道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

<遊ぶ>シュルレアリスム―不思議な出会いが人生を変える―(損保ジャパン東郷青児美術館)

2013年07月16日 | 美術道楽
損保ジャパン東郷青児美術館にシュルレアリスム展を見に行きました。

ピカソ,ルネ・マグリット,マックス・エルンスト,ダリ,ミロ,キリコなどの有名な絵画もありましたが,ほかにもマン・レイやデュシャンの作品もあれば,ハンス・アルプ,アルベルト・ジャコメッティなどの彫像作品,さらにはなぜか植田正治の写真までありました。

モナリザに髭を描いたデュシャンの「L.H.O.O.Q」はアルファベットをフランス語読みしてリエゾンをすれば,Elle a chaud au cul、彼女の尻は熱い=彼女は性的に興奮しているになるのだそうです。

このほかにもFresh Widow(なりたての未亡人)をFrench Windowにかけた作品など,語呂あわせも見られます。
マン・レイのトロンプ・ルフ(卵)もだまし絵(トロンプイユ)にかけた作品で,実際にだまし絵になっています。
以前このブログでも紹介しましたマックス・エルンストのfemme cent têtes(百頭女ファム・サン・テット)の作品も展示されていました。こちらは語呂あわせの話は紹介されていませんでしたが,発音で区別できないfemme sans tête(頭のない女)とかけているようです。


ポール・デルヴォーの幻想的な世界やマックス・エルンストの不思議だけれど味のある絵がお気に入りでして,シュルレアリスムの作品は興味が尽きません。

レンブラント・ファン・レインの誕生日

2013年07月15日 | 美術道楽
Googleのトップページが今日はレンブラント・ファン・レインの自画像でした。
レンブラントは1605年7月15日生まれということです。
アムステルダム国立博物館の「夜警」やエルミタージュ美術館の「聖イサクの犠牲」など代表作だけでも数え切れない画家です。
今回,聖ステパノの石打ちの絵を挙げて見ました。

アンドレアス・グルスキー展(国立新美術館)

2013年07月14日 | 美術道楽
国立新美術館で開催中のアンドレアス・グルスキー展に行って参りました。グルスキーは現代ドイツを代表する写真家ということです。以前にも,2005/2006年のドイツ年のときの「ドイツ写真の現在」展(東京国立近代美術館),同じくドイツ年のときの「舞い降りた桜 ザハ・ハディドとめぐるドイツ銀行コレクション」(原美術館・品川),それと2008年の「アートは心のためにある」UBSコレクション展(森美術館)でも,グルスキーの作品は展示されていたようですが,日本で個展としての開催は初めてのことなのだそうです。

絵画のような写真であり,グルスキー自身も筆のかわりにカメラで作品を作成するという趣旨のことを言っているようです。ゲルハルト・リヒターのフォト・ペインティングとは正反対の手法のようです。

写真といっても多くは,たくさんの写真の合成写真です。パリ・モンパルナスのアパルトマンの部屋など同じような被写体をたくさん撮影して,それを一枚の写真に合成しているものもあります。またその中には,ボンにあった連邦議会の写真など,昼と夜の異なる時間で撮影された複数の写真の合成もあります。

また,同じテーマの写真の連作もあります。
・きれいな白の線が一直線入っているようで,実際には汚染された河に浮かぶ油の写真(白黒逆転させた墨絵のようです。)【バンコクという作品シリーズ】
・プラダのショーケースの写真【プラダという作品シリーズ】
・北朝鮮のマスゲーム大会のおびただしい人物の写真【ピョンヤンという作品シリーズ】
・世界の証券取引所シリーズ
などは,同じテーマで連作がありました。
これらの写真は,同じテーマで同じ箇所に集められているのではなく,バラバラにされ,違うテーマの写真と一緒くたにされています。そして,一度見たテーマの写真と同じテーマの写真を,別の展示コーナーで再発見することもあります。とても展示方法にこだわっています。この展示方法はグルスキー自身の指定によるのだそうです。

