道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

オペラTOSCA(新国立劇場)

2015年11月30日 | オペラ道楽

新国立劇場にオペラ・TOSCAを見に行きました。

この演目は、比較的初心者向けとも言われていますが、実は私は初めて見に行ったのです。

1994年12月にドレスデンのゼンパーオペラで見ようと思っていたのですが、チケット待ちで行列している途中に身体の調子が悪くなり、そのまま帰ってしまったことがありました。

今回、とうとうトスカを見ることができました。

 

新国立劇場がトスカを上演するのは、2000年、2002年に引き続き3回目ということです。既に実績のある演出ですが、なかなか豪華な舞台セットです。今風の演出ですと、スクリーンを多用して、簡素なセットで済ますことも多いような気がしますが、今回は珍しく豪華な舞台です。

第1幕の最後の舞台となる、テ・デウムの行われる教会は、教皇と思わしき人物が出てきますし、ヴァチカンにいるスイス人傭兵(黄色と青色の特徴的な制服でわかります。)まで登場します。教会の祭壇には、通常の90度に交わった十字架ではない、斜めに交わった×型の十字架に張り付けられたキリストの姿も描かれていますし、クーポラまで設けられています(これはだまし絵でしょうか。)。

第2幕の舞台ファルネーゼ宮にも、カヴァラドッシならぬカラヴァッジョの「勝ち誇るキューピッド」(ベルリンのGemäldegalerieにあります。)風の絵まで描かれています。

そして、第3幕は言うまでもなくサンタンジェロ城です。

いずれも安普請のセットではなく、本格的なセットで、今では却って目新しく見えます。

 

そして、このオペラの出来不出来は、なんといってもトスカ役の歌手の歌いに多くの部分を支配されますが、今回の マリア・ホセ・シーリはとても素晴らしかったです。第1幕目のカヴァラドッシの行動に不信を抱き、嫉妬を抱く場面から、第2幕目の有名な「歌に生き、恋に生き」の歌や第3幕目のサンタンジェロ城から身を投げる場面まで、歌も演技もとてもよかったと思います。

新国立劇場の会報誌によれば、第2幕目でこのオペラで最も注目される「歌に行き、恋に行き」を歌い終わった後、たまたまナイフを見つけ、それでスカルピアを衝動的にさしてしまう場面を演じるのは、歌手にとってとても大変で、中距離を全力疾走した後に、休まずに太極拳をするようなものとのこと。

その大変な歌と演技を見事にこなされていたと思います。

憎まれ役のスカルピア役の歌手も、歌も演技もよかったと思います。

 

大満足のオペラでした。11月末のバタバタとした時期に、しかも天候のいい日であったにもかかわらず、日中から暗いオペラハウスに入った甲斐もありました。

2015年最後のオペラ鑑賞にふさわしいいいオペラでした。

 

ただ、オペラ自体はよかったのですが、ブラボーおじさんには閉口しました。

カヴァラドッシ役の歌手の歌いの場面で、まだ歌いきっておらず、余韻も残っているにもかかわらず、我先にブラボーと叫ぶのはやめてもらいたいものです。賞賛を伝えたいのではなく、単に自分が一番先にブラボーと叫びたいだけで、列車が到着すると降りる人も構わずに真っ先に乗り込もうとする子供と変わらないような気がするのですが。

 

【スタッフ】

指揮  エイヴィン・グルベルグ・イェンセン

演出  アントネッロ・マダウ=ディアツ

美術  川口直次

衣裳  ピエール・ルチアーノ・カヴァッロッティ

照明  奥畑康夫

再演演出  田口道子

舞台監督  斉藤美穂

 

