美術館を皮切りにテート・モダンほか世界の主要美術館で大規模な個展を開催するなど、現在も変わらぬ評価を得ています。一方で、これまでアジア圏ではあまり展示の機会はなく、今回は待望の国内美術館での初個展となります。本展では、自動車を分割して貼り合わせた代表作《La DS》や最新のカンヴァス作品など、オロスコの魅力を伝える過去から現在までを紹介します。異なる年代と場所で生まれた作品がここ東京で出会い、新たな循環が始まります。(引用終わり)


《ピン=ポンド・テーブル》






Manon Lescaut(新国立劇場・渋谷区本町)

2015年03月16日 | オペラ道楽
新国立劇場にマノン・レスコーを見に行きました。
新国立劇場は本来,この作品を2011年3月に上演する予定であったようなのですが,東日本大震災のために上演中止となり,今回主要キャストを4年前と同じメンバーで上演するのだそうです。
このような経緯からか新国立劇場も妙に気合いが入っているようです。

マノン・レスコーはアベ・プレヴォーの長編小説「騎士デ・グリューとマノン・レスコーの物語」(Histoire du chevalier Des Grieux et de Manon Lescaut )を原作とするもので,このテーマはよく知られた存在で,マスネも「マノン」という題名でオペラを制作しています(こちらは,以前にブログでも書きましたが,ナタリー・デセイ主演のオペラで見ました。)。
今回のオペラの演出は,ベルリンDeutsche Oper、ミラノ・スカラ座、ヴェローナ野外劇場、パリ・オペラ座、バルセロナのリセウ劇場などで活躍し,新国立劇場でも「カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師」を手がけた巨匠ジルベール・デフロ(Gilbert Deflo)で,舞台装置,小道具,衣装などもベルリンのDeutsche Operのものとのことです。
演出は白を基調として舞台を構成し,第1幕目のアミアンの旅籠,第2幕目のパリの屋敷の明るい場面を構成しています。それが一転して第3幕目では光の乏しい暗い場面,第4幕目の赤茶けた荒野の場面に変わっていきます。
第2幕目のマノンの金色のドレス,鏡とベッドの演出などとても興味深く見ました。
オケも今回はやや人数の多い構成でしょうか。音楽の美しいオペラですので,オケが重要ですが,今回は手堅く演奏したように思います。
主要キャスト,特にマノンとデ・クリューの歌もとても良かったように思います。舞台の美しさ,音楽と調和して素晴らしく思われました。また,ジェロント役の歌手の奇怪なメイクと奇怪な動きも面白く思われました。本当に演技派です。


【指揮】ピエール・ジョルジョ・モランディ(Pier Giorgio Morandi)
【演出】ジルベール・デフロ(Gilbert Deflo)
【マノン・レスコー】スヴェトラ・ヴァッシレヴァ(Svetla Vassileva)
【デ・グリュー】グスターヴォ・ポルタ(Gustavo Porta)
【レスコー】ダリボール・イェニス(Dalibor Jenis)
【ジェロント】妻屋秀和(Tsumaya Hidekazu)
【エドモンド】望月哲也(Mochizuki Tetsuya)


あらすじ
【第1幕】アミアンの旅籠屋の中庭は大勢の人で賑わっている。騎士デ・グリューがその場にたたずんでいると、乗合馬車が到着し、美しい少女マノンが降りてくる。彼女は兄レスコーに連れられ、修道院に入る道中だったが、デ・グリューは彼女に一目惚れ。マノンも彼に対して悪い気はしていない。しかし馬車に一緒に乗っていた大臣ジェロントもマノンを気に入り、彼女を連れ去ろうと企んでいた。その計画を知ったデ・グリューはマノンに一緒に逃げるよう誘い、またマノンも修道院に入りたくないため、2人でパリへの逃避行へと旅立つ。
【第2幕】贅沢好きなマノンはデ・グリューとの貧乏暮らしが耐えられず、結局ジェロントの愛人になり、豪勢に生活している。しかし愛のない暮らしに心が満たされず、贅沢な生活にも飽きている。そんなとき館にデ・グリューがやってくる。どうして自分を捨てたのか、君なしでは生きていけないと熱烈に迫るデ・グリューに、マノンも再び心に愛の炎を灯す。2人は抱き合うが、その場にジェロントが帰宅。マノンはジェロントの老いを馬鹿にする。怒ったジェロントは警察を呼ぶ。2人は逃げるが、宝石に執着して出遅れたマノンは捕まってしまう。
【第3幕】ル・アーヴルの港。ニューオーリンズへ流刑される囚人たちが捕らえられている。レスコーとデ・グリューはマノンを取り戻そうと奔走するが、計画は失敗。デ・グリューは、何でも仕事をするから自分もニューオーリンズに連れていってほしい、と涙ながらに看守に頼む。願いは聞き入れられ、彼も船に乗り込む。
【第4幕】ニューオーリンズ。不祥事を起こして居留地を逃げ出すマノンとデ・グリュー。荒野をさまよい歩くが、マノンの体力は衰え、もう動くことができない。マノンはデ・グリューへの愛を語り、水を求め、息絶える。


