道楽ねずみ

ドイツに関するものを中心に美術展,オペラ,映画等の趣味の世界を紹介します。

Una Hotelで昼食

2017年01月22日 | 食道楽

コロンナ宮とCasino Boncompagni Ludovisiの2つの貴族のお屋敷を見学した後はさすがに疲れました。

コロンナ宮も書き忘れましたが、イザベッレ王女のアパルトマンについては少人数のグループで英語でのツアーでしか見学を許されていないので、英語では十分にコミュニケーションのはかれないねずみ属には大変なのです。

疲れたので、そのまま宿泊していたUNA Hotelに帰り、そこで昼食をとることにしました。

 

こちらは、観光客向けに、伝統的なスタイルで第1皿と第2皿をとっても、食べきれないことがないように適量のコースメニューを作ってくれています。

 

前菜

 

 

道楽ねずみ第1皿

カルボナーラでしたが、日本で食べるのとは違い、胃ももたれず、おいしいです。

 

 

 

相方ねずみ第1皿

 

道楽ねずみ第2皿

仔羊の料理です。臭みも少なく、香ばしくてとてもおいしく感じました。

 

 

相方ねずみ第2皿

魚の料理です。

 

デザート

 

 

かなりお得なコースでした。

店の人にできれば、イタリア語、できない場合には英語で話しかけていたのですが、間違ってドイツ語が出てしまったところ、店の方も昔ハイデルベルクで働いていたということ。

おかげでその後の会話はすべてドイツ語で対応していただき、その意味でも苦労しないで済みました。

チップは気持ちよくはずむことができました。

 


Casino Boncompagni Ludovisi

2017年01月15日 | 美術道楽

コロンナ宮を割と早めに切り上げたのには訳がありました。

実は、この後、重要な見学の予約があったのです。

 

カラヴァッジョが描いた唯一の天井画というものがあります。

それが、カジノ・ボンコンパーニ・ルドヴィージという貴族のお屋敷の中にあるのです。

こちらは一般公開されていません。金曜日と土曜日に予約を取って、個人見学が可能というものです。一般的には、15名からのグループ見学で一人€20ということなのですが、それ以下の人数でも€300を支払えば可能ということですので、つたない英語でメールを書いて予約を取りました。

ドイツ語であればメールでもなんでも困らないのですが、英語でははなはだ乏しい表現力です。ドイツ語と英語の両方で記載したメールを書きましたが、ドイツ語は相手にされず、英文で返事がきました。そうこうして、何度かやり取りをして、結局、グループ見学の予定が入らないということが判明したので、ねずみたち2匹だけで見学となりました。

時間前に到着しても、門は閉じられていて、監視カメラで見られているのか、予定時刻の11時きっかりに門が開きました。

メールでは、普段は勝手に見てもらうが、お姫様Princessがいる時には、Princessが説明してくださるとのことでしたが、お屋敷にうかがいますと、Princessがいらっしゃいました。執事のおばさんは、イタリア語しか解さないので、会話ができず、皆、Princessからお話をうかがうことになりました(どうやらメールも、執事が書いていると思っていたのですが、Princessが執事に代わって書いていたのでしょうか。天皇が綸旨を自分で書くようなものです。)。

 

この建物は、ルドヴィコ・ルドヴィジ枢機卿が1621年から1623年にかけて建築したのを、1825年から1851年にかけてボン・コンパーニ・ルドヴィジが増築したということです(宮下規久朗「イタリア・バロック」66頁)

 

最初に通されました風景の間です。

中央にAntonio Circignaniの絵があり、その周りにグエルチーノ、ドメニキーノ、パウル・ブリルなどの絵があります。

 

 

次に「アウロラの間」に入ります。

このヴィラの見どころはカラヴァッジョよりもむしろグエルチーノの天井画です。

アウロラの間には、有名なグエルチーノ《アウロラ》があります。

下から見上げた視点で描かれて、遠近法が駆使されています。

暁の女神が夜を払しょくする場面とのことです。

 

 

この作品は、誰のかわからなくなってしまいました。

 

 

