道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

ヴァチカン美術館その8(旧ヴァチカン教皇図書館のギャラリー)

2015年09月30日 | 美術道楽

現代美術館を見た後は、システィーナ礼拝堂です。

システィーナ礼拝堂の紹介は、後にします。

ここでは、システィーナ礼拝堂を見た後の話です。

その後には、キリスト教美術館を経て旧ヴァチカン教皇図書館のギャラリーと呼ばれる回廊に出ます。

 

個々の作品はわからないのですが、こんな感じの場所です。

 

キリスト教美術館

 

旧ヴァチカン教皇図書館のギャラリーに入ります。

 

 

途中に売店がありますが、そこから右に回ったところに図書館の入口があります。

下の写真が入口の写真です。

ヴァチカン図書館の装飾も素晴らしいようです。内部を撮影した写真も見ていたので、入ることを楽しみにしていたのですが、今は一般公開していないということです。

 

仕方なくそのまままっすぐ進みます。

 

 

どこまで行っても天井がとても美しい回廊でした。

 

最後にジュセッペ・モモ作の二重らせん階段を降りて外に出ます。

この二重らせん階段は上りと下りと2つのらせん階段が、交わらないように組み合わせれています。

確か、レオナルドがシャンボール城にも同様のを作っていたはずです。

 

再びこの門を出ました。16:11でしたが、2時間も経たないうちに、再度この門をくぐるのです。

 

 

今回の旅、2回目の入場券です。ヴァチカン編、まだ終わっていません。

 

 

 

 


ヴァチカン美術館その7(現代美術館)

2015年09月29日 | 美術道楽

ヴァチカン美術館編まだ終わりません。

ラファエロの間を出ると、複雑な道をたどった末に、システィナ礼拝堂に入る直前に1階におります。

そこは、意外なことに現代美術館と呼ばれる現代美術のコレクションが広がっています。

 

アンリ・マティス《生命の木》

このデザインを使用したステンドグラスが、ロザリオ礼拝堂というところにあるということです。


吾妻 兼治郎氏の作品 タイトルは写真撮影失敗でわかりません。

 

フランシス・ベーコン《教皇ベラスケス2世の習作》

フランシス・ベーコンは同性愛者で有名ですし、しかも教皇何とかの肖像といった訳の分からない作品ばかり残しているのに、これを収集するなんてヴァチカンは懐が深いと感心しました。

 

ルツィオ・フォンタナ《ヴラニア.Gの肖像画》

 

ジョルジョ・モランディ《静物》

 

ジョルジョ・モランディ《イタリアの静物》

 

エルンスト・ルードヴィッヒ・キルヒナー《クロイツリンゲンの近くのボーデン湖の景色》

 

ガブルエル・ミュンター《十字架のある静物画》

 

パウラ・モーダーゾーン・ベッカー

《受胎告知》

 

エルンスト・バルラッハ《読書する僧侶》

 

オットー・ディクス《聖クリストフォロス》

 

マックス・エルンスト《キリスト十字架像》

 

 

 

 

 

 


ヴァチカン美術館その6(ラファエロの間)

2015年09月28日 | 美術道楽

ソビエスキの間を通り、「教皇宮殿」と呼ばれるエリアに入ります。

そこの中のラファエロの間に入ります。

ラファエロの間といいましたが、具体的にいえば、コンスタンティヌスの間、署名の間、ヘリオドロスの間、ボルゴの火災の間の4つの総称です。

 

コンスタンティヌスの間

 コンスタンティヌス帝がキリスト教に改宗するまでの物語は、いわゆる聖十字架伝説の一部のエピソードとかぶります。

昔アレッツォで見たピエロ・デッラ・フランチェスカの《聖十字架伝説》を思い出しながら見ました。

 

《十字架の出現》

コンスタンティヌス帝がマクセンティウスと戦うためにう進軍しているときに、上空に十字架が現れたというエピソードです。

 

《ミルウィウス橋の戦い》

 

《コンスタンティヌスの洗礼》

 

天井画

 

 

ヘリオドロスの間

《ヘリオドロスの神殿からの追放》

 

《ボルセーナのミサ》

 

《大教皇レオとアッティラの会談》

 

天井画

 

 

 

有名な「署名の間」に移ります。

《聖体の論議》

 