幻想の系譜ゴヤからクリンガーまで(神奈川県立近代美術館鎌倉別館)

2015年03月15日 | 美術道楽
神奈川県立近代美術館鎌倉別館で開催中の「幻想の系譜ゴヤからクリンガーまで」と題する版画展を見に行きました。
ゴヤ、ブレイク、ルドン、クリンガーなどの神奈川県立近代美術館の所蔵するコレクションからの展示で、鎌倉別館ではよく展示されます。

ゴヤは有名な《ロス・カプリーチョス(きまぐれ)》です。よく見る気持ちの悪い版画が並びます。

ブレイクの作品はダンテの「神曲」を版画化したものです。

ドラクロワの作品は「ハムレット」の版画です。このような作品があることを知りませんでした。ハムレットが「ねずみかな。」といってカーテンの向こうに剣を突き出し、オフィーリア父ポローニアスを誤って殺害する場面もありました。「はい。ねずみの夫婦です。」と言いそうになります。

ルドンは相変わらずウニのような版画です。

そしてマックス・クリンガーですが、今回はいつもみる《手袋》ではなく、《ブラームス幻想》という作品でした。
HPからの引用です。(引用はじめ)敬愛するヨハネス・ブラームスの60歳の記念に、クリンガーが捧げた版画集。ブラームスの5つの歌曲と合唱曲「運命の歌」の楽譜と歌詞に、版画を組み合わせるなどした全27葉(37面)で構成され、随所に多様な技法が駆使されています。クリンガーとブラームスは既に親交があり、本作に感激したブラームスは、クララ・シューマンにも同作を贈りました。音楽、文学、美術に共鳴する「幻想」の表現としても興味深い作品です。(引用終わり)
合唱曲《運命の歌》(Schicksallied)など良かったです。《運命の歌》の詩はフリードリヒ・ヘルダーリン作で楽譜にもヘルダーリンの名前が書かれたものもありました。この有名な3人のコラボ作品というのはすごいなと思った次第です。
マックス・クリンガーはライプチヒの人で、あのカフェ・バウムの常連客でしたし、シューマンも常連であり、ブラームスは2人とも親交があったのですから、きっとカフェ・バウムも訪れているのであろうと想像を膨らませながら見ました。



ルーブル美術館展(国立新美術館)

2015年03月08日 | 美術道楽
国立新美術館で開催中のルーブル美術館展に行きました。
ルーブル美術館展といいますと、隔年単位くらいでやっているような感もありますが、何せ膨大なコレクション。テーマを変えるだけでいくらでも展覧会は開催することができそうです。因みに2013年に東京都美術館え開催されたルーブル美術館展は、地中海がテーマでした。
そして、今回のテーマは風俗画。
つまり、宗教画、歴史画、肖像画、風俗画、静物画、風景画という西洋画のヒエラルヒーの中で中庸を行く風俗画をテーマにした作品です。
言うまでもありませんが、風俗画といっても、江戸時代の浮世風呂や浮世床とは事情が違う訳でありまして、考えようによっては何でも収まるような感じもします。