【キャスト】

トスカ  マリア・ホセ・シーリ
カヴァラドッシ  ホルヘ・デ・レオン

スカルピア  ロベルト・フロンターリ

アンジェロッティ  大沼 徹

スポレッタ  松浦 健

シャルローネ  大塚博章

堂守  志村文彦

看守  秋本 健

羊飼い  前川依子

合唱指揮  三澤洋史

合唱  新国立劇場合唱団

児童合唱  TOKYO FM 少年合唱団

管弦楽  東京フィルハーモニー交響楽団

芸術監督  飯守 泰次郎

 

【あらすじ】 

(第1幕)

共和政治が崩壊し、旧王制派の警視総監スカルピアの恐怖政治が行われている1800年のローマ。共和派で画家のカヴァラドッシが教会でマリア像を描いていると、捕らえられていた共和派のアンジェロッティが脱獄して逃げてくる。カヴァラドッシは仲間との再会を喜ぶが、恋人のトスカが来るので、慌てて彼を礼拝堂に隠す。話し声に不審がるトスカは、描きかけのマリア像が侯爵夫人にそっくりなことに嫉妬するが、彼の愛がゆるぎないことがわかり、安心して教会を去る。カヴァラドッシらが隠れ家に向うと、スカルピアが教会にやってくる。脱獄犯をかくまった証拠をつかんだスカルピアは、嫉妬深いトスカの性格を利用して2人の行方を突きとめようとする。

(第2幕)

捕らえられたのはカヴァラドッシのみ。アンジェロッティについて白を切る彼は、拷問部屋へ連れていかれる。拷問を受ける彼のうめき声を聞いたトスカは、たまらずアンジェロッティの居場所を白状してしまう。それでもカヴァラドッシは死刑囚として連れられてしまう。彼を助けてほしいとトスカが懇願すると、スカルピアは、代わりにトスカ自身を要求。トスカは泣く泣く受け入れる。スカルピアは、形だけは死刑執行しなければならないので空砲で銃殺刑を行う、と説明する。納得したトスカは出国のための通行証書を要求。書き終えたスカルピアがトスカを抱こうとしたとき、「これがトスカの口づけよ」とトスカはナイフでスカルピアを刺し、部屋を去る。

(第3幕)

牢獄のカヴァラドッシのもとにトスカが面会に行き、これまでと今後のことを説明。そして死刑執行のときを迎える。銃声が鳴り響き、地面に崩れ落ちるカヴァラドッシ。トスカが駆け寄ると、彼の命は尽きていた。そのときスカルピア殺害も発覚。兵士たちに取り囲まれたトスカは、絶望して聖アンジェロ城から身を投げる。

 

新国立劇場の中もクリスマスモードです。

 

 

 

 

こちらはオペラシティです。このクリスマスツリーも恒例です。

 

carmine(新宿区細工町)

2015年11月29日 | 食道楽

牛込中央通りに面したところにあるcarmine(カルミネ)に行きました。

昔近くにカルミネと同じ経営者がより手軽な店として開いていたpizzeria la volpaia(ヴォルパイア)にはよく出かけていたのですが、この店は閉店になったといいますか、カルミネに統合される形になりました。

 

今回、カルミネとしては初めて行くことになります。

メニューが豊富で、私の大好きなosso bucoまであります。

今回は、初めてということもありお手軽にピザを中心に食事をすればいいと思っておりましたので、最初に相方ねずみと共にねずみ属共用で。ムール貝とあさりの盛り合わせをいただきました。

ローマで同様の料理を食べた際には、あさりばかりで、日本の居酒屋メニューのようでしたが、こちらはムール貝もそこそこ入っていて、味もおいしいです。

 

さらにピザを食べました。

冒頭の写真が、私が頼んだピザです。意外にハムペーストが重く、また大きさもvolpaiaのものよりも大きかったので、普通にマルガリータでもよかったようです。

 

 

ローマやミラノのおいしい店にもひけをとらないおいしさです。

しかも、料理も豊富で、イタリアにいるのと同じ感覚で第1皿、第2皿と頼めるような品揃えです。

ぜひ、osso bucoほかいろいろな料理を食べてみたいです。

さすが、日曜日の夜早くから混雑しているだけのことはあります・

 