《アテネの学堂》

レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロなど当時の人物の顔が描かれています。

 

 

 《枢要徳》

 

 

 

最後はボルゴの火災の間です。

 

《レオ3世のカール大帝への戴冠》

 

《ボルゴの火災》

 

 

《オスティアの戦い》

 

 

 上部の天井画の丸い絵は、ペルジーノ《正義と慈悲に囲まれたキリスト》です。

 


ヴァチカン美術館その5(グレゴリアーノ・エジプト美術館、キアラモンティ美術館ほか)

2015年09月27日 | 美術道楽

実は機能紹介したピオ・クレマンティーナ美術館に行く前にグレゴリアーノ・エジプト美術館に入っています。

ピオ・クレメンティーノ美術館に入るには、グレゴリアーノ・エジプト美術館を通っていけという美術館の人の指示にしたがったからです。

考古学的には貴重なコレクション満載でしたが、そもそも関心が乏しく、行きがけの都合上入ったため、写真は1枚しかなかったようです。

 

横たわるナイル河の擬人像(ローマ・1~2世紀)

 

 

その後、ピオ・クレメンティーノ美術館に行ったことは昨日書いたとおりです。

ここで、ふと気づきました。キアラモンティ美術館には行っていませんでした。

ということで、キアラモンティ美術館の作品の紹介です。

もっとも、この美術館も誰の作品ということがわかっているものも少ないので、気がむくままに写真を撮りました。したがって、撮影対象は不明です。

 

 

 

 

アルテミスと犬だと思いますが、仔細不明です。

狩りの格好をした女性でワンちゃん連れているのは、アルテミスしかいないと思います。

 

 

 

今回も地図のギャラリーを通ります。

 

 

ソビエスキの間に入ります。

 

ジャン・マテフコ《ソビエスキのウイーン解放》

1683年のオスマン・トルコによるウィーン包囲に勝利し、ウィーンを解放したポーランド王ソビエスキの絵です。

 

 

同じくソビエスキの間なのですが、誰の絵か不明です。 

 

 

ソビエスキの間を通り過ぎた後は、以前にも紹介しました無原罪の御宿りの間です。

 

 

 

ここを通り過ぎるとラファエロの間です。

 

 

 

 

 

 

 

 


ヴァチカン美術館その4(ピオ・クレメンティーナ美術館)

2015年09月26日 | 美術道楽

昼食を済ませました。

ヴァチカン美術館はこの日、猛烈な混雑。たくさんのツアー客、特に韓国人の集団がたくさんいて、大混雑です。韓国人のツアーは1組当たりの人数が多く、しかも美術品の前にずっと居座るので、他の客は鑑賞するのが大変になります。

ランチも普通に座って昼食をとる食堂もありますが、並んでいていつになったら番が回ってくるのかわかりません。

ということで、セルフの店に並びましたが、ここも大混雑。相方ねずみが食事を買い出しに行ってくれたのですが、韓国人観光客だけは割り込みをして、そのマナーの悪さに閉口です。もっとも、これは個々の韓国人の一人一人までもが日本人とみるとすぐに嫌がらせをするという最近のトレンドによるものと思えてなりません。強い害意を持っていると感じます。こういうことは、中国人には見られない傾向のように思います。

 

不愉快なことは忘れて、美術鑑賞です。

 

今日は、グレゴリアーノ・エジプト美術館を経由して、ピオ・クレメンティーノ美術館の鑑賞です。

 

 

アポクシュオメノス 紀元前4世紀のブロンズ像の紀元1世紀の複製

 

ヴェルベデーレのアポロン 紀元前4世紀のギリシャの作品の2世紀のローマ時代の複製 八角形の中庭にあります

 

スキピオ・バルバトゥスの墓所

 

 

アントニオ・カノーヴァ《ペルセウス》1900年ころ 八角形の中庭

 

ラオコーン 紀元前2世紀のギリシャ作品の1世紀のローマ時代の複製

 

テイグリス川(アルノ川) ヘレニズム時代の原型の2世紀のローマ時代の複製 八角形の中庭

 

動物の間

大理石でできた動物でいっぱいです。

 

ヴェルベデーレのトルソ 紀元前1世紀 ムーサたちの間

 

ジュピターの頭部

 

 

円形の間

ツアー客でいっぱいなのがよくわかると思います。

 

円形の間の天井

 