良かったと思う作品は以下のとおりです。
マセイス《両替商とその妻》:妻の表情の意味することを考えていくと興味深いです。
グルーズ《割れた水瓶》:間接的な表現と言われていますが、着衣の乱れを見れば誰だってわかります。
フィガロの結婚に出てくるバルバリーナの「なくしてしまったの・・・」の歌を即連想してしまいました。
フェルメール《天文学者》:有名な絵です。でも言われているほどではないかも知れません。
ティッツィアーノ《鏡の前の女》:鏡をうまく使った絵です。絵で立体を表現するという技法に感心しました。

ピーテル・ブリューゲルの《物乞い達》の絵の中の海老の食べかすは、余りにリアルで汚くて嫌でした。海老というよりサソリか何か生きている虫のように見えました。

最後に展示されているユベール・ロベールの絵でかつてのルーブル宮の中の様子を描いた絵も面白く思われました。今ではルーブル美術館所蔵の大作が展示されれているあの空間(最近訪れていないのですが、今でもたぶんそうなのでしょう。)があのような状態だったとはと興味深く思った次第です。

日本ではそれほど注目されることが多くなかったと思われる風俗画の世界、意外に楽しむことができました。宗教画や歴史画がなくても素晴らしいです。

それと余談ですが、風俗画というテーマからそうなるのでしょうか、ワンちゃんたちが絵の中に描かれている作品が多かったような気がします。


蟹しゃぶ

2015年03月03日 | 食道楽
バレエの帰りには久しぶりにかに道楽に行き,蟹をいただきました。

蟹の刺身がとてもおいしいです。
日本海岸を旅行して蟹を食べに行くのも良いのですが,なかなかおいしい蟹の刺身にはあずかれません。これは冷凍と解凍の技術の問題かもしれません。意外なことに東京で食べた方がおいしい刺身をいただけるようです。

ずわい蟹の鍋物が好きですが,たらばもしゃぶしゃぶでも美味しくいただきました。








これらの写真の料理のほかにもちろん蟹しゃぶの鍋、雑炊、デザートがあるのですが、酔ってしまい写真を撮るのを忘れました。

スイスデザイン展(東京オペラシティ・アートギャラリー)

2015年03月02日 | 美術道楽
東京オペラシティ・アートギャラリーで開催中のスイス・デザイン展に行きました。

スイス・ブランドの製品が多数紹介されています。
モンディーンの時計のコーナーにはスイス鉄道の駅の様子がスクリーンに映し出されています。スクリーンに投影された駅の中に実際に駅で使用されているモンディーンの時計が展示されています。そして、回りにはBasel SBBの駅で使用されているポスターがドイツ語、フランス語、イタリア語で標記されていました。私自身、昔はBasel SBBの駅は何度となく利用し、ここから夜行でパリに行ったこともありましたので、何とも懐かしい気持ちになりました。
他にもお土産によく使われる携帯用のミリタリーナイフなども展示されていますし、有名なスウォッチやバリーもあれば、USMハラ―の家具もありました。
スイスのデザインは、普遍的なもので、あまり強い個性を発揮しない、それでいて実用的ということです。
家具や照明器具、キッチン用品などは興味深く、自分の家にも欲しいかなどと考えてしまいました。

最後のコーナーはコルビジェ特集でした。

冒頭の写真はUSMハラ―の家具です。

こちらは日本の切り絵を取り入れたデザインとのことです。



エトワールへの道程2015(新国立劇場・渋谷区本町)

2015年03月01日 | オペラ道楽
新国立劇場のバレエ研修所の研修生のお披露目会である「エトワールへの道程2015」に行って参りました。

バレエ研修所には高校生くらいの年齢の人たちが入所するようです。ですので、卒業してもまだ19歳ということで、驚きます。予科生に至っては中学生の年齢でしょうか。

第一部では練習用のバレエと研修の様子の写真のお披露目の後、それとストーリー性がわずかながらある短いバレエを見ました。
第二部では、ようやく「眠れる森の美女」の一部の上演がされました。

正直なところ、第一部は純然たるお披露目、いささか悪くいえば学芸会なので、こちらはバレエ研修所の先生と家族の方だけでやってほしかったなと思いました。第二部のみでよかったように思います。

バレエは余り見ないのでよく分からない所もありますが、第二部の上演の方は、皆頑張っていたように思います(上手、下手があるのは仕方ありませんが。)。今回もオケの弦楽器がちょっとボリュームを出し過ぎて危うい気がしました。もう少し慎重だとよいのですが・・・