 


久隅守景展(サントリー美術館)展示替え後

2015年11月26日 | 美術道楽

展示替え後の久隅守景展に行きました。

 

納涼図屏風は東京国立博物館に帰ってしまい、代わりに鷹狩図屏風、近江八景図、賀茂木競馬・宇治茶摘図屏風、瀟湘八景図屏風などが展示されています。

この展示替えが最も大きな違いです。

このほか、富山の瑞龍寺の四季山水図屏風なども、4面単位で交代していますし、四季耕作図屏風も違うものが展示されています。

 

 

鷹狩図屏風は冬の大鷹狩り、秋の小鷹狩りを描いたものです。鷹狩りというと、武士の趣味と合戦に備えての軍事訓練というようなものを連想しますが、そこは久隅守景のこと、大あくびをしている人物や手鏡をみながらひげをぬく人物が描かれ、やはり平穏なというか暢気な人々の営みも描きこまれています。

賀茂競馬・宇治茶摘図屏風も、上賀茂神社の競馬(くらべうま)の最初のところで鼻をかんでいる人物も描かれていれば、競馬なんて関心ないとばかりに酔っている人物も描かれています。

 

すごい技量を備えている割には、力の抜けた人物や動物が描かれていて、やはり独特の味わいがあります。

今年の後半の企画展の中では久隅守景展はかなりいい企画展だったように思います。

 


東京国立博物館平成館考古展示室

2015年11月25日 | 美術道楽

東京国立博物館平成館の中で考古展示室が10月14日リニューアルオープンしました。

もうだいぶ前のことになってしまいましたが、その内覧会に行ってきました。

 

土偶、銅鐸、鏡、埴輪など、古代の様々なものが展示されています。

 

左:筒型土偶 右:ハート形土偶

 

 

 

 

 

 

三角淵龍虎鏡

 

 

狩猟文鏡

 

特に私のお気に入りは動物の埴輪です。

 

 

 

 下の2つは犬とイノシシです。

犬もイノシシも同じようにほんわかとした造りで一緒に見えますが、違いが分かりますか。

一番下の、首輪が付いているのが人間が飼いならして一緒に暮らしているワンちゃんです。

尻尾もワンちゃんは巻いています。

この埴輪を見てから、埴輪のシンプルな表情にも親近感が持てるようになり、ワンちゃんの埴輪が好きになりました。

 

もう少し後の時代のものも展示されています。

 

 

鴟尾(装飾用の瓦)7世紀から8世紀のもの

 

経筒:1103年のもの、これに経文を入れ地中に埋める。

 

このほか、貨幣など近世までの間の地中埋設物で発掘されたものも展示されていました。

 

おまけ:以下のものは、考古室のものではありません。

本館の源頼朝像

 

東洋館にあった古代中国の半円形の瓦

 

 

 

 


始皇帝と大兵馬俑(東京国立博物館)

2015年11月24日 | 美術道楽

東京国立博物館で開催中の「始皇帝と大兵馬俑」展に行きました。

兵馬俑といえば、始皇帝陵の副葬品の大きな石像だけど、それをいくら見ても仕方ないだろうと思いながら、行きました。

ところが、石像だけの展覧会ではありませんでした。

 

秦が中国全土を統一する前、すなわち春秋戦国時代の西方の一小国にすぎなった時代の秦の時代の文物から展示されています。褒姒の色香に迷った幽王の時代に西周が滅び、都が洛陽に移って東周となると、秦はそれまで周の本拠地であった関中に入り、西周のもっていた技術を学び、西周にならって高度な青銅器や玉器を作るようになります。