 

《コンスタンティアーナの石棺》 ギリシャ十字の間

この赤い斑岩(斑状組織をしているが、火山岩に比べて石基部分の結晶が大きい火成岩)は、硬くてとても高価なもので、皇帝とその一族の墓碑に使用されるものでです。

ブドウの蔦が渦巻き状に描かれ、その中にはエロスがぶどう摘みをしています。エロスは、ブドウの木、ワインの神ディオニュソスと結び付けられた存在として理解されています。

コンスタンティヌス大帝と皇妃ファウスタの娘コンスタンティアーナの石棺ということです。

 

 

 《聖ヘレナの石棺》 ギリシャ十字の間

こちらは、コンスタンティヌス大帝の母ヘレナの石棺です。

ヘレナといえば、キリスト教に改宗し、その後、キリスト教がローマ帝国の国教となることに大きく寄与した人物です。

描かれているのは皇帝の蛮人に対する勝利で、本来はコンスタンティヌス大帝またはその父親のための石棺だったようなのですが、なぜか母親の石棺になりました。

 

ギリシャ十字の間のモザイク

 

《二輪戦車》 ビーガの間

 

 

 

 


ヴァチカン美術館その3(絵画館続編)

2015年09月24日 | 美術道楽

昨日一日で終わらなかったので、絵画館の続編です。

まだまだ絵を見続けます。

写真ばかりの羅列で申し訳ありません。

 

コレッジオ《救世主》

 

ジョヴァンニ・ベッリーニ《死せるキリストへの哀悼とアリマタヤのヨゼフ、ニコデモ、マグダラのマリア》

 

 ラファエロ・サンツィオ、ジュリオ・ロマーノ、イル・ファットーレ(ジョヴァンニ・フレスコ・ペンニ)《聖母の戴冠》

 

ティツィアーノ《聖母子と諸聖人》

 

ヴェロネーゼ《聖ヘレナ》

 

フェデリーコ・バロッチ 左《エジプトへの逃避途上の休息》 右《祝福されたミッシェリーナ》

 

 

カラヴァッジョ《キリスト降架》

冒頭の写真ですが、もう一度載せます。

これです。私の心にもっとも強く印象付けられたのはこの作品です。

作品の素晴らしさは言うまでもありません。しかし、それだけではありません。

この絵の写真を撮影しようとしていると、絵の前にアメリカ人と思わしき女性1名、男性5名の怪しい集団がいます。

女性が私に写真を撮ってくれと頼んできました。この絵の前でこの絵のとおりのポーズをみんなでするので、絵と一緒に撮ってほしいとのこと。

キリスト役の女性を支える役の人が意外に力仕事が大変そうなので、速やかに撮影したいとは思いつつ、大きな絵全体を入れ、なおかつ絵が隠れないように撮る構図を見つけるのは、すぐにはできませんでしたが、ようやく撮影を完了しました。

私の撮影した内容で一応了解が得られたので一安心です。

一部始終を見ていた相方ねずみの話によると、彼らは最初別の人に頼み、写真が満足することができる内容ではなかったので、私に頼んだようです。

いかにも良さそうなカメラをもっていてカメラオタクっぽいということで選ばれたのでしょうか。

彼らの写真を自分のカメラでも撮りたくなってしまいましたが、それはやめておきました。

でも、こんなエピソードが付いたため、カラヴァッジョの《キリスト降架》は今回の旅行で最も印象に残る絵になりました。

 

その構図

 

グイド・レーニ《聖ペテロの磔刑》

グイド・レーニって本当に”いたぶられる絵”の好きな画家だと思います。

 

ニコラ・プッサン《聖エラスムスの殉教》

 

 グエルチーノ《聖トマスの不信》

見た瞬間にグエルチーノの作品と分かりました。

東京のグエルチーノ展で見たことがある絵のような気がしており、相方ねずみもそう思っていたようなのですが、実は初めて見る作品でした。

このdéjà vu感はどこからくるのかと思ってグエルチーノ展の作品と照らし合わせたところ、色加減やキリストの体の表現からグエルチーノ展で見た《聖母のもとに現れる復活したキリスト》と頭の中で混同したようです。グエルチーノの最盛期の作品もまた、一見して彼の作品と分かる独特の味わいがあるようです。

 

 

 

