井沢元彦『逆説の日本史』(小学館文庫)の電子書籍版がバーゲンセール中だったので、最初からきちんと読んだらべらぼうに面白かった。1992年から、「週刊ポスト」に目下のところ30年にわたって連載されているノンフィクション。以前から名前は知ってはいたが、なにしろ掲載誌が掲載誌だし、「言霊」だの「怨霊」だのを通して日本史を読み直すという趣旨の作品と聞いていたので、これまで真面目に読んだことはなかった。歴史おたくによる梅原猛日本学の亜流だろう……くらいに高を括っていた。いや、とんでもない思い上がりであった。そんなレベルの話ではない。
いま立て込んでいるため詳しいことは書けないが、これはぼくが今まで読んできた中でもっとも明快で本質を抉った「日本通史」だ。むろん、そこに記された内容がすべて正しいとはいわない。学術的には荒っぽいところもいっぱいある(作者の井沢さん自身がそれを認めている)。しかしそれでも、一人の作者が共著者を持たず自分だけの力で「日本通史」を試みているという点で、これは他に類を見ない画期的な作品なのだ。
ぼくはこれまで自分が中公文庫と講談社学術文庫の「日本の歴史」シリーズや、歴史関連の新書などを頼りにこつこつと作りあげてきた自己流の「日本通史」が、はるかに広く、深く、鮮烈なかたちでアップグレードされたことを認めざるを得ない。
もっと前にこの『逆説の日本史』シリーズを読んでいたなら、当ブログの「歴史」カテゴリも、まるで違ったものになっていたろう。
もちろん『鎌倉殿の13人』の背景もよくわかる。広常は出てこないけれども。
いま立て込んでいるため詳しいことは書けないが、これはぼくが今まで読んできた中でもっとも明快で本質を抉った「日本通史」だ。むろん、そこに記された内容がすべて正しいとはいわない。学術的には荒っぽいところもいっぱいある(作者の井沢さん自身がそれを認めている)。しかしそれでも、一人の作者が共著者を持たず自分だけの力で「日本通史」を試みているという点で、これは他に類を見ない画期的な作品なのだ。
ぼくはこれまで自分が中公文庫と講談社学術文庫の「日本の歴史」シリーズや、歴史関連の新書などを頼りにこつこつと作りあげてきた自己流の「日本通史」が、はるかに広く、深く、鮮烈なかたちでアップグレードされたことを認めざるを得ない。
もっと前にこの『逆説の日本史』シリーズを読んでいたなら、当ブログの「歴史」カテゴリも、まるで違ったものになっていたろう。
もちろん『鎌倉殿の13人』の背景もよくわかる。広常は出てこないけれども。