また、秦は関中盆地の東南にある商洛の地を巡り、楚や魏と抗争を続けて勝利するとともに、関中盆地の南の巴蜀の地を得て、肥沃な土地を得るとともにその文化も吸収します(この歴史は、三国時代に巴蜀の地を得てそこから北伐をして、天下を統一しようとした劉備、諸葛孔明を大いに励ましたことでしょう。)。さらに、秦は匈奴からは騎兵の制度や良質な馬を取り入れ、軍制改革にも努めたそうです。

今回のこの企画展では、このような秦の歴史が、具体的な文物をもっておうことができます。

秦の有名な法家である商鞅の支配していた商洛で発見された「商」の文字の入った半円形の瓦など印象に残りました。

 

そして、始皇帝ゆかりの品々も展示されています。特に兵馬俑で発見された銅車馬も、本物の2分の1の模型とはいえ、とても精巧で、十分にそのイメージをつかむことができました。テレビドラマの大漢風に出ていた始皇帝もこのような車に乗っていた記憶です。

張良が人を使って博狼沙を巡幸中の始皇帝に大鉄槌を投げつけたものの、当たらずに失敗したという有名な逸話がありますが、その際に始皇帝が乗っていた車がこれでしょうし、また最終的に始皇帝が巡幸の途中で息を引き取ったのもこの車の中なのかと思いますと、どんどんイメージが膨らんできます。

 

肝心の兵馬俑の石像です。一体一体違う表情ということで、それぞれ個性的です。将軍、兵士、御者など皆それぞれの地位にふさわしい顔立ちやいでたちをしているようです。弓をひくように身構えている石像もありました。

 

思いのほかいい展覧会でした。先秦時代から始皇帝の時代に思いをはせることができます。帰った後、改めて史記の秦本紀や秦始皇本紀を読み直しました。

 

 

撮影がOKな模型。


高幡不動菊まつり

2015年11月23日 | 風流道楽

既に終了しておりますが、日野市にある高幡不動の菊まつりに行きました。

多摩菊花連盟参加11市の菊作り愛好家の菊が出品されています。

 

例年は湯島天神の菊まつりにしか行かないのですが、高幡不動は敷地も広く、ゆったりと菊を見ることができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


マリーローランサン展(府中市美術館)

2015年11月19日 | 美術道楽

府中市美術館で開催中のマリーローランサン展に行ってまいりました。

 

ローランサンの20代全般の作品から晩年までの作品をおうことができます。

初期の作品はやや固く、緊張感のある自画像ですが、それがアポリネールと交際をするようになってからは、アニメのような自画像や、アポリネールをモデルにした作品《頭の尖った女性の肖像》といった作品を描くようになります。

ローランサンは、アポリネールだけではなく、ブラックやピカソの影響も受け、キュビズム風の絵画を描くようになります。このほか、ローランサンは、アンリ・ルソーの影響を受けた絵も描いています。よりによってアンリ・ルソーを手本にするなんて、やはりローランサンは不思議な画家という気がします。余人にはまねのできない変な構図の絵を描くのがアンリ・ルソーなのですから。

 

アポリネールとの蜜月が終わった時期に描かれた絵も展示されています。寂しそうな女性の姿も描きこまれた絵でした。

 

ローランサンは、その後ドイツ人貴族と結婚したものの、第一次世界大戦の勃発とともに、亡命生活を余儀なくされ、婚姻関係も破たんします。そのころからキュビズム風の鋭い線がなくなり、パステルカラー中心のローランサンらしい絵になります。

 

そして、晩年には平面的な構図から抜け出し、立体的な構図を描くようになり、色も現職で描くようになります。その間、バレエの衣装や舞台美術も手掛けたそうです。

 

私生活では、晩年は、若い家政婦と2人で暮らし、最終的にはその家政婦を養女としたそうです。

 