ドメニキーノ《聖ヒエロニムスの聖体拝領》

 

 

ペーテル・パウル・ルーベンス工房《マントヴァ公国ヴィンツェンツォ・ゴンザーガの神格化》

 

 

ヴァンゼル・ベーテル《地上の楽園のアダムとエヴァ》

 

 

 バッティステッロ・カラッチョーロ《アベルの死に悲嘆にくれるアダムとイヴ》

 

これで絵画館終了です。

ずいぶん載せましたが、これでもヴァチカン美術館発行のガイドブックに掲載されている絵がまだ落ちています(ガイドブックにないものもかなり取り上げましたが。)。

疲れたので、このあたりでお昼休みにして、昼食休憩の後、再開します。


ヴァチカン美術館その2(絵画館)

2015年09月23日 | 美術道楽

ポポロ教会の後は、ヴァチカン美術館を再訪します。

目的は、前回では順路に入っておらず、パスされてしまったピナコテーク(絵画館)の見学です。

本当は予約をしておくべきだったのですが、実はローマ滞在中に予定を変更して、急きょこの日は昼間からヴァチカン美術館を訪問することになったため、予約もしないまま列に並ぶことになりました。予約なしで午前中早い時間だとものすごく待つと聞いていたので、少し遅れていくことにしました。

列の長さはそれほどではなかったのですが、次々とツアー客が入ってきて、なかなか進みません。待っていると、ツアーに入ればすぐに見られるよと誘いが次々と来るのですが、それではピナコテークに行くことができないと、ひたすら炎天下を待ちます。2時間ほど待って、ようやく入場することができました。

 

最初にミケランジェロの《ピエタ》の複製品です。

本物の方がサン・ピエトロで展示されているということに驚きます。

 

前回はいることのできなかった絵画館に入ります。

絵画の写真があまりに多すぎるので、今日は、絵画館までにすることにしました。→結局、絵画館の途中で終わりました。

 

メロッツォ・ダ・フォルリ《奏楽の天使》のうち《リュートと弾く天使》

ほかに《ヴィオラを弾く天使》等もあります。

 

 

 

フィリッポ・リッピ《聖母の戴冠、天使、諸聖人、寄進者たち》

中央が聖母の戴冠、右で跪く黒い衣装の人物が寄進者、左側手前が教皇グレゴリウスということです。

 

 

フラ・アンジェリコ《パーリの聖ニコラウスの物語》

下のはそのうちの《聖人の誕生、召命、貧しい三人の娘への贈り物》 からなります。

本来は国立ウンブリア美術館所蔵の「ペルージャの祭壇画」の据絵の一部です。

 


こちらもフラ・アンジェリコ《パーリの聖ニコラウスの物語》のうちの《皇帝の使者との遭遇、ミラのための穀物の積み荷の救出、座礁からの船の救助》です。同じく国立ウンブリア美術館所蔵の「ペルージャの祭壇画」の据絵の一部です。

 

ボッティチェリの追随者《セバスチャン》

 

カルロ・クリヴェリ《聖母子》

 

 

アントニオ・ヴィヴァリーニ《サンタトニオ・アバーテ多翼祭壇画》

 

 

 

 

ニッコロ・リベラトーレ《キリストの磔、聖ヴェナンティウス、ペトロ、洗礼者ヨハネ、Porphyry》

上記2つの祭壇画は、本来別の祭壇画を撮影しようとしたところ、どうも間違えて撮影したような気がします。 

 

 

ペルジーノ《十人委員会の祭壇画》

 

ラファエロ《オッデイの祭壇画》(3作品)

ラファエロ《オッデイの祭壇画》のうちの《聖母の戴冠》

 

ラファエロ《オッデイの祭壇画》のうちの《フォリーニョの聖母》

ラファエロ《オッデイの祭壇画》のうちの《キリストの変容》

 

レオナルド・ダヴィンチ《聖ヒエロニムス》

 

絵画館の途中で終わりになってしまいました。

この絵画館、本当にすごいのです。

とても一日でアップできません。

この絵画館を多くの観光客は見ないまま帰るなんてとてももったいないと思います。


サンタ・マリア・デル・ポポロ教会

2015年09月22日 | 美術道楽

早いもので、とうとうローマで観光する最終日になりました。イタリア旅行編はまだ続きますが、この翌日はミラノにたつので、この日の観光がローマ観光の最後になります。

この日は、まず朝一番にポポロ広場に行き、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会の見学からスタートです。

