平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ドラマ「女王の教室」が現在に贈るメッセージ~一般国民よ、いい加減、目覚めなさい

2015年09月30日 | 学園・青春ドラマ
 一時、戦争法案反対派の間で話題になったドラマのせりふがある。
 『女王の教室』 阿久津真矢(天海祐希)の次のせりふだ。

「いい加減、目覚めなさい。
 日本という国は、そういう特権階級の人が楽しく暮らせるように、あなたたち凡人が安い給料で働き、高い税金を払うことで成り立っているんです。
 知ってる? 特権階級の人があなたたちに何を望んでいるか。
 今のままずーっと愚かでいてくれればいい、世の中の仕組みや不公平なんかに気付かず、テレビや漫画でもボーっと見てなにも考えず、会社に入れば、上司の言うことをおとなしく聞いて、戦争が始まったら、真っ先に危険なところへ行ってくれればいいの」

 ドラマだから誇張されている部分は差し引かなくてはならないと思うが、このせりふにリアリティを感じてしまうところが現代社会だ。

 たとえば、アベノミクス。
 株などの資産を持っている者はますます豊かになり、持たざる者は実質賃金低下でますます生活苦に。
 上の人間は「あなたたち凡人が安い給料で働き、高い税金を払うこと」を望んでいる。
 あるいは、オリンピックエンブレム問題。
 トップデザイナーや大手広告代理店といった一部の人たちが仲間内で決めていたことが発覚して、世の中のあらゆることは上の人間で決められていることがわかってしまった。
 大会組織委員会・武藤敏郎事務総長は謝罪会見で<一般国民>という言葉を使用し、ネットでは、これを皮肉った<上級国民>という言葉が生まれた。
 あるいは、経済的徴兵制。
 これなんかも、まさに真矢先生が言った「(凡人は)戦争が始まったら、真っ先に危険なところへ行ってくれればいいの」に合致する。

 オリンピックなんかもね~。
 別に水を差すつもりはありませんが、結局は利権の温床。
 特権階級、上級国民はこれで大儲けする。
 一般国民には、そのおこぼれを渡すだけ。
 あとは、オリンピックの熱狂で、現実の不平不満を忘れてくれればいい。
 すごく人間不信で、夢のない現実の見方ですが、上級国民はそんなふうに考えているのではないか?

 では、こんな現実を前に<一般国民>はどうすればいいのか?
 真矢先生は言う。
「いい加減、目覚めなさい」
 真矢先生は説く。
 勉強して、上の人間の言っていることにダマされず、現実をしっかり見つめ、自立しなさい。

 『女王の教室』は10年前の作品だが、そのメッセージは現在に大きなインパクトを持つ。

コメント (8)
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