ローランサンの一生を通じた絵を見ることができて興味深く思いました。

特にキュビズム影響下の作品を目にすることは、ほとんどなかったと思われますので、興味深く見ました。

山田五郎の「ぶらぶら美術館」の番組でも紹介されましたが、ローランサンの描く動物はすべて犬をモデルにして描いたそうで、馬も馬に見えません。といって犬に見えるかといえば、犬にも見えず、やはり不思議な画家という印象を受けました。


府中市美術館の建物の前にある若林奮の《地下のデイジー》という作品です。


ゴーギャンとポン=タヴェンの画家たち展

2015年11月18日 | 美術道楽

汐留のパナソニック汐留ミュージアムで開催中の「ゴーギャンとポン=タヴェンの画家たち展」に行きました。

ゴーギャンは、タヒチやアルルとの結びつきのイメージが強烈ですが、タヒチやアルルに行く前後に複数回にわたりポン=タヴェンを訪れていたようです。

本展覧会では、ゴーギャンがまだ印象派の影響を残していた時代からいわゆるクロワゾニスムに移行した後の時代の作品まで展示されています。

ゴーギャン以外のポン=タヴェンの他の画家、エミール・ベルナール、ジョルジュ・ラコンブ、ポール・セリュジェなどの作品も展示されています。

 

私はゴーギャンの《アリスカンの並木道、アルル》がいいと思いました。この作品は、損保ジャパンの美術館の所蔵品でした。

このほか、ゴーギャンの《2人のブルターニュ女性のいる風景》もいい作品と思いました。この絵にはワンちゃんを初め、動物も描かれています。

エミール・ジュールダンの《屋根裏の風景》には、我々の仲間つまり、ねずみたちも描かれていました。

 


現代人から見た「論語」 儒学的なるものの今日的意義

2015年11月17日 | 衒学道楽

だいぶ前になりましたが、10月中に新宿歴史博物館で開催されました「現代人から見た『論語』~儒学的なるものの今日的意義~」と題する講演会に参加しました。講師は鶴見大学名誉教授の田口暢穂先生です。

 

毎年の恒例行事ですが11月に新宿区にある林氏墓地(林羅山とその子孫の墓所)が公開されるのを記念して開催された講演会です。

儒学とはいかなる思想なのか、儒学は日本にどのように受容され、どう発展したのか、特に江戸時代において昌平坂学問所において、また藩校や寺子屋でどのように儒学の教育が行われたか、さらに今日論語を読むにはどのような立場で読むのかといったお話を伺った後、論語のいくつかの有名なくだりを実際に読んで解説を聞くという内容の講義でした。

 

高校時代にはもちろん論語を読みましたし、大学の一般教養でも朱熹による論語集註を読んでいたことがありましたが、その後長らく読んでおらず、本当に久しぶりでしたが、有名なくだりなどを読んでいますと、すっかり忘れていながらも、先生のお話を聞いていますと、そういえばこんな解釈の違いがあったとか、朱熹の注ではずいぶんと都合よくというと語弊がありますが、孔子が善人となるように解釈されていたのだったと等忘却の彼方から少し記憶を取り戻すことができました。

昔風の講義で、昔風の雑談も交えながらのお話をとても興味深く拝聴しました。

 

あとしばらく頑張り仕事をして退職したら、新宿歴史博物館で講演を聴いたり、ボランティアをしたりして一日中過ごしたいものです。


神代植物公園 秋のバラフェスタ

2015年11月16日 | 風流道楽

ブログの更新は怠っていましたが、行動をしていなかったわけではありません。

 

10月末には、神代植物公園で開催していた秋のバラフェスタに行きました。

 

今までバラフェスタといえば、新宿御苑か旧古河庭園しか行ったことはなかったのですが、神代植物公園のバラフェスタはとても規模が大きいです。

しかもバラの種類が多いため、終了間際に行ったにもかかわらず、十分にバラの花を楽しむことができました。

まだこのころまでは日中暖かかったこともあり、バラの花と日光浴を思う存分楽しみました。

 

 

 

ゴールデン・メダイヨン(ドイツ)