2階に行くとカラヴァッジョ《ユピテル、ネプトゥルネス、プルート》があります。

これがカラヴァッジョ唯一の天井画ということですが、あまり感激するような作品ではありません。

カラヴァッジョは、これ以降、自分は天井画の制作には向いていないと思い、二度と制作しなかったそうです。

 

2階でも評価が高いのは、むしろこちらのグエルチーノの天井画です。

 

 

 

ヴィラの外には、ミケランジェロの彫刻が普通に置いてあります。

 

 

最後にはPrincessと記念撮影をさせていただきました。

 

今度は、ゲーテが絶賛したという、グイド・レーニの《アウロラ》のあるパラッツォ・ロスピリオージにも行きたくなりました。


コロンナ宮

2017年01月10日 | 美術道楽

更新が遅れています。

昨日ようやくこの記事を書き上げたのに、なぜかgooのブログはみな接続不良で更新することができませんでした。

 

気を取り直して、本日、更新です。

ローマ2日目は駅からバスでナヴォーナ広場まで行き、コロンナ宮に行きました。

ここは、土曜日しか一般公開されていません(それ以外の日はプライベートで予約をする必要があります。)。

貴族の屋敷であるこの場所が有名なのは、映画「ローマの休日」で王女が記者会見を受ける場面の撮影がされた場所であるからです。

 

コロンナ宮(Palazzo Colonna)は15世紀に建築され、18世紀に再建されたということです。

建物の2階に上がって見学を開始するのですが、すぐに「ローマの休日」で有名な階段にでます。そして、そこを降りて大広間に行きます。途中、階段の上に砲弾があります。これはフランスの2月革命の余波を受けて1849年に誕生したローマ共和国に対し、教皇ピウス9世を救出するという名目で侵入してきたフランス軍が攻撃し、ジャニーコロの丘から発射した砲弾が着弾した後といわれています。

 

階段にめり込んでいる砲弾がこれです。

 

ギャラリー大広間、コロンナ・ベッリカの間、風景画の間、マルティヌス5世神格化の間など。所狭しと絵画が密着して並べられていますが、解説は番号を頼りにほかの場所で見なければならないので、とても見にくいです。

 

カラッチ《豆を食う男》

大した絵ではないと思うのですが、この絵が一番有名です。

 

 

アンドレア・デル・サルト《聖母子と洗礼者ヨハネ》

写真を撮影した絵は、もはや有名な絵であるからではなく、作者と作品名と照合できたからという選別になっています。

 

 

グエルチーノ《守護天使》

 

 

 

 

 

さらに進むとイザベッレ王女のアパルトマンに入ります。

中庭が見えます。

 

タペストリーがきれいです。アルテミジア女王の物語のタペストリーというのが有名のようです(下の写真の中にあるのかどうかも不明です。)。

 

 

 

下の紋章がコロンナ家の紋章ということです。

 

 

 

 

こちらも所狭しと絵画が飾られています。

 

グエルチーノ《大天使ガブリエル》

ガブリエルといっても、ist mir egalの歌に登場するMan mit Bauchの人(副首相)ではありません。

 

 

 

 

 

 

 


あけましておめでとうございます

2017年01月03日 | 美術道楽

あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

さて、今年もトーハクの「博物館に初もうで」の企画に行きました。

この企画、10年以上も前に初めて行ったときは、人もまばらで、道楽ねずみと相方ねずみのように正月に行くところがない人が行くのかなと思っていました。

ところが、最近は人気で、美術館内も混雑です。

最初に獅子舞を見ました。

獅子舞の獅子に頭の部分を噛むような仕草をしてもらいました。

 

館内には、例年公開される長谷川等伯の国宝「松林図屏風」が今年も展示されています。

もはや、NHKで放送されるウィーンのニューイヤーコンサート並みに新年を代表する存在になりました。

 

本阿弥光悦の《船橋蒔絵硯箱》です。

 

このほか、今年の干支の酉に因んだ美術品が展示されています。

今回、特に気になったのは、こちらの伊万里焼です。

伊万里焼の壺の上に鶏がいます。

 

今年一年が、皆様にとってもねずみ属にとってもいい年になりますことを祈念いたしております。