『すずめの戸締まり』に隠されたメッセージと新海作品の可能性
土居伸彰×藤田直哉 対談
2022.12.17
https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/interview/doi_fujita/22112
土居伸彰×藤田直哉 対談
2022.12.17
https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/interview/doi_fujita/22112
10月17日に『新海誠 国民的アニメ作家の誕生』(集英社新書)を上梓した土居氏と、10月30日に『新海誠論』(作品社)を刊行した藤田氏との対談。やみくもな礼賛に留まらず、エロティシズム、ナショナリズム、天皇(制)といった難しい問題にも抜かりなく目を配っている。『すずめの戸締まり』について語られるべきことは、とりあえずこの中にほぼ尽くされていると思う。
それぞれの評者による個別のレビューはこちら。
土居伸彰
返事のない場所を想像する――『すずめの戸締まり』を読み解く
『新海誠 国民的アニメ作家の誕生』特別寄稿
藤田直哉
新海誠の『すずめの戸締まり』は、何を閉じたのか?宮崎駿作品の主題、『星を追う子ども』の共通点から考える
2022.12.15
https://www.cinra.net/article/202212-suzumenotojimari_iktaycl
2022.12.15
https://www.cinra.net/article/202212-suzumenotojimari_iktaycl
ほかに、この方の批評も有益だ。
「すずめの戸締まり」新海誠監督が描く「星を追う子ども」「君の名は。」に続く“生者の旅”とは
2022.11.15
☆☆☆☆☆☆☆
これらお三方は「すずめ」を高く評価しているが、いっぽう、「数年ぶりに物凄い怒りと共に執筆しました……」という但し書きを付して公表されたレビューがこちら。批判的意見の急先鋒といおうか。
茂木謙之介
新海誠監督『すずめの戸締まり』レビュー:「平成流」を戯画化する、あるいは〈怪異〉と犠牲のナショナリズム
2022.11.25
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/suzume-tojimari-movie-review-2022-11
ぼく個人は、土居、藤田、藤津氏らと同じ立場であり、この茂木氏の意見には与しないけれども、『すずめの戸締まり』を観て、「なんだか引っかかる」「どこか釈然としない」(いまどきの用語でいえば「モヤモヤする」)といった感想を抱く方々の心情を精緻に言語化すればこうなるのかな……とは思う。
☆☆☆☆☆☆☆
そのほか。
『すずめの戸締まり』に登場するミミズや閉じ師、猫のダイジンら、民俗学的なモチーフの意味を読み解く
畑中章宏
2022.12.16
https://www.cinra.net/article/202212-suzumetojimari_kawrkcl
タイトルどおり、作中に出てくるキャラクターやイメージやモチーフなどを民俗学的な見地から考察するもの。
新作『すずめの戸締まり』まで連なる、新海誠作品における「孤児」たちの系譜――なぜ、誰かを「ケアする」人物を描くのか
伊藤弘了
2022.12.14
https://yomitai.jp/series/kansoumaigo/05-ito/2/
「孤児」というキーコンセプトをもとに、『君の名は。』以前まで遡って新海誠作品の系譜をスケッチしたもの。
☆☆☆☆☆☆☆
蛇足になりますが、これらのレビューはネタバレを含む……というより全編がネタバレそのものなので、くれぐれも、作品をご覧になってからお読みになることをお勧めします。