 

 

モンパルナス(フランス)

 

 

菊の展示も始まっていました。

 

 


難民に紛れてISテロリスト流入

2015年11月15日 | 衒学道楽

イタリア紀行の記事を書くことがなくなってしまい、しばらくburn outしておりました。

 

この間、フランスでのテロもあり、大きな衝撃を受けました。 

 

フランスのテログループの中には、案の定10月に登録したばかりのシリア難民が入っていたとか。

当然のことですが、シリア難民の中には、大量の就労目的の自称「難民」(いわゆる経済難民)だけではなく、テロ目的のISメンバーも紛れ込みます。

難民を受け入れるということは当然の帰結としてISのテロリストを受け入れることになるので、今回のことは膨大なシリア難民が流入したことの当然の帰結です。

ISの流入経路は不明ですが、ドイツ経由である可能性もあるでしょうし、今回そうでなかったとしても、ドイツに紛れ込んだテロリストが再度事件を起こすことも十分に予想されます。

メルケル首相が他国にも諮らずに、バイエルン州にも諮らず、一人で暴走してシリア難民を受け入れた以上、その弊害はドイツ、特にベルリンにおいてすべて甘受すべきことは当然であり、その意味でシリア難民の問題は、本来、ドイツ一国が責任をもって解決すべきドイツ国内の問題であったはずです。しかし、現在のEUのシステムを前提にする以上、ドイツにテロリストが入るということは、ただちに他国にも「感染」するということになります。

ドイツが国境を開いて招き入れたトロイの木馬、つまりISのテロリストが、ヨーロッパ全域に広がってしまうということが心配でなりません。

 

メルケル首相がいかなる個人的な野心に基づいて自称難民の受入れに応じたのか知る由もありませんが、このような愚策を講じたメルケル首相は、首相としての資格を欠いているのですから、即刻退陣してもらいたいです。また、日本国内でも難民を受け入れるということがこのような結論も招来することを無視して、難民と称する者=すべて本当に政治的に迫害をされている善人、これを受け入れるのに消極的な国=すべて悪というような、恐ろしく単純な構図をねつ造して、虚偽の有害な事実のみを報道する朝日新聞も消滅してもらいたいものです。


ミラノ出発から帰国

2015年11月08日 | 旅道楽

長々と書きましたが、イタリア旅行編最終回です。

 

ミラノの空港にチェックイン後、免税店でお買い物をしました。

職場へのワインお菓子などのお土産、自分のお土産にネクタイなど買いました。

免税店でも中国人の爆買いを見せつけられました。中国行きの飛行機の方が先に出発するので、最初は混雑していましたが、しばらくすると落ち着いて買い物ができました。

 

買い物をした後は、しばらくラウンジで飲み物をのみながら休憩です。

ゆったりとして落ち着きます。

 

 

そろそろ飛行機に乗らなければなりません。

 

名残を惜しみつつ、離陸です。

 

帰路も機内食は充実しています。

 

最初のオードブルです。ワインを飲めるといいのでしょう。

 

最初の軽食です。

 

 

日本も近くなってから、最後の機内食です。

このパスタとてもおいしいのです。チーズの風味もよく、機内食とは思えません。

 

 

肉料理。こちらもおいしいのですが、やはり機内食ですので、よく焼いてあります。

ミディアムくらいだともっとおいしいのですが、機内食としての性質上無理なのでしょう。

 

 

デザート

 

コーヒー

 

こちらは相方ねずみのオムレツ

 

 

楽しいイタリア旅行でした。

ドイツと違い、言葉が通じません。イタリア語はあいさつ程度しか勉強していないので、困る場面も多かったです。下手くそな英語を何とか繰り出しても、通じないこともありましたし、美術館の解説もさっぱりわかりません。帰国後、ブログを書くために調べていても、ドイツ語ならわかるのに、英語だと難儀しますし、多くの場合、英語のものもなく、イタリア語なので実際さっぱりわかりません。