このほかにも,フランクフルト国際空港の出国ロビーの電光掲示板の写真(24時間分の合成写真)や商品棚に○○ユーロ99セントという価格の表示された商品群の写真など印象に残りました。後者の99セントという作品は,同じ物か同種のものを確かに日本で見た記憶があります。冒頭の写真の「カミオカンデ」も印象に残ります(この写真と同様で,展示物よりもずっと小さな物が出口でが撮影許可となっていました。冒頭の写真はこれを撮影したものです。)。
一番驚いたのはジャクソン・ポロックの絵を撮影したものが,「無題」というタイトルだけで何の説明も表示もなく展示されていたことでした。

ピエロ・デッラ・フランチェスカ「出産の聖母」

2013年07月08日 | 美術道楽
このブログにたびたび登場するドイツの美術カレンダーですが,今日はトスカーナのモンテルキにあるピエロ・デッラ・フランチェスカ作「出産の聖母」です。
ピエロ・デッラ・フランチェスカといえば,ルネッサンスの有名な画家です。
フィレンツェのウフィツィ美術館にある「ウルビーノ公夫妻の肖像」などで知られています。「出産の聖母」は,アレッツォ近郊のモンテルキという小さな村の教会の礼拝堂にあったもので,現在も本当に小さな美術館の中にあります。
画家が,母ロマーナに敬意を表わすために描いた作品と言われていますが,妊娠した聖母を描くことは珍しかったようで,日本で言えば安産祈願のような対象となり,信仰を集めたそうです。脇にいる天使も緑の衣と茶色の羽,茶色の衣と緑の羽というのが対となっているのが特徴的なのだそうです(モンテルキには日本語のガイドブックがなく,昔,モンテルキに行ったときに,ドイツ語のガイドブックを買って読んだときの記憶がまだ残っていました。)。

昔,アレッツォ,モンテルキ,サンセポルクロと回り,ピエロの「聖十字架伝説」,「出産の聖母」,「キリストの復活」を見たことなど思い出しました。特にサンセポルクロの「キリストの復活」はキリストが今起き上がったかのような絵で,とても印象に残りました。

そうそう,そういえば,レオナルド・ダ・ヴィンチ展が東京都美術館で開催していましたが,そこにはレオナルドとサンセポルクロ出身のルカ・パチョーリとの交流を示すものも展示されていたような記憶です。
ルカ・パチョーリは,複式簿記を理論的に説明し,「近代会計学の父」と呼ばれているそうです。
サンセポルクロに行った際には,日本の某有名簿記学校が,ルカ・パチョーリにちなんで,卒業旅行にはサンセポルクロに行くという話を聞きましたが,果たして本当のことなのでしょうか。私が担がれただけなのでしょうか。わかりません。

牛込七夕祭り

2013年07月07日 | 日常の道楽
2年ぶりに牛込柳町で開催される牛込七夕祭りに行きました。
昨年の七夕祭りときは,単身赴任先を離れることができなかったのです。

最近は外苑東通り沿いにも,そこから少し入った高級住宅街にもマンションにも随分とマンションが建ち並び,住宅地のイメージが強い地域ですが,七夕祭りのときばかりは普段と違った喧噪に包まれます。サンバカーニバルが有名ですが,ほかにも外苑東通り沿いの店が軒並み屋台を出します。

今年もリベルタージの皆さんお疲れ様です。今年も軽快なサンバを見せていただき有り難うございました。


ようやく治療終了

2013年07月06日 | 日常の道楽
久しぶりの東京勤務は忙しく,週末も出かけるよりも休養を取ることが重要で,ネタの仕入れがうまくいきません。

今週ようやく頭の手術の治療が一段落しました。
後は,手術痕に毛が生えそろうのを待つそうです。
はげが残る場合には再度その部分の皮膚を切って接合してと言われましたが,もう避けたいところです。順調に回復していますが,回復しなくても,年齢を考えれば円形脱毛症と誤解してもらえればよいかと思います。

写真は手術直後のイメージです。

Die Mausのブログからマウスのパスモケースの画像を借用させてもらいました。