まだ誰も入っていない教会に一番乗りでしたので、ゆったりと見ることができました。

 

ポポロ広場

オベリスクと双子の教会がシンボルです。

双子の教会はサンタ・マリア・モンテサント教会(左)とサンタ・マリア・デイ・ミラコーリ教会(右)の2つです。

仲良く並んで二つでセットという感じで、2人で1セットのジノヴィエフとカメネフ(ソ連時代に、レーニンの死後、スターリンと権力闘争をした政治家たち)みたいな印象を受けます。

見た目は一緒なのですが、よく観察すると違うようで、実際は大きさも違うようです。

 

 

ここで有名なのは、なんといってもチェラージ礼拝堂の中にあるカラヴァッジョの壁画です。

この礼拝堂は主祭壇のすぐ左隣にあります。

この礼拝堂も、お金を入れるとしばらくの時間だけ点灯してくれるスタイルです。

ここでも、カラヴァッジョが光と影を駆使して演出した、神の奇跡の世界を実現した絵を見ることができます。

しばらく言葉も出ないほど感激してみていたのですが、写真撮影が許されていません。

自分で撮影して感動を伝えることができないのは残念ですが、wikiの画像を借用します。

 

カラヴァッジョ《聖パオロの改宗》

 

カラヴァッジョ《聖ピエトロの逆さ磔》

 

この2枚が左右に配置され、その中央にはカラッチの《聖母被昇天》が置かれています。

 

このほか、主祭壇の左の壁には、キージ家の礼拝堂と呼ばれる別の礼拝堂があります。

中央には主が見下ろすように描かれています。ラファエロのデザインといわれているようです(未確認)。

 

 キージ家礼拝堂の中のベルニーニ《獅子と預言者ダニエル》

 

同じくキージ家礼拝堂の中のベルニーニ《預言者ハバクク》

 

他の礼拝堂の様子

 

 

 

 

教会内部の様子

 

 

 

教会自体の主祭壇にある《マドンナ・デル・ポポロ(市民のマドンナ)》

 

 

 


Ristorante IMPERIVM

2015年09月21日 | 食道楽

美術三昧の後は、ホテルやテルミニ駅の近くのRistorante IMPERVMというレストランで食事です。

その前の日にIL SECCHIOで食事をしましたが、そのすぐ隣です。IL SECCHIOで食べた後、ミネラルウォーターの買い出しにテルミニ駅まで行く途中で発見した店でした。ここのオープンテラスで、Muscheln(ムール貝)を食べている客の姿を見て、自分も食べたいと思って、出かけました。

 

第1皿目でムール貝とあさりのワイン蒸し

冒頭の写真はこれです。

バケツ一杯のムール貝のワイン蒸しは、ベルギーの名物で、ブラッセル、アントウェルペンで2日間連続して食べたことがあります。しかし、今回の料理はお手頃な値段でしたので、バケツ一杯でもありませんし、ムール貝よりもあさりの方が多い料理でした。

ローマでもあさりはよく食べるようです。お手頃な感じで、日本の居酒屋メニューみたいです。



第2皿目でピザ・マルガリータ

第2皿でピザというのが、ありうるのかどうかわかりませんが、食べたいものを注文するという仕方で注文しました。



この時はさすがに疲れ果て、もうレストラン自体の写真を撮ることは忘れてしまいました。








サン・ルイージ・ディ・フランチェージ教会

2015年09月20日 | 美術道楽

サン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会San Luigi dei Francesiは、第7回十字軍を指揮し、フランスの守護聖人となったルイ9世をまつる教会です。多くの著名なフランス人が埋葬されているということで、今日でも多くのフランス人が訪問しており、教会内部はフランス語が頻繁に聞こえます。

 

ここが有名なのは、そして、ねずみ属がどうしてもここを訪問したいと思った理由は、カラヴァッジョの《聖マタイの召命》があるからです。

 

この教会の中のコンタレッリ礼拝堂にあるのが、カラヴァッジョの聖マタイをめぐる3つの壁画です。

 

カラヴァッジョ《聖マタイと天使》:正面にあります。

 

 