でも、それはそれでやはり慣れていない国に出かけるという面白さも感じました。

留学した国ではない、本当の意味での言葉の通じない国に行ってみるという楽しさを改めて認識しました。

今回は、昔イタリアに行った時のように、つり銭詐欺やすりにも遭わずに、快適な旅行でしたが、いつもそうとは限らないと思います。

それでもまたイタリアに行ってみたくなりました。

 

 

 

 


ROSSOPOMODORO

2015年11月06日 | 食道楽

ミラノの最後の夜、そして今回のイタリア旅行の最後の夜は、ミラノ中央駅の中にあるROSSOPOMODOROで食事をしました。

チェーン店なのでしょうか、イタリア各地にあるようで、ミラノの空港にもありました。

お手軽な店です。高級な雰囲気はまったくありません。駅のちょっとしたレストランでピザやパスタをお手頃な値段で食べることができます。

特別おいしくはないのですが、普通に楽しめます。ローマのヴァチカンの近くの店やミラノの中央駅から徒歩圏にある別の店は、かなりまずい店でしたが、ROSSOPOMODOROは積極的にまずいということはありません。

イタリアにおける最後の晩餐は、いいものを食べたいという気持ちもあったのですが、荷造りもありましたし、なるべく睡眠時間も多く取りたかったので、さっと早めに食べて、早く就寝することにしました。なにせその日は、1日でなんと

21.56キロ

も歩いてしまったので、疲れてもいました(イタリア滞在期間は毎日10キロ以上歩いていましたが、この日は最長距離で、現在までこの記録はいまだ破られていません。)。というのは、ねずみたちは美術館を隈なく走り回った挙句、スフォルツァ城からドゥオモまでも歩いて、街並みを楽しんだからです。

 

思えば今回のイタリア旅行、実はあまり食のこだわりはなかったようです。ひたすら美術に凝り、そのために莫大な距離を歩き回りまして、そのための体調管理のため、すっかり暴飲暴食を控えてしまいました。

もう少し、ローマの名物料理などとことん食べてみたい気もしましたが、美術を優先してしまいました。

 


スフォルツァ城(ロンダニーニのピエタ)

2015年11月05日 | 美術道楽

とうとう今回のイタリア旅行、美術道楽は今回が最終回になりました。

 

スフォルツァ城の博物館は、今まで紹介してきたもののほか、トリヴルツィアーノ図書館、考古学及び古銭博物館等もありますが、今回時間不足ですので、最後にロンダニーニのピエタを見て、おしまいにすることにしました。

スフォルツァ城のHPをみますとMuseo Pieta Rondaniniと独立して項目がありますから、ピエタの置かれている建物で、少なくとも博物館内部では1個の独立した美術館なのでしょう。

この美術館といいますか、建物はミケランジェロのロンダニーニのピエタを展示するためだけの建物といって過言ではありません。

関連の展示はありますが、ほとんどピエタに尽きています。

ミケランジェロは4つのピエタを残していますが、このピエタは最晩年のもので、未完成です。

聖母が死んだイエスを抱いている構図なのですが、むしろイエスが聖母をおぶっているように見えなくもありません。wikiの情報によりますと、これはそう見えるというだけではなく、ミケランジェロの意図に基づくものということで、これによってイエスを亡くして悲しむマリアをイエスの霊が慰めていることが表現されているということです。いずれにせよ、顔などよくわからないような荒削りのままなので、後ろなどまだ石の塊なのに、それでいて聖母の悲しみが伝わってきて、未完成なのに高い感銘力を与える不思議な作品です。

 

 

 

道楽ねずみと相方ねずみは、昔、フィレンツェに旅行しているので、ローマのサンピエトロ寺院のピエタを含め、ミケランジェロの残した4つのピエタすべてを見たことになります。

 

