道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

クレオパトラとエジプトの王妃展(東京国立博物館)

2015年07月12日 | 美術道楽

7月10日に東京国立博物館で開催された「クレオパトラとエジプトの王妃展」の開会式と内覧会に参加しました。

 

最初にトーハクの館長さんやルーブル美術館の役員、モナコ公国の大使、NHK関係者、朝日新聞関係者等のスピーチがあり、テープカットの後、内覧会となります。

 

今回は世界中から古代エジプトの名品を集めた展覧会ということで、ルーブルだけからというような展覧会ではありません。

女性にも焦点をあてた展覧会で、特にハトシェプスト女王、王妃ティイ(アメンヘテプ3世の妃でアメンヘテプ4世の母)、ネフェルトイティ(ネフェルティティ。アケン・アテンことアメンヘテプ4世の妃)、クレオパトラの4名に焦点があてられていました。ティイが他の3名ほど存在感があるのかどうかは分かりませんが、昨年のメトロポリタン美術館展でもネフェルティティとハトシェプスト女王は取り上げられていたので、今回はメトロポリタン美術館展と差別化を図るために4名の女王、王妃の組み合わせにしたかったのかもしれません。

 

ネフェルティティの顔面像は、ベルリンからきているとはいえ、もちろんあの有名な新美術館の《ネフェルティティ像》ではありませんが、十分に写実的でアマルナ芸術の真価を発揮しています。

ところで、今回のネフェルティティ像は、《ベルリン・エジプト美術館》からとありますが、現在はベルリンにエジプト美術館という美術館(建物)はなくなっており、博物館島の新美術館の所蔵品だと思うのですが、その中の古代エジプトとパピルス・コレクション類のことを《エジプト美術館》とくくるのでしょうか。不思議なくくり方です。箱物はどうでもよいのかもしれません。

ネフェルティティ像の近くに、開会式にも来賓としてこられていた早稲田大学の近藤先生のお姿を発見しました。この間、参加下新宿歴史博物館のご講演で講師を務められた先生です。

 

トリノやヴァチカンからもクレオパトラやカエサルの像が来ています。

 

小さな装飾品も多いのですが、大きな像も多く、十分にエジプト美術の雰囲気を味わうことができました。


サイトゥオンブリー:紙の作品(原美術館)

2015年07月04日 | 美術道楽

品川の原美術館で開催中のサイトゥオンブリー:紙の作品と題する回顧展に行きました。

サイトゥオンブリーとは、Cy Twomblyと書き、アメリカの作家のようです。

サンクトペテルブルグに始まり全世界で開催されたCy Twonblyの回顧展が、原美術館向けにアレンジされて開催されているとのことです。ドローイングを中心に様々な作品が展示されています。

作品の多くは紙へのメモのように見えます。

子供が大学ノートに気づいたものをメモしただけのような作品も多くあります。タイトルも《無題》になっているので、訳が分からない感じがします。稀に《プラトン》、《オルフェウス》、《ヴェヌス》、《アポロン》など聞いたことのあるタイトルもありますが、タイトルを見ても分からない作品も多いです。

書いてある文字の中に、我々の仲間を意味するmouseと書いてある作品と少し色彩の混じっている抽象画のような作品だけは、親近感を抱くことができましたが、それ以外の作品はよく理解することも、また、雰囲気としても味わうこともできないまま終わってしまったような気がします。

やや難解な回顧展でした。