カラヴァッジョ《聖マタイの召命》:向かって左です。

今回のイタリア旅行で、見た絵画の中で最も感銘力がありました。

窓から差し込む光に照らされるマタイを描いていますが、ここでも礼拝堂の上部に窓があるので、その窓から光が入り込み、絵の中の光だけではなく、実際に教会から入る光まで差し込んでいるように見え、マタイの召命という物語がいま目の前で現実に起きているかのようなリアル感を付加しています。ものすごい演出効果です。

ただ、私の心により強く印象付けられたのはヴァチカン美術館所蔵の別のカラヴァッジョの絵でした。その理由は、また後で書きます。

 

 

 

カラヴァッジョ《聖マタイの殉教》:向かって右です。

 

 

 

 

チェチリア礼拝堂にはドメニキーノの《聖ルチア伝》の壁画があります。

中央の壁画

 

《聖チチェリアの殉教》=向かって左の壁画

 

向かって右の壁画

 

 

 他の礼拝堂(確認作業中。パリオーネのマギの礼拝か?)

 

 

 

 

 

正面にはバッサーノの《聖母被昇天》があります。

 

教会内部の様子

 

 

カラヴァッジョの絵画の感銘力に圧倒されました。

対抗宗教改革の時代、カラヴァッジョの絵を見た人々は、さぞ目の前で神の奇跡が起こっていることのように感じたことでしょう。

そのような感銘力のある絵を描くのが、実際には素行が好ましくなく、最終的には殺人まで犯してしまうカラヴァッジョというのは皮肉以外の何物でもありませんが。

 

 

最後に教会の前に座り込んでいたおじさんに連れられた犬たちの写真です。

 

 

 


サンティニャーツィオ教会

2015年09月19日 | 美術道楽

ドーリア・パンフィーリはあきらめて、予定通りサンティニャツィオ教会に向かいます。

この教会は、グレゴリウス15世がイエズス会の創設者イグナティウスにささげた教会ということです。この教会にはアンドレア・ポッツォの《聖イグナティウス・ディ・ロヨラの栄光》というフレスコ画があります。

 

しかし、なんといっても有名なのは、同じポッツォのだまし絵です。

本来はドームを建造する予定であったようなのですが、資金不足のため、天井にドームに見えるようなだまし絵を描いたのだそうです。

 

宮下規久朗先生の「イタリア・バロック」という本で知りまして、楽しみにして出かけました。

しかし、肉眼でみるとこんな感じです。ただの黒い丸です。中身は何もわかりません。

写真に画像処理をすれば、真っ黒な部分の正体がわかるのですが、あえてこのままにしてあります。




つまり部屋の中は明るくなく、絵も汚れているのか、天井に真っ黒な丸が描かれているようにしか見えません。



ここは一眼レフデジカメの力をかります。





写真でとって初めてこのような形とわかりました。

なるほど、ドームの内側のような絵が描かれています。

精巧なだまし絵です。中から見れば、立派なドーム付きの大聖堂です。



中央の祭壇画の上部の様子


ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂

2015年09月18日 | 旅道楽

カピトリーニ美術館の中を動き回り、再びクタクタになって出ます。せっかくカフェで休んでも、歩くとすぐに疲れます。

まだまだ美術鑑賞の苦行は続きます。

ヴェネチア広場に出て、後ろにヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂を見ました。

初代統一イタリア国王の名前を冠した記念堂ですが、インク壺、ウェディングケーキ、極め付きは入れ歯みたいと建築当時の評判は良くなかったようです。

ところが、現在はローマを代表する観光名所になっています。

 

ヴェネチア広場をヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂の反対側に進みますと、近くにドーリア・パンフィーリ美術館があります。

カラヴァッジョの絵画の魅力に惹きつけられ、行きたくなりましたが、今回の旅行では諦めました。

機会があればいずれ出かけたいと思います。

 


藤田美術館の至宝 国宝曜天目茶碗と日本の美

2015年09月17日 | 美術道楽

サントリー美術館で開催中の「藤田美術館の至宝 国宝曜天目茶碗と日本の美」と題する展覧会に行きました。

 

明治時代に長州藩士から財界人に転じた藤田傳三郎とその子供たちのコレクションを集めた藤田美術館の作品群が展示されています。尾形光琳、乾山のコラボの作品は、今回も展示されていました。