大変な充実感、達成感と共にスフォルツァ城を後にしました。

 

 

 

 

 

スフォルツァ城(絵画館)

2015年11月04日 | 美術道楽

スフォルツァ城の古代博物館を出て、上の階に向かいます。

最初は、家具などの家の調度品や室内装飾編が続きます。

今日が実質最終日なのに、絵画の展示が出てこず、焦ります。

急ぎ足で歩いているとようやく絵画館に着きました。

 

たくさんの絵画がありましたので、地球の歩き方のお勧めをベースに紹介します。

 

 

 

 アンブロージョ・ベヴィラックア《聖母子》

 

 

マンテーニャ《栄光の聖母、洗礼者ヨハネ、大グレゴリウス、ベネディクト、ヒエロニムス》

 

セザール・ダ・セスト《聖ロッコの祭壇画》

 

 

フランチェスコ・ダ・タッティ《ボスコの多翼祭壇画》

 

 

 

B.ベンボ《多翼祭壇画》

 

ジョバンニ・ベッリーニ《聖母子》

 

 

ジョバンニ・ベッリーニ《男の肖像画(月桂樹を戴いた詩人)》

 

 

フォッパ《聖母子像》

2005年に千葉市美術館で開催されたミラノ展で、日本に来た絵です。

そのときの資料によれば、トリヴルツィオの聖母と呼ばれているようです。

 

フォッパ《聖母子(書物の聖母)》

 

フォッバ《聖セバスティアーノの殉教》

 

 

 フィリッポ・リッピ《聖母子像》

 

 

 コレッジョ《本を読む男の肖像》

 

 

ロレンツォ・ロット《若者の肖像》

この絵もまた2005年の千葉市美術館のミラノ展に来ていた絵です。

 

 

ティントレット《収入役ヤコポ・ソランツォの肖像》

 

 

 

カナレット《聖マルコの象徴、ライオン像を冠する円柱とスキアヴォーニ海岸を望む大堤の眺め、ヴェネチア》

これもまた2005年のミラノ展で日本に来ました。

 

 

 

 

 

 

カナレット《造幣所と聖テオドールの円柱を望む大堤の眺め》

 

 

その他 絵画館の中はこんな様子です。


 

 

このほか、地球の歩き方のお勧めには、ベルゴニョーネ《ピエタ》とあります。

どうしても見つけられませんでした。

スフォルツァ城を2回訪問し、イタリア語を話すことができないので英語で美術館員に質問もしたのですが、それでもどうしてもわかりませんでした。美術館員の方からは、ピエタはミケランジェロの作品で、ここではないよなどと言われてしまい、ミケランジェロのピエタ(のちに紹介します。)ではなく、ベルゴニョーネのピエタといったのですが、通じません。ベルゴニョーネって誰?、アルファベットがないとねとも言われましたが、生憎ガイドブックにベルゴニョーネの綴りはなく、最後まで通じませんでした。でも、美術館のおばあさんたちはみな、親切でした。

その後帰国してようやくわかりました。

ベルゴニョーネ=Bergognone=Ambrogio da Fossano=フォッサーノ

だったのです。そして、絵画館の表記はすべてフォッサーノに統一されていたのでした。

フォッサーノという画家の作品なら見た覚えもありました。

この作品でした。

これがベルゴニョーネ=フォッサーノの《ピエタ》です。

 

 

今回、ミラノに行ってみて、2005年の千葉市美術館のミラノ展がかなりいいものだったということを改めて実感しました。

当時は、佐倉で開催されていたゲルハルト・リヒター展のついでにいったくらいの認識でしたが、実際ミラノの美術館に行ってみますと、美術館の至宝とまではいえなくても、それなりに価値のある物を展示しており、特に中世から現代まで幅広いジャンルのものがミラノ展では展示されていたことがわかりました。当時は価値がわからず、漫然と見てしまったことが改めて惜しまれます。

 

チケット