明治時代の廃仏毀釈の時代に収集をしたようで、奈良の法隆寺をはじめ、多数の寺からのコレクションがあります。

よいのですが、コレクションの全容がわかるようにいろいろ展示しすぎたためか、いささか統一感を欠いていることは否めません。

 

充実した茶器のコレクション以外には、むしろ藤田傳三郎と同時期に生きた竹内栖鳳の絵画の方が印象に残りました。

 

そして国宝曜天目茶碗です。これは徳川家康から尾張徳川家に下賜されたものとのことです。

思ったよりも小さいのですが、なるほど不思議な色合いでした。


没後50年 ル・コルビュジエ ― 女性と海 大成建設コレクションより

2015年09月16日 | 美術道楽

国立西洋美術館の常設展内で開催中の「没後50年ル・コルビジェ」と題する展覧会に行きました。

常設展内の版画を展示するスペースを利用した企画展です。

 

大成建設のコレクションから借りたもので、ル・コルビジェの絵画を見ることができます。

 

女性と海というのは、コルビジェの作品に影響を与えているものということです。

コルビジェの作品に登場する女性は、多くの場合目が一つしか描かれず、形も大きくデフォルメされて、最終的には女性というより、単にやわらかいものというイメージになるのだそうです。

そして、女性と同時に海そのものというより、海にちなんだもの、牡蠣とか漁業用の網とか舟とかが描かれるのだそうです。

コルビジェが奥さんと愛犬を描いた作品もありましたが、形が大きく変わっていて、何が何だかわかりません。ただ、コルビジェが愛犬のワンちゃんが亡くなった際に、とても悲しみながらも愛犬の皮でブックカバーを作ったというエピソードには、いささか違和感を感じずにはいられませんでした。

 

常設展プロパーのコーナーにも新着作品も含めて様々な展示があります。

アンドレア・デル・サルト《聖母子》=新収蔵作品

 


ドメニコ・プリーゴ《アレキサンドリアの聖カタリナを装う女性の肖像》=新収蔵作品


 


マールテン・ド・フォス《最後の晩餐》

 

 

 


グイド・レーニ《ルクレティア》

どこかアニメっぽく、現実感がありません。やはりグイド・レーニは女性の裸は見慣れていないのでしょうかという疑惑を持ってしまいます。

 

 


鈴木理策写真展ー意識の流れ

2015年09月15日 | 美術道楽

東京オペラシティアーツアンドギャラリーで開催中の鈴木理策の写真展に行きました。

 

企画の趣旨をHPから引用します。

(引用はじめ)2007年に東京都写真美術館で開催された個展「熊野、雪、桜」から約8年。鈴木はライフワークともいえる熊野での撮影を継続し、雪、桜のシリーズも制作を続けてきました。本展はこれらの新作・近作に、新シリーズ「水鏡」「Étude」を加え構成されています。

近年、鈴木は「『見るということ』そのものを提示したい」と語っているように、写真の特性と視覚の問題に関心を向けています。「何が写っているか」を示すだけでなく、「見るという経験とは何か」を問いかける装置として写真をとらえ、写真表現の可能性に向かう鈴木の作品は、私たちに清新な視覚体験をもたらしてくれるにちがいありません。(引用終わり)



企画の趣旨にあるように、水、森、雪、桜などをテーマにした写真とパネルに表示される動画です。

今回の企画展は館内の写真撮影も許されています。

 

どのようにしたら、あのような写真を撮れるかなどと考えながら見ました。

 

見て感じる写真と思いますので、感想を言葉に表現するのは困難です。



そして、上階の常設展コーナーでも、企画展に合わせたのか「水につながる」というタイトルの展示をしています。

堂本尚郎、堂本右美、ザオ・ウーキー、李禹煥、鴨井玲、難波田龍起、難波田史男などの作品が並んでいます。

ザオ・ウーキーの作品が白黒で、カラーでなかったのが残念ではありましたが、上階の常設展もといいますか、こちらの方がより楽しく見ることができました。

特に難波田親子の作品は、同じ空間に混ぜて展示されており、そのコラボがよいと思いました。

難波田龍起の作品の方が、クレーのような抽象絵画なのに対し、史男の作品は逆に少し具象に戻してあったりしてなど、作風の違い(時代の違いもあるかもしれません。)を感じながら楽しめました。

残念ながら上階は撮影禁止です。